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旅の始まりは突然に

 部屋でスマホを片手に電子書籍を読んでいると、突然部屋の中が眩しい光に包まれた。


 眩しさに目が眩んで反射的に思わず目を閉じたまましばらく待っていると、眩しさが無くなり肌に風を感じたような気がして閉じていた目を開けた。


(何?これ?)

 見渡すと一面草が広がる知らない景色が広がっていた。青い空と平原の境界線が見える。遠くに見えるものは何もなさそうだ。


 こういうのは、ライトノベルで言う異世界転移というやつだろうか?一見冷静そうに見えると思うけど、唐突過ぎて頭が真っ白なんだよね。というか誰かこの状況を説明して?神様?貴方の仕事では?


 あ、スマホが震えてる。手に持っていたことさえ忘れていた。スマホの画面には神様という名前でメールが来ていた。


 そんな奇特な名前の人とアドレスを交換した覚えは無いんだけど…?なんていうボケは要らないよね。さっそく中身を見てみようか。なになに…


「拝啓 平野悠理(ひらのゆうり)

突然こんなことになって驚いたでしょう?私も驚いております。


貴方は本来、私の世界を経由して、私からこの世界で生きられる力を手にしてから召喚者の居る場所へ召喚される予定でした。


ですが、突然転移の魔法誤作動して貴方だけ直接この世界に転移してしまい、本来の転移先とは違う場所へ召喚されてしまいました。


原因は究明中ですが、人里離れた魔物の巣食う場所に転移させられた貴女の為に、本来は本人にひとつだけ選んでもらう力をいくつか私の方で勝手に選んで差し上げます。それと、本来はここまでサービスはしないのですが、非常事態ということで、初めからある程度戦えるレベルまで体を強くさせてもらいました。


王都に行けば貴女の他の転移者とも会えるでしょう。どうかめげずに諦めずにこの世界で生き残って下さい。


それでは、良い異世界ライフを!


P.S.この機器は特別にこの世界仕様にして差し上げます。貴女のステータスも確認出来るので、後で確認して下さいね。 神様より」


 メールに拝啓なんて言葉使う人始めて見た。最近はメールなんて機能もあんまり使わないけどね。そもそも人じゃなくて神様か。ま、そんなことは置いておいて。


 どうやら何か不具合があって、本来とは違う場所に飛ばされたみたいね。でも、おかげで普通よりもたくさん恩恵が貰えたみたい。普通は異世界転移なんてしないけどね?


 本来は転移時に持ち物も没収なのかな?このスマホはこのまま使えるようにしてくれたみたいだけど。この世界の神様、優しいね。後で感謝のお祈りしておこう。


 え~っと、スマホでステータスが確認出来るって書いてあったよね?


 スマホの電源を点けて確認をしてみると、すぐに見慣れないアプリを発見する。その名もステータス。そのまんまじゃん。


 分かりにくいよりは良いかと、さっそくアプリを開いてみることにした。



〈名前〉 平野悠理

〈種族〉 人間(異世界人)

〈年齢〉 16

〈性別〉 女性

〈職業〉 

〈ステータス〉

レベル 1

HP 1010/1010

MP 5010/5010

攻撃力 515

防御力 510

魔力  550

精神力 800

素早さ 510

知力  585

器用  550

魅力  600

運   501


〈スキル〉

【創造魔法】【魔法作成】【刀神】【鑑定】【不老】



 ステータスは比べられる基準が無いから置いておこう。問題はスキルだよね。これはもうチートザチートだよね。神様、もうちょっと考えてスキル渡そうよ。


 私としては全然オッケーだから、まあいっか。


 これ、【鑑定】スキルでスキルの鑑定って出来るのかな?出来れば詳細な効果を知りたいんだけど。やってみようか。


【創造魔法】…MPを消費してありとあらゆる物を作り出すことが出来る。作る物によって消費MP変動。


 問題なく出来たね。効果も想像通りだよ。創造だけにね。……


 なんでも作れるみたいだから、食べ物でも出してみよう。小腹が空いたからね。ということで、おにぎりにしようかな。中身は…梅干しで。種無しにしておこう。


 おっ、出来た。成る程ね、きちんと頭の中でイメージを浮かべて出ろーって念じれば使えるみたい。なんか変な詠唱とか無くて良かったよ。恥ずかしいからね。


 あ、そうだ。消費MPは…


MP 5005/5010


 おにぎり一個で消費は5か。食べ放題ですね☆


 食事は問題無さそうだね。じゃあ、飲み物も出してみよう。某有名メーカーのお茶で良いかな。ペットボトルで。


 手に500グラムの重み…。飲み物も問題ないかな。さてさて消費MPはっと…。


MP 5000/5010


 お茶500ミリリットルペットボトル付きで消費はおにぎりと変わらずか…。飲み放題ですね☆


 容器付きなのにこんな消費少なくて良いのかな?こうなったらもうピクニックにしよう。ちょうど平野にいるしね!


 レジャーシート、ドーン。キャンプ用の折り畳み式のイス、ドーン。同じくキャンプ用の折り畳み式簡易テーブル、ドーン。さて消費は?


MP 4900/5010


 ……よし!ご飯食べよう!


 もぐもぐ…。ごくん。ごちそうさまでした。


 お茶で喉を潤してっと。ふぅ。


 えっ?突然異世界転移させられたのになんとも思わないのかって?なってしまったものはしょうがないよね?パニックになって無駄な時間を使うより、出来ることをひとつひとつ確認して生き抜くことを考えなきゃ。非常時こそ冷静に、だよ?


 ところで、さっきから視界の端にちらほらと影が…?あ、あれは第一村人!…ではなくてゴブリンですね。


 あ、目が合っちゃった。ニタァってされた。まあ、女の子がこんなところで独りでピクニックなんかしてたら格好の的だよね。


 でもね、ゴブリンくん。【鑑定】で気付いちゃったけど、私の方が強いんだ。


〈種族〉ゴブリン

〈ステータス〉

レベル 2

HP 27/27

MP 0/0

攻撃力 13(+8)

防御力 12

魔力  0

精神力 5

素早さ 8

知力  4

器用  10

魅力  1

運   4


 とりあえず、ゴブリンくんを殺ってしまいましょう。思考の邪魔だからね。


 武器が必要かな?素手で倒せそうだけど。殴り殺すって何か、女の子的に、ね?武器はやっぱり刀かな?【刀神】スキルとか持っているし。


 近寄ってきたゴブリンくんを【創造魔法】で作り出した刀で居合い抜き一閃。真っ二つにしてやりました。グロ注意!


 刀なんて扱ったこと無いし、居合なんてアニメでしか見たことなかったけど、不思議と体がイメージ通りに動いたね。これがスキルの力か…。


 即興で刀を作ったけど、MP大丈夫かな?消費は200くらいだね。余裕です。


 さすがにもう気付いちゃったんだけど、これ、私のステータスおかしいよね?よね?


 私はもう一度スマホで神様からのメールを確認してみる。


 ふむふむ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、ね。


 神様…私を何と戦わせる気だったんだああああ!!!!



……


………


 ふぅ、落ち着いた。


 神様のうっかり?だか、意図的?だか知らないけど、私のステータスはとても高いっぽい。たぶんHPとMPはそれぞれ1000と5000。ステータスは500ずつ上げられているのかな?


 あ、ノリと勢いで出したピクニックセットどうしよう?刀もずっと持っているには邪魔なんだよね。でも、世界観的に武器は持っておいた方が良いかな。


 そういえば、【魔法作成】は調べていなかったね。これで収納魔法とか出来ないかな?


【魔法作成】…魔法を作り出す魔法。イメージ力で消費魔力変化。


 魔法を作り出す魔法ね。じゃあ収納魔法をイメージしてみようか。異空間に物をポイってする感じで、後は時間が止まっていると嬉しいかな。後は…


 数分間あーでもないこーでもないと細かい設定を考えてようやく完成。さっそく使ってみようか。


 私の考えた収納魔法をイメージしてっと、はいっ!あ、ピクニックセットが消えた。試しに取り出してみよう。ほいっ!あ、出てきた。魔力の消費は、一回出し入れする度に1消費かな。魔力に余裕はある(あり過ぎる)けど、節約するならば出来るだけ一気に物を出した方が良いね。


 この調子で今後必要になりそうな魔法を考えておこうか。


 汚れを分解・除去する〈洗浄〉。埃や砂を払う〈清掃〉。火を起こす〈着火〉。飲み水を出す〈湧水〉。明かりを出す〈点灯〉。行ったことのある場所に移動する〈転移〉。空を飛ぶ〈飛翔〉。姿を消す〈迷彩〉。それと攻撃用によくある魔法や考え付いた魔法等々…。とにかく思い付く限りの魔法を創っていった。


 気付けば真っ暗だなぁ。今日はここまでにしようか。一歩も動いてないけど。


 【創造魔法】で一人用のテントを作り出して設置。テントの中で晩御飯だ。試しにご飯とお味噌汁(豆腐とわかめ)と肉じゃがを【創造魔法】で器も込みで作ってみる。魔力は…余裕だね。


 今日一日いろいろ魔法を創ったせいで、MPは残り1000を切ってしまった。いやいや、全然いっぱい残ってるか。私まで感覚がおかしくなりそうだよ。でも非常時用にこのMPは残しておこうか。備えあれば憂いなしということで。


 じゃあ寝ようかな。ここはキャンプらしく寝袋にしよう。よしオッケーだね。では改めて、オヤスミナサイ。


 はいおはようございます!異世界生活二日目ですね。実は夜に狼に襲われるという非常事態がありましたが、サクッと刀で撃退しました。死体は収納へ。それにしても迂闊でしたね。索敵魔法や罠魔法も創っておくべきでした。普段から戦いの世界に身を置いているような場所で過ごしていないからね。しょうがないね。少しずつ経験していくしかないか。


 あ、MP回復しているのかな?確認確認。寝る前が800ぐらいだったけど、ちゃんと全回復しているね。寝ているとMPの回復スピードが速いのかな?ちなみに普段何もしていない時でもちょっとずつ回復していくよ。3秒間に1ずつ位かな。MP量で回復量が変わるのかは不明だけど。


 この後どうしようかな。正直、私ひとりでも生き残れるくらいの自力があるんだよねぇ。私の力ってどう考えてもおかしいし、この世界の人と関わったら面倒事に向かって突っ込んでいく感じだよねぇ。でも、折角の異世界なのにひとり寂しくこそこそ隠居?しかもわたし【不老】スキルがあるから多分寿命が無いよ?無理無理!そんなの耐えられないって!


 となると、やっぱり町に行くしかないか。この世界のこととかもまだ知らないしね。情報を集めないと。


 それに、別に着いた町でいきなり暮らすとかそういうわけじゃないし、何日か滞在してまた次の町へっていう感じでどんどん移動していくのが良いかも。そう。異世界放浪の旅だよ!


 でもさすがに全く目的が無いのもアレだよね。う~ん。とりあえず、一緒に召喚されたっていう私以外の異世界人を見に行ってみる?そもそもどんな理由で呼ばれたのかも気になるし。よし、そうしよう。


 当面の目的は王都に向かってこの世界の情報集めと、私と一緒に召喚されたらしい異世界人の様子を見に行くこと!そして、それが終わったら悠々自適な異世界放浪ライフ!これで決まりだね!


 こうして、私、平野悠理(ひらのゆうり)いや、ユーリの長い永い旅が始まった。



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