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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
2章  初心者講習 乱痴気騒ぎ

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廃屋


「飽きた・・・」


つい独り言を呟いてしまう。

哀愁漂うおっさんみたいだなと思った。

少し疲れてきたのかもしれない。

回復魔法は身体の傷は治せても疲労は消せない

もしくは、魔法の使いすぎでの精神的疲労の可能性もある。





ハーピーの群れを滅し、いささか高揚したものの、戦闘を何度か繰り返すうちにすぐ冷めた。


冷静になったと言うべきか。

南門に来たオーク主体の魔物の群れと違い、東門にはオークよりも上位の魔物が多く、戦う先からすぐに他の魔物が合流して囲まれた。

苦戦するためにあっという間に勢いを失った。


今は仕方なく、途中で見つけたぼっちハイオークを相手に戦闘訓練を繰り返していた。


とりわけ上位の魔物の中でもハイオークは数が多い。

オークよりも上の強さを持ち、燃えるような焼けた鈍色の皮膚を持つハイオークには手こずった。

おかげで闇雲に突っ込んで戦う事を嫌った。



都合12回の強制模擬戦闘が終わり、地に伏せたハイオークを眺める。


現状ではサシでの戦いならば身体能力の差(チート)でハイオークを圧倒出来ている。

ただし複数いる場合は回復しないと難しくなる。

好きに動くオークと違い、ハイオークは多少の連携を用いてくる。

それは = こちらの動きが止まる威力の攻撃を食らうと、回復できずに死ぬに値する事になるだろう。


ハイオークの動きを完全に把握する必要があった。


600前後の魔物がいるなかで、一人で歩いていたハイオーク。

共感を感じるモノがあった。

お前も一人か・・・


奇遇だね、俺もだよ。

馬鹿に騙されてな、どっちが馬鹿なんだって話になるんだが。


その哀愁漂うハイオークを路地裏に連れ込んで壊しては治し、また壊しては治してを繰り返したんだけどね。

酷い奴だ。

そんなことを平気でするから、嫌われて罠に嵌められるのだろう。



だがおかげでハイオークのパターンは大体読めるようになってきた。

個人特性の癖も有るだろうが、種族共有の癖も多々有るだろう。

慣れておけばいかおうにも対応できる、ハズ。

このハイオーク限定でなら、短剣ですら圧倒出来るようになった。

良い練習が出来た。

そして飽きた。これ以上得るものは無いだろう。


良い訓練が出来たことに免じてハイオークの一匹くらいなら見逃してやらないこともないのだが、いかんせん彼とは言葉が通じない。

そして彼の反抗的な眼もまた、全く死んでいない。

地に伏してなお睨み付けてくる。

解放したらまた敵対する事になる、もしくは俺以外の人間を襲うかだろう。

どうやら俺はそんな彼が、割と気にいっているようだ。


例え他の人間を襲っても俺は気にしない。

だが今、街中には部下にした奴らがいるし、第二東門には知り合いから好きな女まで揃っている。

放置は出来まい。



「仕方ない殺すか。」


とはいえただ殺すのも勿体ない、せめて最後に俺の経験の糧になってもらおうか。


ハイオークの上に、水の回復魔法が発動し、地に伏せたハイオークがのそりと起き上がる。


13度目の戦闘が始まる。







★☆★☆







隠密のスキルは有能だった。


ハイオークとの涙の13戦目以降、隠れて移動するように心がけた。

魔物を見つけては姿を見せて引き寄せ、隠れる。

俺を探しているところを回り込み、後ろから一方的に攻撃して殺した。

複数いても大剣でなら同時に斬りかかれる。

初撃を入れてしまえば、安定して倒せた。


このおかげか 〝 不意打ち レベル1 〟というスキルを得た。

この不意打ち、名前はともかく効果的でとても使えるのだ。

隠密と併用するためにあるようなスキルでもあり、通常の攻撃にも乗っているように思える。

正面切っての剣戟でも、相手の意識から外れるような攻撃が出来るようになった。


今後は金髪にして卑怯をモットーに生きようかと思ったくらいだ。

トゲトゲ頭の相棒が出来るかもしれないし。




この2つのスキルを上手く活用し、群れを避け、少数を倒しながら東門へ近づいていく。

スキル的にも、レベル的にも、戦闘回数的にも良い稼ぎになっている。


何度か戦闘をこなすと 〝 不意打ち レベル2 〟に上がった。

やはり使うとスキルは伸びるようだ。

隠密、不意打ちはなるべく意識して使い、使うことでレベルを上げたい。


同じ理由で〝氷の矢(アイスアロー) 〟もこの先は使用することであげたい。


〝氷魔法〟が全て1ポイントで上がるのだとしても、〝氷の矢(アイスアロー) 〟は初級魔法に該当するので、そこに使うのは勿体ないと考える。

同じ1ポイントで上げるのならば上位の魔法に廻した方が、同じ1ポイントでも強くなる振り幅が大きいだろう。

当面は〝氷の矢(アイスアロー) 〟を全面に押し出して戦おう。



〝隠密〟を駆使して路地を走る。

デカい蜘蛛の魔物を見つけた。

30~40センチくらいある蜘蛛だ。キモい。

1匹なので手頃だろう、殺しておきたい。



ワザと足音をたて、隠密を解除して移動する。

蜘蛛がこちらに向かうのを見て物陰に隠れて、再度 〝隠密〟を使う。


蜘蛛に気づかれないように背後に回り込もう、そう移動し始めたところへ、蜘蛛に襲い掛かられた。

尻から糸を飛ばし、高い壁に貼り付けて空中を移動してくるアレだ。

空中ブランコさながらの動きで飛びかかってきた。

デカい蜘蛛がやるとリアルでキモい。

全身に鳥肌が立って震えた。


気づけば我を忘れて、声を出しながら蜘蛛を切りつけていた。


「あー、怖かった・・・」


体液をまき散らした蜘蛛の残骸の前で呟く。

今ならジスナの気持ちが少し分かる。

少し優しく接してやろう、そう思えた。


オークに犯された過去など気にしないわ、別にやれればそれでいい。

俺この戦争が終わったら、あいつをどっかに呼び出すんだ。

最初は青姦じゃなくて普通にしたかったが、思わぬ生命の危機に性欲が高まってしまった。

いつ死ぬかわからない職業か、やれるうちにいっぱいやっておきたい。


そんなことを考えてたら、右目の視界に赤いモノが映る。

魔物の追加が現れたようだ。


そういや結構な叫び声をあげてしまった。

なんで〝隠密〟を使ってたのに見つかったのだろう。

オークは勿論、ハイオークにも通じる。

なのに蜘蛛には通じなかった。

蜘蛛だから? 〝看破〟のスキル持ちの個体?

戻ったらその辺も調べねばならない。


再度〝隠密〟スキルを使い、路地に溶け込んで移動した。










その後、何度か回り道をした先で新たにハイオークを中心にした群れがいた。

数が多いので避けて廻ろうとしたところ、様子がおかしい事に気づいた。

武装したオークが2匹、他の魔物と仲間割れをしていた。


武装しているオークの装備はとても良いものに見える。

対するは8匹のオーク、4匹のハイオーク、3匹の犬だか狼だかの魔物。

上位の魔物を含む多勢 に対して2匹のオークは上手く渡り合っている。

地には数匹の魔物が伏せていた。


あの二匹のオークがやったのか! 15 対 2 だ 、恐ろしくも凄まじい。


それだけあの装備が良いのだろう。

そして全部殺せば経験値も、かなり美味しいんじゃないだろうか。

激しく揉めてるところだ、横入りするのは難しくない。

漁夫の利という素晴らしい言葉が前世にはありましてね。

良いんじゃ無いかな、俺も混じっちゃっても。


どうするか?

基本は多い方を減らす、減らしながら二匹を弱らせていくのが理想だ。

俺が止めを刺したい。

先に二匹を始末されると経験値が入らない。


特に危険なのは犬型の魔物だろうか。

人型の中に混じるった場合の、その機動力は侮れないだろう。


右目でスキル欄を開き、【 氷魔法 : 氷の矢 レベル2 】を 【 氷魔法 : 氷の矢 レベル3 】へとあげる。

これで理論上は4本の矢が6本になることになる。


試して見ようと行動する前に、スキル欄には新しい魔法が発現した。

【 氷魔法 : 氷の壁 】である。灰色に暗転していた。

つまりこれは取得条件を満たしたとみなせる。 

【 氷魔法 : 氷の矢 レベル3 】 が前提条件だったようだ。



とても嬉しいニュースだ。だが今はそれどころでは無い。

『 氷の矢(アイスアロー) 』と念じるとしっかり6本発現した。1レベル2本で間違い無い。

最大で10本か。

もしかすると〝 レベル5 〟 で取得条件が満たされるスキルもあるかもしれない。

余裕が来たら考えてみよう。今は〝 レベル3 〟で慣らす。


右目で意識しながら犬型の魔物へと 氷の矢を放つ。 一匹に2発づつ。

綺麗にホーミングしながら、後方より犬型の魔物に突き刺さった。

即死とはいかなかったが、大ダメージを与え動きを奪ったハズだ。


いかに犬型のとは言え、後方からの急な射撃には対応出来なかったようだ。


残るはオーク8匹 ハイオークが4匹。


俺が放った魔法の矢に驚いていたが、すぐに反応してこなかったので、まずはオークを減らしにかかる。

再び6本の氷の矢を作り、一匹に1本ずつ飛ばした。


1本刺さるくらいでは致命傷にはならずオークは矢の出所に気づいたようで、俺がいた場所を振り向いた。

俺がいた場所に殺到するオークたち。

武装オークから一気に剥がれ、こちらに流れてきた。

ハイオークが雄叫びを上げる。

おそらく隊列を乱すなとか指示をだしたのだろう。

動いたオークは再び武装オークへと向き直る。


俺はすでに隠密を起動し位置を変えていた。

元いた場所に殺到してくれれば後ろから追撃を入れられる位置に動いていた。

戻っていくオーク達は俺の眼前に身体の側面を向けて走って戻ろうとする。


再び6本の矢を作り、今度は2匹に向けて纏めて放つ。

側面から矢を食らい動けなくなるオーク。

戻ろうとした残る4匹は激高してこちらに向かう。

再度6本の矢を作り、即座に放つ。

結果を見ず、隠密を起動し移動する。


すると移動した俺を一匹のハイオークと、先に撃ち抜いた犬型の魔物が2匹追いかけてきた。

手負いのまま憤怒の表情で牙を剥き駆け寄ってくる。


「犬は好きなんだけどな、残念」


殺さなければ、オークを滅した後にテイム出来るかと期待していたが、これは難しいだろう。

再び6本の矢を作り飛ばす。

そして魔剣グラムに魔力を注ぎ凪いだ。


氷の矢は犬型の魔物を一旦狙うように掠めて、ハイオークに向かって曲がって飛ぶ、魔剣グラムは犬型の魔物を両断する。

二の太刀はもう一匹の犬型の魔物には交わされたが、氷の矢は綺麗にハイオークに突き刺さっていた。


駆けて前に出る。

ハイオークの武器を持つ右手を切り落とし、そのまま位置を変えて、追いすがる2匹めの犬型の魔物に向けて蹴り飛ばした。


ハイオークと犬型の魔物は激突し、そのまま倒れた。

上から両者の首を払う。


「救援感謝する!」


武装オークが声を上げた。


人語を解する魔物か?

そう思い顔を上げると、オークに似ているだけの普通の人間だった。

先程はオークにしか見えなかった。

何故だ!?

少し病んできているのだろうか?


「あれ!?人間か!?」


「人間だ!すまんがもう少し手を貸してくれ!礼はする!」


何だその返事・・・

俺の聞き方もどうかと思うけどさ。独り言に答えるな、スルーしろよ。


まぁ人間なら仕方ない。

殺すのも、見殺しにするのも、装備を奪い取るのもまずいだろう。

救援1択だ。

最悪纏めて〝 吹雪 レベル5 〟で皆殺しとか考えていた。危ねぇ!


再び6本の〝氷の矢(アイスアロー) 〟を作り飛ばした。狙いは自称人間たちとやり合っている魔物周辺へ。威嚇になればいいので狙いは細かくはつけない。

そしてオークの群れに大きな動作で切りかかる。

1匹の雑魚オークが〝魔剣グラム〟を斧で打ち落としにかかったが、超重量のグラムを抑えることは出来ず弾き飛ばされた。

弾けたオークは他のオークを巻き込んで体勢を崩す。

自称人間への道が出来た。


剣を掲げ残る魔物を牽制しつつ、大きく飛び込んで2人の人間()に近づく。

2人の自称人間に回復魔法を掛け、即座にそこからは離脱する。


共闘するのは良い。

だが知らない奴に背中を預けるのは怖い。

後ろを向いた瞬間グサリとかな。

深手を負わされた上で、囮にでもされたらたまったものじゃない。


少し距離をおいて援護するのが正解だろう。

挟み撃ち的な攻撃も可能になるし。



そう考えて、なるべく魔物の群れの外側を意識して位置取った。


男2人は重戦士とか、騎士とかいった感じの、鎧をガッチリ着込んで戦う前衛型だったので、俺が〝氷の矢(アイスアロー) 〟で援護するとそれが上手く嵌まった。


2人とも強く、多角度的な攻撃を理解出来る頭もあるようで、うまく位置を調整して合わせてくれた。


魔物の群れを仕留めるのに、大した時間は掛からなかった。







10連休 → 土日返上12連勤 からの~ 土曜出勤 

日曜辺りに纏めて感想に返信出来たらいいなぁとは思ってます。

出来なかったらごめんなさいm(_ _)m

更新は土日分くらいは出来ると思います。

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