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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
 1章  初心者講習

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子作り100人出来るかな



「じゃーアンタは何がしたいの! 元勇者の弟子になって厳しい訓練をしていて、なのに勇者には成らないなんて、おかしいじゃない・・・」


そう俺に詰め寄るビアンカの目元には涙が浮かんでいる。

突然の美少女の涙、胸にズキンと来るモノがある。

それより興奮のあまり顔が近い。こんな時なのにドキドキしてしまう。


抱きしめたい衝動に駆られるがそれを必死で抑えつける。


「えーっと・・・・」

「ビアンカ落ち着いて、イゾウが困ってるじゃない。」

困ってメアリーを見ると、メアリーが横から声を掛け落ち着かせてくれた。



「ごめん、ちょっと興奮した。」


そっけない謝罪だ。


「ああ、こっちこそ無神経だったよごめん。ユリウスとかシグベルとかと話してる感じで勇者を否定してしまった、不愉快だったか?。」


「そう・・・・あっちの2人は・・・やっぱり勇者を目指してるんだ。」


「・・・手強いと思うよ。」


「わかってるわよ!だから悩んでるんじゃない、このままで勇者に成れるのかって・・・」


「あー、そうゆうことか・・・別に現時点で負けてても将来負けなきゃいいんじゃないか?

大器晩成型で成功した奴なんていくらでもいるだろ?それにビアンカ女子じゃトップなんだろ?」


「アンタが言う?

じゃー女子のトップが私だとして、全体のトップは誰よ?」


「そりゃーまぁユリウスだね。言っちゃなんだけどあれは化け物だよ。」


「私の中でアンタもその化け物と同レベルなんたけど・・・・」


「私もですね・・・」


ユリウスを化け物だと言った俺に対し、俺もそれと変わらないと返された。

おかしいなぁ、講習中の自由組手で俺はユリウスに勝ったことがない。

正直3年の兵士の経験は大きい。そしてこの世界ではレベルという概念があるのだ。

最近気づいたが俺の右目に見えるステータスにレベル表示が加わっている。

おそらく殴って廻ったことで経験値が入ったのだ。それまでは1だったのだろう。1は未表示なのだろう、優しくない仕様だことだ。

それを加味しても現状では勝てる気がしていない。正当な勝負ならばだけどね。

よーいドンでは勝てないけど、強い奴にただ勝つだけならいくらでも手はある。


「はははっそれは面白い冗談だ、まともにやり合ったら現時点では絶対に勝てないよ。訓練の期間が違いすぎる。」

少し大げさに笑って言った。


「「・・・・・」」

だが2人は何かを考え込んでいるようで特に反応が無かった。

強いってそんなに大事かな?強く在るべきだと思ってはいるが1番である必要は感じていない。


「そういや強さが基準なんだっけか?」


「何の話?」


「前にメアリーに友達になってくれって言ったら断られたんだよ。ユリウスとかと同列はちょっとって・・・」

メアリーは気まずい顔を、ビアンカは聞いてないからか少し怒った顔をしていた。


「だって急に友達になろうとか言うからつい・・・」

残念ながらここはスルーだ。メアリーが困っているので話を変えてあげる優しさだ。ただし振ったのは俺だ。余計なことを言った自覚はある。

だって断られて少なからずショックだったしな。


「俺の評価よりも女子講習生内だとどんな評価になっているのかか聞いてもいい?」


「別に構わないけど曖昧よ?コロコロ入れ替わるしね。 まずユリウス・・・さんが一位なのは変わらないわ。 それはアンタのほうが詳しいでしょ?」


「まぁね、武術8種(剣術、槍術、斧術、棍術、短剣術、投擲術、格闘術 + 弓術)に魔法までは〝認可〟済。

解体ももう終わる。色男で学科も最初から問題無かったし、性格も良い、欠点探す方が難しいな。」


「・・・・・もう1人武術8種〝認可〟済がいるって私たちは聞いてるけどね。」


「あー、あいつは魔法が全然だからなぁ頭も顔も性格も悪くないのに残念な奴だよね。」


「多分性格と行動が悪いのよ・・・大して変わんないわ、同レベルの化け物じゃないの・・・」


顔と頭には触れてもらえませんでした。


「ぶはははは、普通ふつう、たいした奴じゃねーって。弱い奴に強くて、強い奴に悪い、ただの小悪党だよ。まぁもうすぐシグベルとか元兵士組の皆さんも武術8種は〝認可〟終わるハズさ。

次行こう、第2位は。」


「2位は意見が割れているところね。多いのは背の高いあれよ、アンタの友達じゃ無いほう」


「ああ・・・ライアスだっけか。」

どっかの街のガキ大将、といえばかわいいかもしれないが実際は愚連隊みたいなチームを率いて暴れていた悪者だ。

講習開始直後は同じような街の暴れん坊上がりの講習生相手に結構暴れている。

シグベルと合わせて今回の講習のツインタワーだ。どちらも2メーター越えの動ける化け物だ。

表でも裏でも活発な分シグベルよりも評価が高そうだ。


「で、ドワーフの元傭兵のアレと、そのアンタの友達の方も名前は出るわ。あと魔法使いの奴ね、その3人とライアスってのが2番手ね。」

2番手が結構多い。実質その辺がトップ争いだともいえるな。


「ドワーフの元傭兵はよく聞くね、まだ話したことないな・・・なのでノーコメント。」

魔法使いの方は知っている、何度も講習で見ている。あれもまた規格外の魔力持ちだ。

ユリウスより魔法に成通しているようで、よく一緒に教官に呼ばれている。ただ穏やかなのか、おとなしい性格なのかあまり目立った行動は無い、俺とも特に接点はない。

俺の中であれはユリウスのライバル枠なので何かあればユリウスが対処するはず(押しつける予定)


シグベルは言うまでもない。ライアスという男と同じ動ける2メートル。違うのは燃えるような赤髪を逆立てた髪型でライオンようなライアスと、元木こりで、大地の力強さを感じるシグベルの違い。どちらもでかくて動ける2メートル、なのに魔力が高い化け物だ。若干シグベルの方がデカい。

ドワーフの元傭兵然り、この講習にはユリウスを筆頭に化け物が揃っている。


ちなみにドワーフの元傭兵は髭もじゃなドワーフらしいドワーフだ。酒飲みだというくらいしか知らん。


「あんたは最近まで低かったんだけどね。理由は敢えて言わないけど結構女子から嫌われてるわ。」


「マジっすか・・・ま・・・べ、別にいいいいいんだけどさ。」


「全然良くなさそうだけど?」


「・・・僕の事はほっといて先に話を進めて下さい。」


追い打ち掛けないでください。こう見えても結構モテるんじゃないかってワクワクしてたんだぞ、現実を突きつけないでくれ・・・


「・・・・先も何もこれで終わりよ。一位から数人は団子状態、ただしその下とは頭ひとつ飛び抜けているのよ。」


「あとは個人の評価のバラツキでしょうか。

例えばユリウスさんを一位でイゾウを僅差で二位にするビアンカみたいな子もいれば、ライアスさんを一位に置く人もいますし、ユリウスさんのファンの子は一位のみ独走状態ですし。」

なるほど、そりゃ個人評価は割れるよな。平均するとさっき聞いた話くらいになるのか。やはりイケメンは強い。

しかしビアンカの俺の評価が、結構高い。

チラリと彼女を見ると、顔が少し赤い。

なんで見たのか意図が伝わったのだろう。


「何よ、いいじゃない。評価してたんだから感謝して欲しいわ。

私としてはバカみたいに大きい男よりアンタくらいの奴が強い方がやりがいがあるんだから。

アンタもそのうちわたしが倒してみせるから覚悟しておきなさい。」

左手を腰に当てて右手を俺に向けて伸ばし人差し指をでピシッと指された。

人を指指(ゆびさ)してはイケませんよ。


「勇者になるんなら俺じゃなくてユリウスと戦えよ・・・」


「アンタが勝てないっていう化け物にいきなり勝てるワケないじゃない、まずはアンタよ。」


ああ弱い奴から順番にか、その考え方は俺も同じだから嫌いじゃないぞ。だが弱い奴扱いも面白くはないなー。

何しろ俺存在自体が卑怯者(チート)だし。


「俺もそんな弱くないよ。やるならちゃんと覚悟しといてね。」


実力差があったらそのまま押し倒してやる。

そこそこ強くて楽しめるようなら、お触りくらいで我慢してやろう。

そんな気持ちを込めてニヤリとニヒルに笑ってみせた。

その笑い顔を見たビアンカがヒィっと小さく声をあげて身を引いた。

重ね重ね失礼だよ君・・・


「ま、女子のトップも大変だろうけどなー。セレナも努力家だし、元兵士組のも強いし、他にも強いのいるんじゃないの?」


多分強い奴は他にもいると思う。

元兵士組は何故かランキングされていない。いないがかなり強いはずだ。

それ以外でも俺の見立てではこいつ強いだろうなと思う奴は他にも何人もいる。何故かあまり話題にあがってないが、何かしら目立つ要素が無いと話題にはなりにくいからだろうか。

顔がいいとか、背が高いとかね。俺の場合は色々悪い、みたいだけど。ふぅ嫌われてますか・・・・そうですか・・・

最も相手の強さなんて俺には計れないから見当違いな可能性はある。戦闘力を測るスカウターもこの世界には無いしな。


「うるさいわね、セレナも強いのよ。前はわたしのが強かったのに・・・最近は接戦なのよ・・・」


講習生は武術8種の認可を得ないと組手は出来ないことになっている。

なのにビアンカとセレナはよく隠れてやりあっている。

ひとえに仲が悪いからだ。

俺は気にしていないが、ビアンカが俺を悪く言ったことをセレナが許せなかったらしくちょこちょこやりあっている。

あんまり仲が良くない俺とユリウスたちみたいな関係だと思っていたのだが、それより強烈なようだ。


「あー、セレナも伸び悩んでたし、ビアンカもまたすぐ伸びると思うぞ。師匠が言ってたけど、人は伸びて休んでを繰り返して成長するんだって。今セレナは伸びて、ビアンカは少し休みの時期なんだよ。

逆に言えば成長する前に必ず休むんだからこれから伸びるって。別にサボってる訳じゃ無いんだろ?」


「当たり前よ、ちゃんと鍛えてるに決まってるじゃない!」


「なら大丈夫だよ、セレナも伸び悩んでいたけど俺がちょっとアドバイスしたら急に伸びたしな、ビアンカも何かキッカケがあれば・・・・ん、どした?」

俺が気分よくペラペラ話していると、目の前でビアンカが涙目でプルプル震えだした。

何かあったのかと心配になって覗き込むと顔がどんどん赤くなっていく、涙目で怒りの表情に変わっていった。


「やっぱりおまえかーーーーーーーーー。」

ビアンカが絶叫して俺の胸ぐらを掴んで喚きだした。


「あんたがあんたがあんたがくううううう、わたしがどれだけ!うえーん!」


そして大きな声で泣き出してしまった。そして俺の胸元を揺さぶるか、筋力の違いでかあまり揺れない。


「どゆこと?」

メアリーに問いかける・・・


「う~~ん、ひょっとしてビアンカ・・・セレナさんに追いつかれて焦ってたの?」


「しょうが無いでしょ!勇者に成るって村から飛び出したのに上には上がいて、女子の中でなんとかトップをキープしてたのに、最近じゃそれも怪しくなってたんだから。

その癖わたしより遙かに恵まれたばかおとこが勇者に興味ないとか言うし!わたしはどうしたらいいって言うのよ! もうほんとにほんとにばかばかばかばかばか、うえーーーーーーーーーん。

あんたのせいだーーーーー!!!!!」


「いやそんなこと言われてもな・・・・」


「禁止!セレナに助言するの禁止!ずる、卑怯。どうせ師匠に教わったことをセレナにも教えてるんでしょ!そんなの勝てるわけないじゃない!」


「禁止ってそれはお前が決めるなよ・・・

でも師匠に教わったことは教えてないぞ。講習で学んだことを俺なりに教えてるだけで・・・・・」

師匠に教わってるのは〝スキル〟を得る前提の練習だ。もしくはひたすら実戦だ。

講習でやることは個別に復習したりはしない。夜飲みながら雑談に混じるくらいだ。

対して俺がセレナにしてるのは相方のマナが講習を乗り切るためのアドバイスに比率が高い。それをセレナなりに自分に取り入れているだけだろう。

ただしこの辺はユリウスやシグベルたちと話して共有してるコツなんかは流用してる。

俺は好きな女にはかなり甘い。


「じゃーわたしにもしなさいよ・・・助言(アドバイス)。」


「えー・・・」


「何で嫌そうなのよ!良いじゃ無いの!」


「だってビアンカがセレナと俺の仲が良い感じって言ったんじゃん・・・

お前に助言して、セレナに嫌われたらどうすんだよ・・・嫌だわ。」


「さっきのは嘘よ、全然良い感じじゃ無いわ!ひっかかったわね!」


「子供か! どんだけ必死なんだよお前は・・・・」


「強くなりたいのよ・・・ねぇイゾウ・・・お願い・・・」

ビアンカが涙声でお願いしてくる。強くなりたい気持ちはわかるけどね。

セレナと競うのをやめてくれればいいんだけどさ。


「イゾウ、その・・・私からもお願いしたい。ビアンカに手助けしてあげて欲しい。」

横から援護射撃入りましたー。

まぁ当然そっちの味方だよな。

さて・・・・困ったな。


「じゃー1つ条件出すからそれを考えてくれ。」


そう言った俺をメアリーが「また身体を要求するんですか?」とでも言いそうな目で見ている。

ま、間違いじゃない、だが最後まで聞いてくれ。


「先にビアンカがした質問に答えておくな。」


「私の質問?」


「そうそう、勇者にならないで何がしたいかって奴。

笑うかもしれんが俺は子供が欲しいんだ、出来るだけ多く。

だからそれを養うために金が欲しい。 

何がしたいのかって聞かれたら子供が作りたい。金を稼ぎたい。」


「・・・・・アンタ真面目にいってるわけ?」


「真面目だよ?出来れば100人は欲しいんだ。で、1人の妻に2人の子供を産んでもらったとしても50人は妻が必要なわけさ、もう一度言っておくが大真面目だよ俺は。」


「ふーん、好きにすればいいじゃない。私には関係無いわ・・・」


「それが関係あるんだな、俺は子供がたくさん欲しいんだけど、出来るだけ才能のある子供が欲しいんだよ。俺とお前の子供なら将来性ばっちりだと思わないか?」


「ば、バッカじゃ無いのアンタ・・・ほんとに・・・アンタとわたしの子供って・・・」

そう言いながらも顔は赤い。悪くない感触だとは思う。

評価してくれてたならこうゆう言い方が効くはずだ。


「別に急いではいないから今すぐとは言わないさ。ただ考えて欲しいだけ。

別に結婚しなくてもいいよ。子供産んでくれるなら、な。

それを考えてくれるなら、ビアンカが勇者に成ることに少し協力する。」


「・・・・・・・考えるだけでいいわけ?しかも少しなのね。」


「結果がでて納得してからでいいよ。それまでは普通に接してくれればいい。

手伝うのは少しだよ。俺もやることあるから全面的には協力出来ない。

ま、講習中は助言はしないけど約束組手の相手になるってのはどう?馬鹿に出来ない練習だよ。」


助言はセレナにしかしないことにする。

セレナはマナの面倒をみているために、俺と直接接触する系の練習をしない、基本俺が助言をするだけの関係だ。

なのでにそこはビアンカとしても問題無いはずだ。どうせセレナはそんなこと俺としないし。

中途半端だが妥協できるのはこの辺までだろうな。

正直なところセレナがさらに伸びるには足手まといになっているマナをどうにしかしないと無理だ。

恨まれるかもしれないがビアンカを先に進めておいて、マナを含めて後からセレナをどうにかするのがいい。どうせ現状マナは俺の言うことを素直に聞きはしない。


「いいわ、講習が終わったらどう協力してくれるのかまた話合いましょう。

宜しくねイゾウ。 こ、子供の事はアレよ、すぐには無理だわ、でもちゃんと考えるから・・・その・・・ね、考えるから・・・」


「ああ、宜しくね、メアリーもちゃんと考えといてね。」


「「!!」」


「ちょっとどうゆう事よ!メアリーは・・・駄目よ!ほんとアンタは・・・」

「わ、私もなんですか!え?だってビアンカの話じゃ・・・」


「駄目だよメアリーも俺にビアンカのこと頼んだんだから、メアリーにも責任があります。責任問題です。

あとちゃんと話聞いてた?奥さんもいっぱい必要なんだって。

急がないから()()()()考えといてね。」


その後は2人にやいのやいの言われたがこちらが折れなければ2人も特に強く拒否することは無かった。

なるべく同じ講習を受けて、時間を割く約束をして今日は別れた。


男は時に強引さも必要だろう。

先ずは意識を俺の方に強引にでも向けさせるのだ。

恋愛の最初の一歩は相手を意識することにある。

そうゆう意味ではうまく意識させられたと思う。




俺はイゾウ、異世界で子作り100人を目指す男だ。

この時点でノリックはまだ合流してません。

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