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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
 1章  初心者講習

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悪影響な転生者

『短話 父と息子のブルース』



「父上、いい加減止めにして下さい!何人講習生がアレにやられてると思ってるんですか!」


「何を止めろと言うんじゃ。儂は講習を真剣にやっておる。責められる言われは無い。」


声を荒げるは魔法課の教官の責任者、魔法課長。

相手は魔法課の老人教官である。

2人は親子の関係にある。だが仲の良い親子では無い。

彼らの家は15年程前までは貴族籍にあった。

当時当主であった老人教官の魔法探求の浪費により、家は傾き平民に堕ちた。

流れ流れて親子で冒険者ギルドに拾われ教官になった。


堪らないのは息子である。父のせいで家は取り潰された。

その落ちぶれた名前だけの家を継ぐ事になったのだ。

魔法の実力を活かし親子で冒険者ギルドの教官になれたまでは良い。

彼は努力し、魔法課の長になれたが家を潰してなお父親の浪費は止まらなかった。

昔ほど資金が無いために魔法の実験の材料や魔法書を買い集めたりは出来ないでいたが、魔法の才能のある講習生を勝手に自らの弟子にし、その弟子を養う資金で稼いだ賃金を食い潰していた。

勝手に弟子を取るだけならまだ許容は出来た、だが教官生活が15年になる今も父親が取った弟子から大成した者はいない。

そして当たり回と言われる今回、困ったことに1人の講習生を一方的に敵視し始めたのであった。

これは教官として大問題である。


魔法課の教官の大半は父親の元弟子で占められている。

それは彼が教科長になれた最大の理由でもある。

ではあるが大成出来なかった弟子の受け皿として、彼が用意した席でもあった。

父の弟子たちはそれを当然と思っている節があり、傲慢で向上心がまるで無い。

故にこの冒険者ギルドでは実力主義の武術課に比べ魔法課は数ランク劣る。

魔法課の長の彼としては認めたく無い現実であった。だが、事実である。


父親がイゾウという男の話を聞いたのは講習開始前夜であった。

先天性才能(ギフト)〟という希少な才能、さらに〝氷魔法〟という上位の能力に狂喜乱舞していた。

魔法課の誰もが彼がイゾウを弟子にとるのが規定路線だと思っていた。

だがイゾウは老人教官が声を掛けるより前に自分の意思で武術のトップの教官2人に弟子入りする。

さらに今まで特定の弟子を取った事の無い教官長にまで弟子入りしたことは更年期の老人教官が発狂するには充分な理由だった。


その後は知っての通り。

しばらくは成績の振るわない講習生までがイゾウをこぞって馬鹿にしていた。

全て老人教官の指示の元、教官、そして、講師を使いイゾウの悪口を言って廻らせた成果である。

数とは暴力だ。

多数の悪意に晒されたイゾウは下を向いてしまった。


魔法課長の本意では勿体無いと思っている。

それだけの才能、自身が弟子にしたいとすら思えた。

だが当主になってなお、彼は心の底から父親に逆らえない。

幼少期からの刷りこみにより、彼の本能はいまなお父親に恐れを抱いている。


だがイゾウはそこから立ち上がる。

実際は少し異なるのだが、無関係だった魔法課の教官の中にはその姿に(おとこ)を見た者までいたほどだ。

やり方は良くは無いが、武術課の教官たちが擁護に廻る中、教官人生を掛けてまでイゾウを問題視する声は魔法課の教官の中からも上がらなかった。


この()やり取りは何度目かもうわからない。

父親に上辺だけ反発する息子。

息子が逆らえない事を本能で理解し、好き放題する父親。



息子はイゾウを落ちこぼれ扱いは、したくなかった。

父親はイゾウを落ちこぼれ扱いすることで自分に頭を下げさせて弟子として組み込みたかった。

講習生は知らない。

親子が時に言い争う事を。

弟子たちもまた知らない。イゾウを本心では弟子にしたがっている師匠()を。


講習の中で魔法課はライアスなど数人の有望な講習生の関心を得ることが出来た。

その流れでイゾウを下げる流れは加速する。


そして一気に減速した。


息子はまだ知らない。

のちに父親が講習生に階段から突き落とされて重体になることを。

その講習生はイゾウに関わった1人だということを。

老教官の弟子たちが、後に反旗を翻すことを


知ったときにはもう遅い。

覆水は盆に返らない。

後悔は先に立って教えてくれない。


魔法課が教官の意思を汲んで機能するのは今回の講習会が最後になる。








『短話 赤の勘違い』


メアリーがイゾウに接触し、ひとつ借りを作った後

メアリーは親友のビアンカに話があると人気の無い場所に連れだされた。

詳細は教えてもらえなかったがメアリーはイゾウが隠れるのが得意だと知った。

周囲の暗闇、建物の陰、全てを確認した後にビアンカの話を促した。

でなければ怖くて話など聞けなかった。


「ほら、あれいるじゃない、セレナの。

あれ彼氏じゃないみたいなのよ。」


あれと言われてもわからないが、セレナのと言われたら予想がつく、イゾウの事だ。

イゾウ本人にセレナとの間に恋人付き合いは無いとメアリーは聞いているが、ビアンカはまだ知らないハズだ。何て言おうか考えていると


「なんか付き合ってないんだって。それはいいんだけど、アイツ最近暴れてるでしょう。あれどうしよう、私のせいかもしれない・・・・」


メアリーは驚愕する。イゾウに接触したことをビアンカは知らない。当のイゾウからはそんな話は聞いていない。


「どうゆうこと?詳しく説明して?」


「うん、あのね・・・」


話を聞いてメアリーは再度驚愕する。ビアンカがセレナ憎しで後をつけたこと。

それをイゾウに見つかったこと。

そして悪態をついた事だ。


後をつけた事を聞いて驚いた、そこまでセレナに対抗心を持っているとは思わなかった。

見つかった事については納得するのみだ。

イゾウがそちらの技術が長けていると実感している。最後は最悪だろう。

「私と話したければ〝落ちこぼれ〟扱いを払拭してこい」と言ったらしい。

何をどうしたらそうなるのか。

そしてその言葉通りに暴れ出したイゾウを見て「どうしよう、私のせいかも・・・」と困った顔をしている。

その困った表情の中にいくらかの誇らしげな部分があることをメアリーは見逃さなかった。




メアリーは考える。

イゾウがビアンカと話すために暴れだしたとは思えなかった。

ビアンカは美人だがいくら何でもそこまではしないと思う。

そして最悪なのは、もしそれを質問した場合笑いながら「うん、そう、ビアンカと話したくて暴れちゃった。」とイゾウならば言うだろう。

本当のことを自分たちに話すとは思えなかった。


もし勘違いしたままそれが誰かに伝わった場合、ビアンカが原因として責められる事になる。

冗談でもそんな事を言われているのを誰かに聞かれたら大問題だ。

その前にビアンカにその考えは勘違いで関係無いと思わせる必要があった。

イゾウは勝手に暴れたのだ。ビアンカには関係無い。

非があるのは〝落ちこぼれ〟扱いに乗った人たちだけだ。


「ビアンカあのね、イゾウさんなんだけど・・・」


その後メアリーはイゾウはちゃんと話せば会話ができる男で、さすがにそんな理由だけで暴れたりしないと思うビアンカに伝える。

だがビアンカはその話の中で、こっそりメアリーとも接触していたイゾウに対し怒りだしてしまう。

セレナという仲良しの女性がいるのにメアリーにも手を出そうとするクソ男め、許さないわ!と息巻き始めてしまった。

メアリーは誤解を解くことには成功したが、この件によって後にまた苦労することになる。



(ふん・・・ちょっとは話せる男だと思ってたのに。)

ビアンカはビアンカで少し面白く無い思いをしていた。







『 短話 3  セレナとマナ 』



「んぎぎぎぎぎ」

武術講習の第一段階、盾と剣の講習の認可を得たセレナとマナは槍の講習を受けている。


マナは槍を突く事は出来た。

だが捻る事が出来ず悪戦苦闘していた。

横にいるセレナはそれにうまくアドバイスが出来ず困っていた。

セレナは、イゾウにバレーボール部系美少女と表現されるほど女性としては恵まれた体躯をしている。イゾウと変わらない180センチの身長に、高い運動能力と感性を持つ。その高い身長に凹凸の激しい肉をつけ、技術ではなく本能で動きを制御しているためにあまり人に教えるには向いていない。

本人も自覚しているが故に親友のマナが困っていると自分も困ってしまうのであった。


「んぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」


「どっから声だしたら槍を突く女がそんな声を出すんだよ・・・」

そこに1人の男が通りかかる。

イゾウだ。

「うるさい、ばか、あっちいけスケベ男!」

マナはイゾウをみて悪態をつく。大してセレナは少しほっとしたような表情を作る。


ここに来たのは偶然では無い。

セレナたちと接したくて近づいてきている。

イゾウは現状講習生中ただ2人の武術オール認可だ。

教官監視の元、普段この時間はユリウスと組手をしている。


ユリウスは勿論イゾウも技術面では優等生な為に知り合いにアドバイスに行くことは推奨されている。先に進んだ者が積極的に後に続く仲間にアドバイスをして欲しいのがギルド側の本音だ。

何より今日の担当の教官はイゾウに甘い事に定評のある師匠ガハハ髭だ。

仲の良い女子に助言に行きたいというイゾウを快く送り出した。

ユリウスにも「ガハハ、人に教える事は復習になる、認可を得てるんだ同期の仲間に助言くらいしても構わんぞ」と発破を掛けている。

だがユリウスは自分から声を掛けに行くことを極端に嫌がった。

フラフラするのは大概イゾウのみだ。



槍を男性器に見立てた下ネタをジャブに軽くセクハラをしながらも2人に助言をするイゾウ。

2人はそれを聞いて槍の講習をなんとか進める事が出来るようになる。

下ネタさえ挟まなければ好感度爆あげのイベントであった。

下ネタさえ挟まなかった()()()


セレナはイゾウに惹かれつつあるが、イゾウの下品な部分に戸惑っている。

マナはセレナと一緒にいるからイゾウが助言し(たすけ)てくれていると解っているが為に、感謝しはしても親友を奪われたくない思いが先に立ち嫌悪感を煽っている。

イゾウの下ネタは照れ隠しで悪意はなく、狙っているのはセレナだけでなくマナも含まれている。2人はこのことには全く気付いていない。


この時点で、イゾウがセレナたち以外に優しくする相手は呪い娘くらいだとセレナは知っていた。

そこに親切以上の他意が有ることも理解し(わかっ)ている


互いに惹かれてはいるが講習で一杯一杯の生活が好意を恋として加速させることはなかった。






『 短話 4  他人の幸せが嫌いな心の狭い転生者の話 』



訓練所の片隅で5人組の男女が談笑している。

講習も時間が進み、合間合間によく見られるようになってきた風景だ。

共に競い共に励む、友情も恋愛も育みやすい。

所々に恋の芽生えを隠しつつ、5人はこの瞬間のお喋りを楽しんでいた。


空気を読まない者は何処にでもいる。

イゾウは甘ったるい他人の恋愛の空気が大嫌いだった。

このタイミングで兼ねてから練っていた計画を第二段階に引き上げ、実行に移す。


楽しく談笑していた男女は近付いてくるイゾウに気づき、警戒し立ち上がった。楽しいお喋りはここで中断を余儀なくされてしまう。



「何の用だ!」


イゾウと5人は親しい関係では無い。

最近の彼の行動をみれば用件は想像がつく。そして悪い事に彼ら彼女らにはその用件に心当たりがある。

自分の番が回ってきたのだ。


「くくくっ、・・・お前らネットに俺の悪口書き込んでただろ!」


イゾウは自分から喧嘩を売る場合あえて前世の日本の引用を使って煽る。格下に意味のわからない文句をつけられると、大半は激昂するからだ。相手を怒らせる、喧嘩の常套手段だ。

彼らもまた人数の優位性が自分たちにあることを理解し、イゾウをまだ侮っている。


「意味わかんねーこと言ってんじゃねーぞ。喧嘩売ってんのかこの野郎!」

「てめーずいぶん調子に乗ってるみたいだけどな、てめーにやられた奴等と一緒にするんじゃねーぞ!」


5人組の内訳は男が3人、女が2人。

女2人は〝成績〟も〝講習生カースト〟も中の中~下だが、男3人は〝成績〟面では中の上、から上の下に迫る。ただし〝講習生カースト〟では中の中だ。あまり目立つ存在では無い。

目立たないのは真面目に講習を受けてはいるが、性格も行動もいまひとつ地味な為だ。

成績面ではともかくカースト面では目立つ方が上になる。

そしてこの手のタイプ(中間層)こそ自分より下を、下として意識して扱う。

上のカーストの者にとっては中も下も等しく下だ。

だか中にとって下は絶対に下である。


彼らが今まで狙われなかったのは中位に属するからに過ぎない。

イゾウは弱いところから慣らし段階を踏んでいた。カーストが低い者の中で殴られるとインパクトが有りそうな者を狙っていた。中位の下部まで手をつけた所で一度暴れることを止めている。

雑魚狩りは終わったのである。

そして今この場所から中堅の雑魚狩りを始める。


「くくくっ、口だけは達者だな、足が震えてるぞ。口喧嘩が強いだけのカスの癖に女の前でだけ強気だと泣かしちゃうぞ。」


「なっ、テメエ・・・あんま調子に乗ってんじゃねーぞ!」

男のうち2人は足が震えながらも必死で言い返していた。

必死が故に罵詈雑言が加速する。

彼らは喧嘩をしたことは無く、人間関係で揉め事に発展したことも無い。下と認識している者には強気で言えば通ると思っている。

だかそれはイゾウには通らない。 イゾウは〝講習生カースト〟こそ低かったが、〝成績〟では平均程度の彼らの非では無い。魔法以外では紛れもなくユリウスに次ぐ2位である。

彼ら2人はそこの理解が出来ていない。


「待った、止めろお前ら、それじゃ煽ってるだけだ。」

女2人は完全に呑まれ後ろで怯えている。

男2人はイゾウに指摘された通り足が震えて止まらない。

それでも心は折れていないようだが、それは結局、目の前の相手の強さも状況も理解できていないだけだ。


男は1人前に出る。


「ああ怒ってるんだよな。そのうち来ると思ってた。

俺がサシでやってやる・・・だからあいつらには手を出すな」


「くくくっ、ずいぶん都合が良いことを言う。

俺は5人纏めてで構わないんだけど?」


「あいつらは口では威勢が良いが実際は気が小さいんだよ、そんな奴等を殴っても仕方ないだろ。

喧嘩したいなら俺が受けてたつよ。」


「ふーん・・・散々人を悪く言っといて本人目の前にしたら仲間1人に押し付けか、クソみてーなお仲間さんだね。」


「あいつらを悪く言うな!」


「先に悪くいってたのはお前らだろうに・・・

まぁいいや。サシでやろうか。」


「・・・聞いてくれて助かる、俺もあいつらもお前をもう悪く言ったりしないし、させないからよ。」


「それは好きにしてくれ。まずはお前とサシでやるだけだ。

お前が負けたら次はあいつら。お前の言い分に興味はねぇよ。

仲間1人を差し出して逃げるカスなんて殴る以外の選択肢無いんだわ・・・。」


「テメエ!ぶっ殺してやる!」



そうして男と男のタイマン勝負が始まる。









「ゲホ  ゲホッ、ゲハァ・・・ぐぅ。くそっ化け物め・・・」


「ふーん、少しはマシ・・・か。まぁいいや。お疲れさん、終わりでいいや。」


いつもと違いイゾウは今回倒れたあとに追い打ちを掛けなかった。

1人で立ち向かってきた彼に敬意を表し、立ち上がらない限り攻撃を加えなかった。

結果4度ほど立ち上がり、イゾウは雑魚狩りを始めて初めてやり返される。


「待てよ、まだ負けてねーぞ・・・クソ・・・動けねぇ・・・やっぱ勇者の弟子になるような奴は違うんだな、終わりだってんなら・・・しっかり止めをさして行きやがれ。」


(たび)転がされなんとか立ち上がったが、さすがに5度目は立てなかった。

追い打ちこそしなかったが、イゾウも手は抜いていない。〝身体強化のスキル〟こそ使わなかったが、転生して〝強化〟された腕力をフルに用いて叩きのめしている。


「くくくっ男らしいねぇ、でも師匠は関係ねぇだろうが。俺は俺だぞ。で、お前はお前だ。

そんなお前も勇者になりたいクチか?やめとけやめとけ、お前にゃ無理だ。この程度じゃーな。」


競う相手になるのはユリウスにシグベルだ。多少の抵抗が出来たとはいえ、イゾウ(自分)に一方的にのされる程度の者が相手になるとは思えなかった。


「うるせぇ・・・知ってるよ、俺もな、〝殲滅〟の元勇者さまに弟子入りを夢見てた・・・・

覚えてるだろ・・・俺にも稽古をつけてくれって、朝の走り込みのときに直談判したときのことを・・・」


そういやそんな騒ぎもあったかもしれないとイゾウは思うが、そのときイゾウは教官長にぶっ飛ばされた後だった。なんか騒いでるなくらいの記憶しか残っていない。


「あれから俺はお前を追い抜いてやろうと必死で走ってる・・・笑えよ、追い抜くどころか差が広がる一方だ、クソが・・・・」


「ふーん、あれお前だったのか。悪いけど俺あのとき教官長に良いの入れられた後だったからな、意識が混濁してたからか良く覚えてないんだよ。」


「けっ眼中にすら無いのかよ・・・」


「俺は勇者に興味ないからなぁ。ま、直談判するくらい行動力あるなら見込みはあると思うぞ、お前はその後が悪いが。

他人を悪く言ってもお前が強くなるわけじゃねーよ。」


「・・・・くそっ、もういい、止めをさせよ・・・・あと悪かった。」


「フッ」


聞いたイゾウが鼻で笑う。

その言葉を最後に男は意識を手放した。

イゾウに顎を蹴り飛ばされて。

そしてイゾウは残る面子を見渡した後興味を無くしたように踵を返して歩いて行った。


「おおおおおおおお」

足が震えていた男の1人が声を上げてイゾウに殴りかかる。が、その拳は宙を切り、腹部にイゾウの膝蹴りが入った。

男は悶絶するも、目は死んでいない。睨み殺すかのようにイゾウに視線を注いでいる。

もう1人の男もイゾウの前に歩み出て、帰ろうとするイゾウの行く手を塞ぐ。


「くくくっ、強い頼りになるお友達がいて何よりだ。」


「うるせえ、黙れこの野郎!よくもよくもっ」


身体を張った友人を見て、足の震えを堪えて男たちは立ち向かう。

それをあざ笑うかのようにイゾウは拳を振るい。足蹴にした。


女はそれをただ震えて見ていた。

2人が動かなくなった後イゾウは女に向かって言い放つ。


「強い()()()がいてなによりだ。約束だからオマエらには手を出さん。

だが、次はねーよ・・・・・いいな?」


そう言って静かに後ろを向いて、闇に溶けて消えていった。


昔のヤンキー漫画が大好きだったイゾウはこの結果に満足した。

そしてウキウキして次の獲物の選定に入る。




イゾウの中堅狩りが始り、講習生内は再び騒ぎだした。





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