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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
序章 この世は戦場、小金持ちは悪人の鴨と葱
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回復薬を飲んだら地下帝国へ

2020/12/30

街の名前を【タクキム】から【バームクーデル】に変更 

順次直していきますが、抜けがあったら誤字で教えてもらえると有り難いです


「飲まないんですか?」


御者の男が前を見たまま振り返らず訊ねてくる。


「・・・・これって回復ポーションなんですか?痛み止っ、痛いのが治まる薬なんですか?」


男が振り返り不思議な者を見るような目で訊ねてくる。

「ポーションを見るのは初めてですか? それは初級の回復ポーションです。見たところ目立った怪我は無いようなので小さな傷くらいならそれで充分治ると思いますよ。怪我が治れば痛みも引くでしょう」


思ってた答えと違うが怪我を治す薬らしい。普段錠剤しか飲んだことが無かったのでなにかこれは抵抗がある。

水溶性の飲み薬なんて生きていた前世では子供の飲み薬でくらいしか知らない。

あまり医者に掛からなかった、ということもあるが薬といえば錠剤が普通だ。液体のものは点滴くらしか知らない。

あとは栄養ドリンクという名の砂糖水か。アレって成分がほとんど糖質なんだよな・・・

点滴を飲むと考えたらかなり抵抗がある。

でも待てよ、たしかポカリって手術後の医者が点滴を飲んでいたところを製薬会社の人が見て思いついたとテレビで見たことがある。

そう考えたら飲んでも良いようなきがしてくる。

でも飲んで怪我が治るってどんなファンタジーだ。


自分の身体を見返して再度確認してみるが特に痛いところも無い。外傷があるわけでもない。

頭が少しボーッとするがそれはおそらく頭をぶつけたとかが理由では無いだろう。

単純に現状に頭では無く、脳細胞の理解力が追いついていないだけだ。

これは俺の性能の問題な気がする。薬では治らない。

ならこれが本当に飲んだら怪我を治す薬だとしても脳細胞の働きが良くなるわけじゃないなら意味ないんじゃないだろうか?


ん?待てよ。


これアレだよな、詐欺で良くある手法だ。


お前を治すのにどんだけ高価な薬を使ったと思ってんだ金を払え!

払えないだと!じゃぁ地下に潜って働いてもらおうか。 ってあれだ。

高レートのイカサマチンチロに勝たないと出てこられない奴だ。

飲んだらアウトじゃん。

周りはみんな武器持ってるし、ここがどこだかわからないのに逃げようが無い。

このおっさんも親切ぶってポーションをくれたけど飲んだら態度が豹変するんじゃないだろうか。


訝しがって初老の男を見ると男もこちらを伺っていたようで目が合ってしまった。

「あーっと、特に痛いところはなくてですね。 怪我もしてないみたいで・・・

記憶がはっきりしてないだけなのでコレはお返ししておきますね」

苦笑いを浮かべながら小瓶を返却すると男はそれを腰につけた革製のポーチにしまい痛みが出たらいつでも言うようにと言ってまた前を向いて操馬に戻った。


自分のほうはというとあっさりポーションを引っ込められたことで少し拍子抜けしてしまった。

詐欺るつもりでは無かったのだろうか?

また目を閉じてどうしてこうなったかの思考に戻ろうとすると再度男から声が掛かった。


「しかし運が良かったですね、討伐の帰りに見つけてもらえて。すこしずれてたら今頃まだあそこで倒れていた」


む、そう言われると運が良かったのか。確かに見つけてもらえなかったらあそこで一晩過ごす羽目になっていたかも知れない、フルチンで・・・

頭が働いていないとはいえ助けてもらえた事も理解出来て無かった。

さっきの人たちには改めて礼を言うことにしよう。


「本当に助かりました、ありがとうございます。あのままあそこで一晩過ごしていたかと思うと背筋が凍る思いですよ」


「いえいえ、我々兵士は民を守るのが仕事ですからね。礼には及びません。

ですが本当に運が良いですよ、あの辺りから奥に行くと盗賊の住処だという話です。

我々も禄に調べもせずに入っていけません、その手前で見つかって本当に運が良い」


はぁ?盗賊いんのかよ。

見つけてもらえなかったら即バットエンドだったじゃねーか。

どんだけハードル高いんだこの世界。


もしかして回復ポーション飲ませるための脅しの話って訳じゃないよな・・・・・・

彼らは兵士の一団だと言っていた。その辺を突っ込んで聞いておいたほうが良い気がする。


「本当に運が良かったです。皆さんはあの街の兵士の方々なのですか?」

「ええ、あの【バームクーデル】の街の兵士です。我々は街の守衛任務が主なのであまり討伐には出ないのですよ、そうゆう意味でもあなたは運が良いですな」


「こうやって獲物を取りに出たりはあまりしないのですか?」

「ええ、基本は街に居て周辺をうろついていたり近寄ってくる魔物を退治が主です。

街を守る者があまり頻繁に遠出をするわけにもいきません。

街から離れたところの魔物を狩るのは主に冒険者ギルドの仕事になります。

最もいざという時に戦えないのじゃ話にならないので我々もこうやって隊を編成してしばしば狩りにはでるのですよ。経験値稼ぎもかねて。

ただ最近は南のほうでオークの軍の動きが活発になってまして、時期的に冒険者が南の方の依頼に集中してしまって、此方の北側の街道が少々不安視されていたので安全確保のために狩りに出たのです。

その帰りにあなたを見つけたんだ、やっぱりあなたは運が良い。」


ふーむ、何か含むところがありそうだが一度それは置いておこう


不安ワードがいくつか出てきた

「魔物」 獲物つったのに魔物って言い直してまで言われた

「オーク」 豚だっけ猪だっけ?ゲームでおなじみだ。昔、ゲームでならば散々戦った。

「冒険者ギルド」 ギルドで仕事を受けるのか。アイテム作る某ゲームでは酒場で依頼を受けていた。

「南と北」   地理がさっぱりわからんが街を中心にこっちが北で反対が南か。で、南に行くとオークが暴れている、と。

わざわざそんなところに近づきたくも無い、南は要チェックや。行かないようにしよう。

そして「街道」 今この集団が通っているところが街道だとしたらあまりにも自分の知っている街道と違いすぎる。街灯が無いのは勿論、舗装もされていない。道というより平野だ。人が通るところだけ少し踏み固まっているだけだ。

今乗っている(荷)馬車も木製のシンプルな造りでスプリングなど勿論ついていない、道の凹凸をもろに拾うので凄く跳ねる。おかげで尻が痛くなった。

ア〇ルの方では無い、ピーチのほうがズリ剥けそうだ。

さらに揺れの上下運動で乗り物酔いも襲って来た。

酔いと痛みのWパンチで何かがリバースしそうだ。


一度乗り物酔いを意識してしまうと一気に酔いが廻ってくる。

その後は襲ってくる乗り物酔いと尻の痛みと戦いながらたまに話しかけてくる初老の男との会話に相づちを打つことで精一杯だった。



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