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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
4章 裏町を掌握せよ!
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ギルドハウス2


「埋まっていない、とは?」


「だからその〝ギルドハウス〟よ。始めた当初は人気があったのよ。駆け出し冒険者は寝泊まりする場所を確保するのも大変だっていう陳情が多かったから、それを解消するために打った手でもあるのよ。

それが今じゃ。金の無駄なんて言われてるのよ・・・・・・」


「ちなみに今はどのくらい埋まってるんですか?」


「20戸あるうちの7件のみなのよ・・・・・・

それもここ1年半ずっと同じ面子で、新しく入ってもすぐ出ちゃうのよ。

そんなのが続いていて、申し込みも最近は来ないみたいなのよ・・・・・」


20分の7か。思ったよりも少ない。

残るための抜け道がいっぱい有りそうだと思ったが、それ以上に蹴落とす手段の方が多いようだ。

でなければ7戸、つまり7パーティか、独占しているわけが無い。

下手するとその7パーティが全部グルか。


「聞いておきたいんですけど、課題任務が出るんですよね?

それは入居しているパーティ分しか出さないんですか?1つのパーティのノルマが5件の依頼でしたっけ?」


「いいえ?依頼は毎週100件だしているのよ。ギルドにとって優先すべき依頼。

たとえば常に供給が求められる薬になる草とか、一定の需要のある食料なんかを出しているのよ。

20戸あっても無くてもなければその中から早い者勝ちで依頼を達成してもらうようにしてあるのよ。」


やはりだ。つまり楽な依頼を常にこなすために多く入居されると困るわけだ。

その仕様なら、課題依頼とやらも長くやってれば予想出来る。

逆にいうと外れ依頼を避けて受けるのがセオリーだ。

よくもまぁこんな形で〝ギルドハウス〟なんて仕様を作ったものだ。

伯爵の娘でなければ、却下されている案だろう。無駄金と言われても仕方無い。


「それ、せめてパーティごとにランダムで任務を振り分けるわけに行かないんですかね?」


「その案も出たんだけど、そうするとくじ運の悪いところが残れないじゃないのよ。

需要の有る物を課題にしてはいるんだけど、残ってもらうために集めやすい物も課題にしているのよ。

ギルドとしてはそういう集めやすい物を新しい人に受けてもらいたいのよ、でも・・・・・・」


「居座ってる奴らが根こそぎそれを受けてしまう、と。」


俺の言葉にサブマスターが頷く。人の善意にすがるような仕様にしているのが悪い。

きっとそのこなしやすい任務が7パーティ分くらいなんだろうなぁ・・・・・・

そいつらに、お前らはここら辺の簡単な課題は受けちゃ駄目って言えれば良いんだけど。

今さらそんなこと言えないから問題になってる訳で・・・・・・・


ついため息が漏れる。


「で、俺にそこに入居してどうにかしろって事はそいつらを追い出せってことか。

ふーむ・・・・・」


「そっ、そこまでは言わないのよ・・・・・・

ちょっと刺激になれば、と。アナタが入る事で良くも悪くも目立つでしょう?」


「いやーそれはどうかな。俺が入った程度でどうにかなるとは思えないけど。

仕様を変えなければ同じ流れになるんじゃないかな?」


「それも考えるわよ。でも今のまま無理矢理変更すれば反発が起こるじゃ無いのよ。

そのために・・・・・・」


「先ずそこに行って来いってか。

ふーむ・・・・・入居してみないとどこを変えるべきかも報告出来ないし仕方無い、か・・・・」


「引き受けてくれるの?」


「協力関係だし、そりゃーねぇ・・・・」


仕方無し、という態度で渋々引き受けると、サブマスターは花が咲いたように美しく微笑んだ。

正直悪くない話だと思う。元々講習が終わってからの寝床の問題も考える必要があった。

俺単体なら裏町に移り住めばいいだけだが、彼女まで連れて裏町に住むのは問題が多い。

何より正妻と本宅、愛人と別宅。

出来る男の基本だろう、男には安らぐ場所が必要だ。

色々問題は有るが、


「大魔道様が手伝ってくれりゃ問題有るまい。」


「それは無理じゃぞ」


一緒に住むはずの大魔道、それも白ロリにバッサリ切り捨てられた。

マジかよこいつら一切手伝わないで住むつもりかよ。それは駄目だろ~


「そんな顔しないでよ、だってさすがに私達が手伝ったら反則じゃ無いの。

低ランク向けの援助の為の制度なのよ?

2名まで上級者が一緒に住んで良いことになってるんだけど、代わりに手を出しちゃいけないのよ。

アドバイスのみ、という規則なの。

代わりに魔法はちゃんと教えるし、アナタだけじゃなくて一緒に住む子も面倒みるわよ。

弟子にはしないけど指導するから、ね?お願い。」


「なんか狡い。しかし借金がある白の大魔道さまは分かるんだけど、何故に黒の大魔道さままでそんなに必死に?」


「あー・・・・・最近は二人で街から街へと移動することが多かったからのぅ。

研究の方が疎かになっていてな。

わしらがあまり進んでいないのを良いことに・・・・・・のぅ・・・・」


「と、言われてもよくわかんないんですけど?」


言いたくないのか、白の大魔道も黒の大魔道も視線を逸らす。

そんな真似されると余計に気になるじゃないか。

どちらも目を合わせてくれないので、サブマスターを見る。


「あはははははっ。ん~と言わないと話が進まないから仕方無いですよね。

お二人と方を並べる別の色の称号を持つ大魔道様が最近、自説の魔法に関する論文を発表されたのよ。」


「なるほど・・・・それに刺激をされた・・・・・・と?」


「わしはそうじゃが、黒ちゃんは悔しいのじゃ、被るところがある研究内容じゃったから・・・・」


そう白の大魔道が言うと、黒の大魔道が酷く怖い顔で睨み付けていた。黙る白の大魔道。そんな姿も可愛いのだが、中身もうおばあちゃんだ。人間いくつになっても変わらないらしい。

そもそも黒の大魔道さまは、白の大魔道の借金返済に付き合って自分の研究を疎かにしてたんだから睨みたくもなる。

それでも声に出して責めないんだから、やっぱり仲が良い。

それにしても大魔道とか、魔法の研究とかもしてるんだな。

正直見た目だけ見ると論文なんて書いてる姿が思い浮かばす、違和感しか感じない。失礼な話だ。


だが魔法の研究に関しても、どうして、何をしているのかさっぱり想像が出来ない。

わからないものは接してみるに限る。

近くで見れるというならば、その機会を逃すべきでは無いだろう。


「それじゃ仕方無いか。まぁサブマスターに便宜を図ってもらえばなんとかなるか。」


「えっ!? それも無理よ?」


当然のように事前に情報を横流ししてもらうつもりだったのだが、あっさり断られた。


「だってそんなことしてバレたらそれこそ大問題になるじゃないの。

課題任務に関しては実力でなんとかしてもらうしか無いのよ。」


さすがに手助け無しは厳しいので必死に食い下がったが、サブマスターは首を縦に振ってくれなかった。

曰く、まず疑われるのはそこだからと。


確かに白と黒の大魔道連れて、講習後即入居なんてしたら誰かしら疑いの目を向けるか。

だったら何故今日顔をだしたのだと文句も言いたくなる。

大魔道だけだと、講習中に会えないのは分かるが、だったら代理の人を立てればいいだけだ。

そりゃー今日接触してるもん、便宜を図ったらバレる。ギルド職員みんな知ってそうだし。



でも納得がいくか、と言われたらそうはいかない。

居座ってる7パーティも絶対同じ事考えて、やってるで有ろう奴がいるはずだ。

ギルド職員と繋がっている存在が無ければ酷く難易度が高い。


「もしいるのなら、その事も調べて欲しいのよ。

それも含めた協力関係でしょ?」


と返されれば、頷くしか無い。

協力関係なのは当然だが、美人の頼みは断れないのだ。

それが好みにドンピシャな女性ならば尚更だろう。


どうせ〝ギルドハウス〟を使えば、先住民と揉めるのは間違い無い。

揉める相手の事を調べない馬鹿は、だから馬鹿だと言われる話である。


丸投げが多くてうんざりするが。さて・・・・・・



志村けんさんのご冥福をお祈りします

何においても死因が新型コロナウイルスというのが心を抉られます

大好きな人で笑ってる顔しか観たことなくて、そんな亡くなり方を絶対してほしくない人でした

こんな自分の書いた話を、読んでくれる方の中になら理解してくれる人がいると信じて書きますが

世の中の流れが違えばまだテレビで観れたのかなと、そんな違う世界もあったのかなと

そう考えてしまいます

こんな気持ちになったことは今まで無く、出来れば忘れたくありません

振り返った時に思い出せるよう、ここに残す事をお許し下さい

個人的感情、失礼します

スルーして頂けると幸いですm(_ _)m




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