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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
4章 裏町を掌握せよ!
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ギルドハウス1


講習も終わりに近づく中、もうすぐ講習が終わる者はギルド主催で所属先の斡旋が行われている。

就活婚活、そして終活。

いつの時代も待っていても始まらない。1人でやる覚悟が無いならば、自分が動くしか無いのだ。


新人を受け入れても良いと考えているパーティ、そしてクランが勧誘に来てくれるようになった。

と言っても自由に交渉出来るというものでもなく、決められた時間に決められた場所に来ることが許可され、興味の有る講習生が話しを聞きに行くというスタイルで行われている。

時間が限られている為に即決しないと枠が埋まる場合も少なくない。

当然ながら、勧誘に来るパーティには怪しい奴らもいた。

ブラック企業然り、フロント企業なんてのも有る。

新人を食い物にしようとしていそうな奴らも混じっている。

当然そんな奴らほど即決を促すわけで、短い時間でしか話せないというのは判断を誤ることもある。


派閥の人間には、決まらなくても手を貸すから即断しないように言ってある。

別に冒険者はパーティを決めなければ生きていけないという事も無い。

ソロで行動している奴も多い。

ギルドが方針として、なるべくパーティで、と言っているだけの話だ。

ソロで動いてて勧誘されるとか、自由になってから見て決めるのでも良いと思ってる。

今急いで決める必要は無い。





先日、街にいる3つ勇者のパーティがその集まりに顔を出したので挨拶をしてきた。

相変わらず互いに牽制してるので、何かするときは一緒らしい。仲が良いのか悪いのか。

多分激悪なのだろう。


彼らの上の貴族には随分援助をもらった。その金で派閥と裏町の強化が出来た。

匿名という形に変更してもらったが、誰が出したかなんてすぐ伝わってくる。

礼を言うのは社会人として当然だろう。

その際にライアスも紹介してある。

どうやら勇者を目指す、という意志は本物らしく下積みからコツコツ頑張るとの事で、どこの勇者パーティからも紹介したことを感謝された。

どこも先日の上位種との戦いでメンバーが減っているので、紹介は有り難いのだそうだ。

彼らでも探しているし、売り込みも多いらしい。

勇者パーティは買い手市場。

決め手が無いので選べないと贅沢な話をされた。

それでも選択肢は多い方が良い。

「イゾウ君なら歓迎するよ?」と冗談交じりで言われたが、俺の進路はもう決まってるので、冷やかしと付き添い、半々の気持ちで顔を出している。

今後のご多幸とますますの発展をお祈りしておいた。



そんな俺の進路だが、予定とは少し変わってきている。困ったものだ。


先日、教官から来客だと告げられた。

ジンロさんからの呼び出しならば、お説教のテイで呼ばれるので来客とは珍しい。

そもそも講習生は、外部との接触は変わらず基本は禁止なのだ。

来客が通されることは無い。




訝しんで警戒しながら、告げられた部屋をノックする。

中から「どうぞ」という声が掛かる。

その声には聞き覚えがあった。 サブマスターの声だ。

美人の声は忘れない。喜んでドアを開けた。



中に入って驚いた。

なんと黒と白の大魔道がいたのだ。


ここからは後察しの通りである。面倒事が増えた。





「何度かギルド本店からメッセージを送ったんですけどね」


「うむ、それは確認したんじゃがな。おぬしの身分が講習生である限り、こちらからのメッセージは受け付けてもらえなかったんじゃ」


「そうなのよ、こちらも用事があったから早く連絡したかったんだけどね。」


「ちょうどオークの討伐に出るという話を聞いてその時に接触しようと思っておったのじゃが・・・・・・」


「白ちゃんの借金の返済が滞ってる商人がちょうどこの街に買い出しに来てるって聞いて部屋に篭もっちゃのよ・・・・・・ハァ・・・・」


白と黒の大魔道、白い幼女と黒いドレスのエロババアが答えてくれた。

相変わらず黒のババアは露出が激しい。白のロリババアも前回よりも服の生地が少ない気がする。

良く確認しておきたいところだが、サブマスターの前なので自重する。


どうやら仮免許だとメッセージは受け取れないらしい。

不便な事だ。

最も確認にも行ってない、それは知っている。送ったのは何か連絡手段はないかというメッセージだ。

まさか直接尋ねてくるとは思わなかった。


集まったのはキチンとした応接室。俺だけ場違いな設備の整った場所だ。

ギルドの職員がお茶とお菓子を出して退出していった。

この扱いの差よ。

今日はお客様扱いらしい。


現在長方形のテーブルを囲んでソファーが並んでいる。

長辺には2人掛けのソファー。短辺には1人掛けのソファー。


白の大魔道は相変わらずのロリ容姿にババア言葉、それが向かって左側。長辺に並んだ2人掛けソファーの奥に腰掛けている。奥の肘掛けにしなだれているために少し距離が遠い。


黒の大魔道は深いスリットに開いた胸元から覗く深い谷間。相変わらずのエロババアで実年齢さえ知らなければ良い目の保養だ。

知ってても気にしないけど。

そんなエロいババアは、白の大魔道の斜め前、俺から見て右手の、2人掛けソファーの手前側に腰掛け、こちらに近い肘置きに身体を預けている。つまり胸元を思いっきりこちらに向けている。

その様は何かを企んでいるのが丸わかりだ。

またもハニートラップである。


そのすぐ手前、入口から入ってすぐのお誕生席に俺が座る。

この短辺には1人掛け。座ったら逃げ場が無い。

その対面の上座には入室を許可した部屋の主、サブマスターが腰掛けている。


正面には清楚系お姉様風美人

左手には白いタイトドレスの幼女

右手には露出大目の黒い魔女


深く考えなければ美人に囲まれた素晴らしい空間だ。

だが接点が思いつかない、なんでこの面子が揃っているのか?


「簡単よ、お二人の高名は有名だもの。そんな方が講習生と連絡を取りたがっていると聞いてすぐに察したわ。冒険者ギルドのサブマスターとしては接点が欲しいと思っていたし、アナタの名前を出して接触してみたのよ。」


何でも俺をダシに既に何度か会合を開いているらしい。

ダシが出きったので、どう料理するかを話合い、決まったから雁首揃えて訪ねて来たそうだ。

つまり俺は料理されてしまうのだ。

嫌な予感しかしない。俺に拒否権は・・・・・・


「無いわ」


どうやら心を読まれたらしく、黒の大魔道にバッサリ切り捨てられた。

まだ何も聞いて無いのに。


「聞く前に断ろうとしたのはアナタでしょ? 協力関係なのにそれは無いと思わない?」


どうやらサブマスターにも読まれたらしい。何コレ?この人たちエスパーなの?


「黒ちゃんが横に座って近寄ったときから警戒してるのが伝わってきたからのぅ。

顔にでとったのじゃ、まだまだじゃのぅ」


白い幼女が勝ち誇った顔でそう言った。心が読めるわけでは無いらしい。


「悪い話じゃないからちゃんと聞くのじゃ。

イゾウよ、おぬし〝ギルドハウス〟という存在を知っているじゃろう?講習で習うらしいからな」


幼女の口からでた単語には聞き覚えがある。

講習の初期に習ったものだ。


「たしか、1週間に一度、ギルドが出す課題任務をこなすことで利用出来るギルド所有の定宿でしたっけ?

新人に広く門戸を開いているから興味有れば利用してみろって言われた記憶がある、かな。」


その後、師匠達にはそんな物に頼らないで自立出来るような冒険者になれと言われたから記憶から抜けている。


「その通りよ、始めたのはもう4年くらい前。5年前の内紛で夫を失って未亡人になった女性だとか、怪我で働けなくなった人の雇用を生むために始めたのよ。

〝ギルドハウス〟は全部で20戸

利用資格は、最下級から4段階までのランクの冒険者

週に一度冒険者ギルドから出す任務を5つ行い。3週続けて失敗するとハウスを使う権利を失うわ。

ハウスの維持はギルドで雇った職員が行うし、食事を含めて身の回りの世話もしてくれる。」


「なるほど、そこに未亡人だの怪我した人ってのの雇用を当ててる訳ですか。」


サブマスターが説明を引き継いだ。彼女が語るということはつまり、この案件の発案者なのだろう。

色々やってるとは聞いていたが、こんな穴の多そうな事案をも彼女の発案と言うことは思っていたよりも有能ではないのかも知れない。


「つまりその〝ギルドハウス〟に入れってことか。

当然その()()あるわけですよね? 聞かせて下さい。」


「うむ、相変わらず察しが良いの。

先ずわしらが来た件から説明するのじゃ。

率直に言うとわしらもそこに一緒に住みたいんじゃが、〝大魔道〟は無条件Sランク。資格が無い。

契約者が条件をみたしておれば、冒険者ランクが高い者が住んでも問題無い事になってるのじゃ。

ギルドハウスには最も大きい建物で10人まで住める。

そこを契約して欲しい。」


「その最大の物件には部屋に余裕があるんだって。私達はそこに魔法の研究設備を置貸せて欲しいの。

アナタに魔法を教える約束をしているわけだし、色々都合が良いと思わない?」


なるほど、この二人の目的は分かった。

さっきの借金の取り立ての話も有る。要は逃亡先という事か。

相変わらずポンコツ幼女め。ついジト目になって見てしまう。


「ななななななっなんじゃ、べっ、別に約束を忘れられたら困るとかそうゆう訳じゃないぞ?

ぬぬぬぬ、ぬしが忘れてもわしは別に困らないんじゃが、ぬしが我慢出来ぬであろうから、一緒に住んでやってもよいというだけででででっだな

それに使い魔のことや精霊視のスキルなんて人前では話せぬ事も多い、そそっそう考えたらこの話悪くないのではないか・・・・・・と思っただけじゃ。」


視線を向けると慌てたように捲し立てられた。

そういやそんな約束もしていたよ。最近満たされているから平坦なロリババアの事なんてすっかり忘れていたわ。

言い終わったあとに腕を組んでそっぽを向いた。そんな慌て具合もかわいいが、別に約束は無しでもいい、とか言ったら怒るだろうか。


「正直に言うと白ちゃんの借金で路銀も心元ないのよ。出来れば設備のある所で魔法の研究もしたいの。宿で出来る事なんて限られているでしょ?

時間と場所があれば私達ならお金になる研究の1つ2つ可能なのよ。なんとか協力してもらえる・・・・わよね?魔法、教える約束しているし。」


そう言って黒いエロババアは胸元を強調して躙り寄ってくる。

白いロリババアはそれを歯ぎしりして見ていた。

別に胸元強調しなくても話は理解してますよ?

即答しないのは目的が分からない人がもう一人いるからだし。

狙い次第ではそっちの方が問題なだけで。

手伝うことは出来る範囲の事のみだ。

正直そろそろキャパシティが一杯一杯である。

ナードたちを全部外に出したのは失敗だったとか思い始めている。

1人2人フォローの為に残ってもらえば良かった。



「話は分かりましたよ。で、サブマスターとの協力関係は何をすれば?」


「・・・・・・・・全然埋まってないのよ・・・」





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