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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
4章 裏町を掌握せよ!
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ライアス派閥の後始末

ちゃ、ちゃんと自粛して家で大人しくしてるんだからねっ

関東は雪が降ってます、寒いです


「くっくっく、ざまーねぇな口だけ男」


そう言って地に伏せた男の顔を土足で踏みつける。

地面と靴の裏、このカス男にはそのサンドイッチがお似合いだ。

ギリギリと力を込める。

死なないように

苦しむように


ライアスに頼まれた後始末の手伝い、それは意外な事に彼の派閥のナンバー2 マーヴィッドへの死刑(リンチ)だった。

喜んで引き受けたのは言うまでも無い。


ライアスだけでも出来るのだが、今後悪さが出来ないように徹底的に追い込んでおきたいのだと言う。


事の発端は俺には分からないが、随分前からの因縁の連鎖だと判断している。

俺が深く関わるキッカケとなったのは、任務後にライアスとマーヴィッドの間に一悶着あったらしい。


「そんなにイゾウと組対なら、大事な彼女を貸してやればいい。あいつの本性が分かる。喜んで受け取るだろうよ。」

そう言ったとか、言わなかったとか。

正直危なかった。

ほんとにやるなよ、馬鹿ライアスが。

本来俺はハニートラップに滅茶苦茶弱いタイプの男なのだ。

今世では嵌まっても「ふーん、それがどうした? タダマンご馳走様。いまいちだったけどね」と返す覚悟を決めているだけ。

恋愛で大事なのは勃ち直りと開き直りだ。


信じてくれていたんだろうが、女関係で俺を信用するな、とあとで 強く言い含めておかなければ。







俺、ライアス、そしてバルダニオとプリエッラで悪巧みをしているマーヴィッドの集まりに乗り込んでいってぶっ飛ばした。

善は急げと申しましてね。即断即決こそが出来る男の流儀なのである。


この件に関しては、協力を請われる事が無くても元々やるつもりだった。

マーヴィッドが集めて酒を振る舞った面子の中にレギッツという男がいる。

彼は実は俺のスパイ、とまではいかないが知人である。

人を集めて何か企んでいるというのは早くから耳に入っていた。

俺へのヘイトを煽っているというのも知っている。


このレギッツさんは俺と同室の男(のルームメイト)と同村の出身だ。

彼らは同じ村出身者で、講習後はパーティを組むという事で話が付いており、一緒に上京してきている。

そのパーティのエースアタッカー的存在で腕が立つのは俺も認めている男だ。

だからマーヴィッドの一派に加わる可能性など最初から無い男なのだ。

知ってなのか、知らなかったのか、彼に声を掛けたばかりに俺には筒抜けだった。

全体を俯瞰する事は出来る癖に、個人の事情は考慮しない。

マーヴィッドはそんな奴だ。だからこいつ主催の飲み会は本気で無い者が多かった。

そしてライアスの派閥は纏まらなかった。


俺もさすがに派閥に入れよう何て考えもしない人だ。その代わり互助会の方には声を掛けている。

情報交換を前提なので、色よい返事をもらっている。

稼げる仕事があれば手伝ってくれるという話にもなっている。

任務に誘わなかったのも、彼らのパーティ全員を組み込める班が無かっただけの話。

例えそれが可能でも、パーティとして集まっている人たちを班員にして動くのも難しい。それは俺個人の意見で無く、双方の意見であることも言っておきたい。

強引に進めてはいるし、出来ない事も多々有る。だが、まったく話を通して無い訳でも無い。

やったことが100%完璧に出来たことでは無く、散々断られた上での承認だ。


マーヴィッドと飲んだ奴の中には俺が「参加しないか?」と声を掛け、それを断った奴も混じっている。

そんな態度をおくびにも出さず、マーヴィッドが振る舞う高い飯と酒を馳走になって、あとは知らん顔。

そのくらい強かでないと冒険者なんてやってられないのだよ。



今夜は不思議な事にマーヴィッドの集まりは()()()の不参加が多発したらしい。

今夜も一生懸命他の講習生に声を掛けていたのに不幸な事だ。

講習ももう終わる。みんな今後の事で忙しいから仕方が無い。今さらマーヴィッドの為に戦おうなんて思うわけが無かった。


マーヴィッドと他2人が寂しく飲んでいるところだった。

そこに乗り込んで有無を言わさずぶちのめしてや・・・・・・・るつもりだったが、俺より先に殴り飛ばしたのはバルダニオさんだった。

聞けばプリエッラさんの事を人質に、随分色々やらされていたらしい。

人質はライアスの横に置いて距離を取らせ、それをネタにマーヴィッドの都合のよい事を押しつける。

手口としては悪くない。

ただ俺はあまり好まないが。

上手くいってる時は良い。駄目になるときはあっという間だ。


使われていた男の怒りが爆発した今のように。

普段温厚な男を本気で怒らせると凄まじかった。普段の穏やかの欠片も見せず、鬼のようにマーヴィッドを殴りつけていた。

それは使われていた自分へ、情けなさから来る怒りも含まれているのだろう。

きのすむまで やらせてやった。


気が済んだところで回復魔法を掛けてやり、当然俺がもう一度痛めつけておいた。

その際


「覚えてろよ・・・・・

許さねぇからな・・・・・・

親父が・・・・・俺の親父は領主なんだ・・・・・・からな

その親父が許さねぇぞ・・・・・イゾウ、お前を許さない

親父が・・・・・許さないから・・・・・・・覚悟してろよ・・・・・・」


という有り難いお言葉をもらった。

どうやら怒りは全て俺へと向いたようだ。

どっかの地方領主とはこれで敵対が決まったらしい。

とりあえず地方領主なら近づかなければいい。気にしないことにした。

どこだかくらいは後で調べておくが、ライアスもバルダニオもプリエッラももう故郷には戻らない覚悟だという。

ならば俺はいつかそこをぶっ壊してやろうと思う。


踏む足には自然と力が込もる。貴様の顔には靴の跡がよく似合うぜ。

この後は俺はダンジョンへ行く。

地方でのんびり冒険者なんてやるつもりは無い。

いくらでも言いつけるがいい。


ついでにライアス派閥の初期メンバーで村から一緒に来たという男達を2人、ライアスが始末した。

そっちも当然、回復した後に再度殴っておいた。


ライアスと一緒に上京してきたのは7人。

そのうちマーヴィッドとこの2人がマーヴィッド一派の主力。

ライアス、バルダニオとプリエッラ、マーヴィッドとこの2人で6人。

もう1人は5番手で、酒好きでちょっとマイペースな奴。

前に少し話した事が有るが、猫の獣人でそれ故か単独行動が多いらしい。

ここにもいないし、ライアスとも深い付き合いではないのだそうだ。

同じ出身地から、目的が同じだから一緒に行動してただけだと言う。


つまり最初からライアス派閥なんてのは、ただの張りぼてだったのだ。


裏で動くのが得意な奴が、勝手に薪をくべて燃やしていただけ。

それを外から見て勝手に思い込んで大きく見ていたようだ。



だからこそライアスは後始末だと言う。

聞いたときは信じられなかったが、実はプリエッラを押しつけられたときから保護していただけで手も出していないのだと言う。

正直信じられなかったが、プリエッラも同じ事を言うので確かなようだ。


こっそり確認したところ


「信じらんねぇかも知れねぇけど、俺とあの2人は家が近くでな。ガキの頃よく一緒に遊んで過ごしたんだ。デカくなるに連れて距離が出来ちまったけどな。

7歳くらいの時か・・・・・・飢饉が起きてよ、町中食うものも無くて苦しい時期があった・・・・・・・

俺は身体がデカいだろ?昔からでな。 食えない時期は本当に辛かった。

そんな時に俺よりももっとデカい近所のにいちゃんがコッソリ自分の食う分を分けてくれてよ。

信じられるか?当時俺よりもっとでっかかったんだぜ?

自分の方が苦しいだろうに、余裕も無いってのに、ガキの頃に遊んだだけの俺にそれを分けてくれたんだ。

ガキの頃は分かんなくてよ、もらったら嬉しくて食っちまった。それを見て笑ってくれてよ。

あの頃はなんも考えてなかったけど・・・・・・」


という話を聞いた。

つまりそのにいちゃんが、という訳か。

それ以上は聞けてないが、推察は出来る。勝手に憧れて勝手に失望してしまったのかも知れない。

上手く言えなくて手が出た。なんて事も想像出来るから困る。

手を出した結果が回り回って、あのザマか。

プリエッラさんを俺のとこに送り込んだのも・・・・・・・・

俺が良いように使われただけだったようだ。

正直ソレを聞いたときは額に青筋が走ったもんだ。


だがまぁ、今はそんなに悪い気分ではないから不思議だ。

多分ライアスの相談が気分の良い話だったからであろう。




マーヴィッドの顔に足を乗せたまま、言い聞かせるように言葉を紡ぐ。


「おまえの親父も俺の敵か、了解した。せいぜい気をつけるようによく伝えておけよ。

月のある番ばかりでないし、霜が降りて、寒さが人を殺す事も有る。

忘れるな。

ライアスも、バルダニオさんたちも俺の作る互助会に参加してくれるそうだ。

何でも言う事を聞かなれば、プリエッラさんに危害を加えるとか言って脅してたんだって?

今後もし彼女に何かあれば、その時はお前の仕業だと断定して動く。

言ってる意味()()()()()?例えお前が関わっていなくともおまえのせいだと判断するぜ?

せいぜい彼女の身に危険が起きないように祈って過ごせ。


当然、お前の互助会への参加は断る。最も入るなんて考えもいないだろうけどよ。」


足の裏の下でマーヴィッドがどんな顔をしていたのかは分からない。

だがライアスが、「俺もそのつもりだ。」というのを聞いて小さく「分かった」と呟いたので足をどかしてやった。

それが伝われば充分だろう。俺の用は済んだし、他にも用は無いようなので引き上げることにする。

最後にライアスが項垂れる3人の背中に声を掛けた。


「言うまでも無いだろうが、派閥は解散する。お前らも好きにしろ。

マーヴィッド、俺は改めて勇者を目指すことにした。

今度はちゃんと、俺の意志でな。

流されて決めたんじゃなく、ちゃんとそうしようと、強く思うようになった。

とりあえずイゾウの知り合いだっていう勇者のパーティ紹介してもらおうと思ってる。入れねぇかもしれねぇし、俺が気に入るかもわからねぇが、駄目でも別の方法を探して頑張ってみるさ。

お前も・・・・・・・・自分の力で頑張れ。色々あったが、元気でな。」


ライアスがそう伝えるとマーヴィッドは顔を上げて驚いていた。

気持ちは良く分かる。

相談を受けた俺も、もしかしたら同じ顔をしてたかもな。


バルダニオとプリエッラは2人パーティを組む。

ライアスがマーヴィッドの事をどう思っていたのかは俺には分からない。

自分の力でやりたいという、ライアスの気持ちは好ましく思っている。

任務が終わり、それぞれの環境も変わる


俺は順調に悪党への道を進んでいる


講習はもうすぐ終わる。

必要最低限の外出以外控えてます。

花粉がキツいので出たくない気持ちもあるのですが、今は仕事での付き合いも最低限ですんで

早く帰れなんて久しく言われていなかった

おかげで少し書きためが出来ました。

気に入らないところもありますが、すぐにこの状況も変わらないだろうからその辺は後で書き直します。

話が進むように頑張りますので、宜しくお願いしますm(_ _)m

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