オークの残党を討伐せよ 10
オークの残党討伐任務初日。
冒険者ギルドに帰還したイゾウ班は慌ただしく雑事済ませた。
そしてその夜には、任務に参加する班長全員に声を掛け集まった。
場所はギルド併設の酒場。
呼び出し主であるイゾウはあまり表情を出さずちびちびと飲み、傍らにはナード、では無く今日はジスナが並ぶ。彼女の前にあるのは酒では無く、水のグラスだ。
少し席を空けて難しい顔をしたユリウスが座る。
そのユリウスの横には元兵士組の者が数人、静かに飲んでいた。
各班長 ガレフ、ライアス、ノリック。
彼らがそれぞれ2~3人づつ連れて参加している。
集まりはまず初日の経過を報告し合う流れとなった。
どこの班も成果は芳しく無く、その顔は晴れない。
唯一ドワーフのガレフが率いる飲兵衛を中心に集まった班で下級の野良オークが2匹だ。
ライアス班、ノリック班は0。初日の成果は芳しく無い。
対しイゾウ班は中級種が6匹。下級のオークが2匹。合わせて8匹の成果があった。
それを聞いたライアス派閥のナンバー2 マーヴィッドは鼻息が荒くなった。
最初からイゾウに対し、かなり喧嘩腰の対応だったが、それ以降「自分のところがたまたま上手く行ったからって呼び出しやがって!何様だ、調子に乗るなよ!」と何度もイゾウに食ってかかり、ライアスを含む周囲に黙らされてた。
それでも懲りず何度も何度もイゾウに食ってかかり、その度に話が中断され、イゾウは無表情になる。
他の参加者も呆れ、中には怒りを露わにする者もいた。
「初日だからな。結果が出ないのは仕方ねぇよ。」
何度目かの仕切り直し。そうイゾウが各班長に声を掛けるが、それを言葉通りに受け取る者はいない。
個人の行動ではなく、ギルドから与えられた任務だ。
最低でも結果を出す必要がある。
マーヴィッドが舌打ちし、それをライアスが睨み付けて黙らせるが、焦りから苛立ちがある事はライアスも同じだ。
そしてその感情はノリックも同じであり、2匹狩ったとはいえガレフも同様だった。
でなければ任務の最中、個人間の付き合いがあるとはいえ順調ならば志気を高めるために班員と過ごすだろう。
内心この現状に思うところがあって、どの班の者も呼び出しに応じている。
故にイゾウの言葉の続きを待った。
「今回の任務、問題なのはオークを殺す事、では無くそのオークの居場所を把握すること、だろ?
任務の期間は3日間。その間にオークを見つけて狩れってのが俺たち講習生には困難なんだよ。
この街に来たての俺たちにはとにかくツテが無い。歩き回って偶然見つかるものでもない。
ギルドもそれを分かってやらせているんだろう。
ガレフが2匹狩れたのだって、おそらく知り合いかなんかがこの町にいたからだろう?」
「まぁ・・・・・そうじゃな。イゾウの言うとおりじゃ。
そういう意味では明日からはちと厳しいな。1から探さねばならぬ。
手がかりが無いから手探りでやるしかないわい。」
イゾウの言葉にガレフが返事を返す。
ノリック、そしてライアスもその言葉を受けて考える。
どちらの班にも特に有力な手がかりは無い、今日1日は町を彷徨って無駄に過ごしていた。
町で聞き込んだところで、有力な情報など簡単に手に入りやしない。
イゾウもそんなことは分かって班員にやらせていた。
イゾウの場合は真面目にやっているという体裁を整えるだけのポーズだったが、他の班は違う。
情報提供者がいなければ虱潰しに当たり、足で稼ぐ必要がある。
ツテが無い人捜しは至極困難だ。
町に侵入し、取り残されたオークは人の多いところには残れない。
目に付けば住人も当然、何らかの対処を取るだろう。
防衛任務から早数日、町の表面にオークの影は無い。
「なるほど、そうなると前の任務で単独行動してたイゾウが最初から有利な訳か。
裏町に知り合いが出来たって言ってたもんな?」
「そうゆう事だ。そいつらに聞きに行ってオークが潜んでいる場所を聞いた。
だからこその成果だ。」
「イゾウ、勿体ぶるのは止めよう。呼び出した本題に入ってくれ。」
ライアスが答え、ノリックが続きを促す。
どちらも班長を任され、その任務の責任がある。
だがオークの居場所には見当がついていない。
「しょうがねぇだろ。いちいち突っかかって来る奴が居るんだから。
そいつを連れてこないでくれれば話が早かった。
俺たちは同期のライバルだが、幸運なことに敵同士じゃねぇ。
仲が良く無い奴もいるが、今回班長になっている4人、さらに辞退したけどユリウスも入れて5人は酒を飲む仲でもある。
だからこそ、時には腹を割って話せる関係だ、と俺は思ってるよ。」
そう言いながらイゾウは周囲に微笑を浮かべながら見回し、最後にライアス派閥の2番手にいる男に冷たい視線を向けた。
成果が出ないことに焦りを感じているのは班長だけでは無い。
彼もまた2番手としての責任があり、仲間に対しても、外に向けても、結果を出す必要があった。
故に今日は特にイゾウに対する憎悪が深い。その感情は一言で言えば嫉妬だ。
今のイゾウの立ち位置は彼が求めるそれに限りなく近い。
そんな感情を隠すこと無く態度に出し、何度もイゾウに食ってかかる彼をライアスも、他の班長も鬱陶しく感じ始めていた。
「ふぅ、確かにいちいち話の腰を折られるのは面倒じゃな。」
「俺たちだけなら話は早いからな。はっ、別にライアス派閥いなくてもいいんじゃねーの。」
ガレフが呆れたようにため息交じりに吐き出し、ノリックの班に所属しているシグベルがライアスへと侮蔑を込めて言い放つ。
それを聞いたライアスがシグベルへと掴み掛かり、シグベルも当然のように立ち上がり応戦する。
ガレフ、ノリック、ユリウスが仲裁に入るという、何時もの流れだ。
ただし今日はそこにイゾウの姿だけが無い。
そんなやりとりの最中でも、イゾウとマーヴィッドは座ったまま睨み合っていた。
憎悪丸出しの表情を作るマーヴィッド
冷めた表情のまま、視線だけ凍るように冷たいイゾウ
マーヴィッドは、ライアスがイゾウやガレフたちとじゃれ合う関係である事が面白く無い。
自分たちの派閥だけで結果を出したいのが本音だ。
そこに他所の派閥の色を残したくない。自分の手柄が薄くなるからだ。
本心は自分がトップに立ちたいと思っている。
ライアスの下についているのは利益の為だけで、腕力があって扱いやすかったからに過ぎない。
ライアスの機嫌を取って、派閥を作らせたのもマーヴィッドだ。
なのでライアスは自分の派閥をそこまで重視していない。
人を暴力で従えこそするが、逆らわなければそれでいいのだ。これはイゾウとも共通する考え方だ。
だがイゾウは目的のために支配することを選択し、それを近くで見ていたライアスは自派閥を足枷のように感じ始めていた。
講習を受け、自分と同格と思える者とも付き合うようになり、幾度かの任務を経てライアスの気持ちにも変化があった。
猿山の大将では無く、弱い群れを率いるのでは無く、突出した個の力と同格と思える仲間が欲しいと考えるようになった。
イゾウがオークグラジエーターと戦った話を聞いてそう強く感じ、イゾウと話し、いつか再戦するときは力を貸してくれと言われたときにライアスは自分の目的がハッキリした。
班長の役を放棄したユリウスを、内心で一番羨ましかったのはライアスだったかも知れない。
イゾウはライアス個人を気に入っているが、ライアス派閥を良くは思っていない。
とはいえ個人で講習生全員を纏め上げるほどの能力もカリスマ性も、自分には無いと自覚しているが故に、ライアスの元で収まっているのが無難だと考えている。
表だって自分の邪魔をしなければ放っておいても問題の無い連中だと思っている。
つまり敵としても、さほど重く見ていない。
だが今は少し違う。
マーヴィッドは先日、ビアンカを本気で口説いている。
口説いたことが失敗だったしたとしても、その内容は聞き捨てならない言葉が多く含まれていた。
イゾウがビアンカと親しいことは少し周囲を気にする講習生なら誰でも気づくだろう。その親しいが友達付き合いでは無い事も見ていれば分かる。
ビアンカはイゾウにそんな話をしない。
するのはビアンカの親友である、メアリーだ。イゾウはメアリーから余すこと無く全ての話を聞いている。
それを聞いて、可能なら講習中にライアス派閥の2番手の首をすげ替えたいと目論んでいる。
ライアスの派閥は
2番手にはこのマーヴィッド
3番手はライアスの彼女であるプリエッラ
4番手がライアスの彼女の幼なじみにして、ライアスにとっては本来先輩の筈のバルダニオ だ。
イゾウ派閥とは違い明確な序列がある。
だが、この4番手に収まっているバルダニオが実際のところでは戦闘力で一つ抜けだしている。
ライアスの派閥内では間違い無くライアスに次ぐ存在で、イゾウやユリウスたちに迫る。
2メートルを越すライアスやシグベルほどではないが、195センチを誇る身長はイゾウやユリウスを軽く上回り、身体能力も高い。
講習の受講態度も真面目で〝認可〟の取得状況も良い。
問題があるとすれば、性格が少しだけ大人しいことだろう。
彼はあまり自己主張がない。血の気が多いライアスやシグベルと違い物静かで、普段の態度だけなら戦闘に向いていなくも見える。
故に悪目立ちする者が多い講習の中ではあまり目立ない。
それでも確実に有望な人材だとイゾウは見ていた。
今後、実戦を経てさらに伸びるだろう。
強さとは目立つ必要が無い、とイゾウは考える。
大事なのは確実に強く在ること。敵を圧倒できるならそれだけで充分なのだ。
逆に言えば、ライアス派閥の者では彼だけだ。彼だけが戦闘面でのイゾウの興味を引く。
他には全く興味を持てないでいた。
それはイゾウとライアスの派閥の運営の仕方が大きく影響しているのだが、そこまではイゾウも考えていない。
彼を有望だとは思いつつも、ライアスの2番手に収まるとはイゾウは思っていない。
組織の2番手には向いていない。
(化けたら独立するだろうな。元々ライアスとは折り合いが悪そうだし。
となると他の選択肢が必要になる。)
それがイゾウがバルダニオを見た率直な感想だ。
だが現2番手もライアスを支えられるとは思えなかった。
マーヴィッドが求めているのは、ライアスを盛り立てて派閥全体の志気を上げる事、では無く出した結果の中を占める個人のウエイトだ。
結果を出したところに自分が居たいと考えているだけであり、それには必ずしも自分で結果を出す必要は無い。
出た結果に自分の名前を入れるだけ、それがマーヴィッドの求めているものだ。
それを先日のビアンカとの話で確信し、イゾウは彼に対し悪感情を隠さない。
「ちっ、わざわざ出向いてやったのに話もちゃんと進められねぇのかよ。これだから育ちの悪い奴は困る。お前班長に向いてねぇんじゃねぇの?」
「俺が呼んだのはライアス個人であって、お前じゃねーよ。別にライアスがいれば話は出来るからお前は死んでいい、邪魔だ、消えろ。
お前がいなくなれば話が早く進む。サヨウナラ足手まといくん。」
「何だとこの野郎!!」
ライアスとシグベルの争いを横目にイゾウに悪態を吐くマーヴィッド。
それにさらに悪態を上乗せして返すイゾウ。
マーヴィッドが激昂し立ち上がるが、イゾウが反応することは無い。
ただ冷たい目で眺めているだけだ。
その目つきはゴミを見るかのようで、それは正確にマーヴィッドへと伝わる。
それは正確にマーヴィッドの感情を逆なでする。
だが立ち上がることすらしないイゾウに代わり、マーヴィッドの前にはジスナが身体をねじ込んでくる。
「お前の相手なんて私で充分」目の前に立つジスナの目はおんなだてらにそう語りかけてくる。
その姿はまるでイゾウの番犬のようだった。
そのジスナの姿に先日のビアンカの言葉が思い出され、マーヴィッドの嫉妬心にさらに油を注ぐ。
(やはり実戦を超えると変わるなぁ。)
今日の任務で最も成長したのがこのジスナであろう。その頼もしく成長した背中の裏で、尻を眺めつつイゾウは思う。
元々ジスナはオーク憎しで冒険者になった女だ。いつかオークを皆殺しにしたいという願望がある。
それ故にか、オークの討伐任務を受けた今日一番の成長を見せてくれた。
倒したオークを本店に運ぶにあたり、ついでにレベルの計測を行った。
ジスナは参加者で最大の12レベルが上がっており、職業アビリティも発現した。
前回の任務でオーク相手に戦闘を繰り返したイゾウに教わった上で、ではあるが中級種なら単独でやり合えるところまで一日で伸びた。
オーク限定ではあるが、異例の成長である。
これは事前の討伐を含めれば三度の任務を経験したこと、何より日頃真面目に講習に取り組んだ成果であろう。
(むっつりナードとお馬鹿巨乳。それに比べりゃ目立たなくて地味で平坦だと思ってたけど、もしかすると今後こいつが一番伸びるかもな。)
オークに発狂する事もあれ以来落ち着いているらしい。
女相手に凄まれて動けなくなっているマーヴィッドの憎々しげな視線を受け流し、ジスナの尻に視線を固定しながらイゾウはそんなことを考えていた。
▼▽
「ちっ、マーヴィッド。てめーは先戻ってろよ。話が進まねぇ」
以降にも何度もイゾウに突っかかるマーヴィッドに苛ついたライアスは彼を追い返す選択を選んだ。
話の腰を折る者がいるから脱線し、さらに余計ないざこざが起きる。
何度もイゾウたちと酒の席を共にしているライアスは経験則でそれを理解している。
誰かが話しているときに、ライアスとシグベルが喧嘩になることは良くある事だ。だがそれでも話自体はもっとスムーズに進行する。
今日は話が進まない。それは何故か。
いちいちイゾウに張り合おうとする奴がいるからだ。
ライアスにはイゾウと張り合う意志は無い。 勿論他の班長にも無い。
イゾウとは似たところがあるという感情があるライアスは、競うならば酒の席の話の中でではなく、もっと大きな舞台でだ、と考えている。
ライアスと元兵士組とではそこが違う。
競い合うことはあっても、蹴落とし合うような関係は互いに望まない。
ライアスの「連れて行け。」という声に少し離れたところで待機していたライアスの派閥の者がマーヴィッドを連れ出していった。
マーヴィッドはそれでも抵抗したが、ライアス派閥の者に左右から押さえられて酒場の外へと連れ出されて行った。
それを見届けて、ライアスは視線でイゾウに続きを促す。
「んじゃ邪魔者が消えたから単刀直入に言おう。
バラバラに動くのは止めて明日明後日と全員で動かないか?
ちまちま探し回ってるうちに時間を無駄にする。裏町にいるオークは俺の方で特定した。
分け合っても充分な成果になる。
5班で50人、全班総数を集めて纏まって動こう。全員で行って一気に始末しちまいたい。
と俺は考えている。」
「ほう。もう把握しておるのか。確かにそれならその方が早いの。」
とガレフ。顎に蓄えられたドワーフらしい髭を指先で弄くりながら考えている。
「ふーん、なるほどね。そう来たか。確かにそうなるとあいつ、邪魔だな。」
頬杖を吐いたままライアスは唸る。脳裏には今追い返した男の顔が浮かんだ。
「待った。確かに有りがたい提案だが、2つ疑問がある。
ユリウスは辞退した、残るのは4班だ。5班ってのはどうゆう意味だ?
そしてその提案自体は有り難いが、お前にメリットが無い。
イゾウのメリットは何だ? 別に僕たちに手を借りなくてもユリウスとイゾウなら自分たちで出来るだろう?」
そう疑問を呈したのはノリックだ。イゾウとユリウスを交互に見比べながら答えを待っている。
「ま、当然の疑問だな。
まずユリウスの方だけど帰ってすぐに教官に許可を取りに行った。特に問題無く認めてくれた。
改めて班長の役に戻った。 だからそこは問題ない。
他に賛同者がいなければ俺とユリウス班だけで一緒に動くことになるだろうな。」
そう言ってイゾウがユリウスを見れば、他の視線もユリウスに集まる。
その視線を受けてユリウスは大きく頷いた。
ユリウスの周りに座っている元兵士たちの顔も自然と綻ぶ。
彼らが考えていた当初の予定通り、これでユリウス班として行動出来る。
「出遅れてすまないが、今日イゾウと共に裏町に行ってこれが最善だ、とそう判断するに至った。
班ごとに動くよりも纏まって全員で動いたほうが結果的には任務を達成できると僕も思う。」
「そう言うことだから俺のメリットについては、単純に効率の問題だと思ってくれていい。
裏町に侵入すると、そこの住人が絡んで来るんだよ。冒険者でも講習生でもお構いなしだ。
個別にそれの相手をしているとキリがねぇ。 残り2日じゃ廻りきれなくなる。
だったら50人で行って、1カ所ずつ潰していった方が早い。そして確実だ。そういう結論だ。」
「その話は聞いたことあるが、そんなになのか?
儂らが狩れたのは裏町・・・・・というには外れだったんでな。まだ裏町の内部にまでは行っておらんのじゃが。」
ユリウスの答えにイゾウが被せて話すと、次はガレフが問いかけてきた。
彼らが狩ったというオークはイゾウが部下から聞いているオークの話とは別のオークだ。
つまり裏町にいたオークでは無い。
探せばそんなオークもまだ潜んではいるのだろうが、それを探すには3日という時間ではあまりにも短い。
地理に詳しければともかく、大半の講習生は、冒険者になるためにこの町に来た者が殆どだ。
あまり地理地形を含め町の事情に詳しい者はいない。
「正直想像以上だったよ。この国にあんなところが有ると思わなかった。
僕も裏町には初めて行ったんだけど、少し進むだけですぐに人が寄って集ってくるんだ。
『金を出せ』『持ち物を全部置いていけ』、イゾウに聞いてはいたんだが、本当にそればかりだ。
今日はそれが身に染みた1日だった。
最初はイゾウがわざと問題がある道を選んで進んでいるんだと思ったけど、多分どこに進んでも絡まれるんだと思う。」
ため息を吐きながらユリウスが嫌そうに呟くと、それを聞いたイゾウはユリウスに笑いかける。
「くくくっ、心外だなユリウス。ちょっと道に迷っただけだ。あんな汚い通りいちいち覚えていやしないっての。
オークのいるって場所は把握したけど裏町は細かく縄張りが細分化されてるから、そこに行く道のりの方が面倒そうなんだよ。
裏町の住人みたいな汚い格好で動けばいちいち絡んでこないらしいけどよ、そんな格好してオークを狩りにいくのもアホらしいだろ?
だったら絡んでこれないくらいの人数で進めばいい。
講習生とはいえ、冒険者50人。それくらいの人数がいれば裏町の卑怯者たちは絶対絡んでこねーよ。
隠れて悪態吐くのが関の山だろ。大半は勝手にビビって逃げ出すさ。」
「なるほど、儂はええぞぃ。今日一日聞いて廻ったが禄な情報が無かった。
明日も聞いて廻るよりも、目的に向かいたいわい。」
「僕も賛成する。そうゆう事情なら納得するし、正直碌な情報を持ってないから提案は有り難い限りだ。」
「チマチマオークを探し回るよりは、いい加減戦ってスッキリしてぇから俺も良いけどよ。
俺んとこは裏町には入ったんだけど、確かに絡まれてうざったかった。
力尽くで聞き出としたんだけど、デマばっかり流しやがってあの糞ども。
明日そこにもっかい行って、今度こそぶっ殺してやろうかと思ってたとこだ。
けどまぁメンバーを入れ替える時間だけくれ。俺の班が足引っ張りたくねぇから。
あいつと、他何人かは明日は置いていくわ。」
それぞれガレフ、ノリック、ライアスだ。
これにて二日目以降は講習生一丸となって任務に当たることが決定した。
うぅ・・・・花粉症で目が痒い
そしてマスクが買えない。予備の残りが心許ない
新型コロナも怖いけど、花粉症もキツいんだよ(T-T)
爆買い堪忍しておくれ