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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
4章 裏町を掌握せよ!
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オークの残党を討伐せよ 5

明けましておめでとうございます。

本年も宜しくお願い致します。


「その・・・・・・裏切ったというか、出て行ったというか、意見の相違って奴で。

どうにも、俺のやり方が気に入らないって話で・・・・・・本当、すまねぇ旦那!」


代理を主に任せた、というか押しつけておいたハーフドワーフ兄、のやり方が気に入らないということか。

奇遇だな、俺も今凄ーく気に入らなくなってきたところだ。


だが、所詮俺が講習終わるまでの代理。大した期間でも無い。そんなに短気を起こすような話か?

やっぱり分からない。

続きを促す。


「それでこちらのおばばなんですが。」


「うんそれだ、そのババアは何だよ、何で俺が持ってきた食料をそいつが偉そうに覗き込んでやがる。

許可した覚えはねぇ、汚ぇ手で触るんじゃねーよ、汚れるだろうが!」


「ばっ、ババアだって!! ちょっとザーノア、立派な男だって聞いてたけど話が違うじゃないか!

こんな無礼な男なら協力するのはお断りだよ!」


「あん!? 人様の持ってきた食料に勝手に手を伸ばそうとした奴が何を言うか。

巫山戯たこと言ってると、今すぐ棺桶に突っ込んでやるぞ、クソババア」


俺の言葉にババアが激昂した。苛ついているからか自然に言葉が乱暴になる。

だがこんな汚いババアに丁寧に話をする気にはならない。

今までババアと悪態を吐いてしまった女性達に心の中で謝罪する。

こんな汚いのと同列に扱ってごめんなさい、貴方たちは綺麗なババアでした、訂正します。

主に2人にだけだけど。

いやほんと、白も、黒も、大魔道さまは綺麗なババアだったよ。 言ったら怒るだろうから言わないけどね。

許せるババアは綺麗なババア限定なのだけなのだと改めて痛感する。汚いババアは存在しなくていい。

汚いババアとか関わりたくもない。


ババアの後ろで汚いもやしがいっちょ前に睨み付けているが、今は放っておく。

察するにババアの取り巻きがこのもやしか。 この態度で、協力ねぇ。

何を話したんだか。


「説明しろ。」


「あ、はい旦那、このおばばは、この辺りの裏町の住人のまとめ役みたいなお人で・・・・・・

旦那に協力してもいいって言ってくれていて・・・・・

つまりその、なんだ、旦那がくれたオーク肉を分ける代わりに、こっちの味方になってくれてるというか。」


「ほうほう、味方ねぇ。」

その割りにそいつらの中に怪我人がいる様子も無い。ベッドもどきで寝ている奴らは全員見おぼえのある顔の奴らだった。

つまり敵に回らないから味方である、理論か。

それは味方じゃ無くて、傍観者だな。


「ヘンリーの奴が出てったのはそれが理由か?」


「ああ、すまねぇ説得出来なかった。戦いもしない奴に食い物を分けるのは嫌だと。」


やっぱりか。そんなのは当然の心境だろう。激しく同感だ。

その癖にこのババアが真っ先に運ばれてきた食い物を調べるとかどんだけだっての。


「そこ、もっと詳しく説明しろ。お前らは食い物を分ける。で、そいつらは何してくれるんだ?

なるべく詳しく説明してくれ。」


こっちは。とは言わない、あくまでもその契約をしたのは俺では無く、こいつらだ。


「食い物と、あと攻め込んできた奴らがいたら守るって条件で、おばばたちは敵対しないことになっている。」


「なんだそりゃ、何で何もしない奴ら相手に食い物渡して守ってやらなきゃならない!?

そりゃーヘンリーじゃなくても切れる。 お前ら全員納得してるのか?」


「どっちかというと、ディアスのとこの奴らも納得していない。でもあいつは旦那の下で今後生きるって、決めてるからって抜けまではしなかったんだ。だが心情的には反対だと言っている。

 

だが、聞いてくれよ旦那、裏町には裏町のルールってーもんがあって、そこに住んでる奴をないがしろにする訳にはいかねーんだ。

此処は俺らの縄張りだっていくら俺らが言ったところで、そこにも住んでる奴がいる。そいつらを全部追い出すなんて不可能だし、一部でもやれば恨まれるんだよ。

最悪他所の組織と一緒になって攻めてくることだってある。 でもそれならまだマシなんだ。

裏町じゃ本当に怖いのはそこの住人なんだよ、前に寝てる間に殺された奴だっていた。1人になったときに襲われた奴もいる。

なるべく敵対しないでやっていくのが1番上手くやれるんだ。」


なるほど、戦国時代の一向一揆みたいな話か。

戦いに勝って、戦国武将を追い出したとしても、そこに住んでる農民が素直に従うとは限らないって話だな。新しい支配者が気に入らなきゃ、農民だって立ち上がる、反抗する。

たしか織田信長の配下の武将なんかも、それで苦労した話を読んだことがある。

裏町の腐れアウトロー気取りなんかより、隠れて生きてる住人の方がずっと数も多いだろう。

寝てるところを袋叩きにでもされりゃビビりもするか。

この言い分じゃ実際にそれで殺された奴もいるだろうし。


しかし思わぬ所でディアスが忠誠心高かった。

特に何か良くしてやった覚えは・・・・・無い、全く無いな。


だがまぁいい。そんな気持ちで下に就いていてくれるなら悪い話じゃ無い。むしろ嬉しく思える。

他の奴らも見習ってもらいたいものだと思って周囲を見回すと、そのババアと目が合った。

嫌らしく唇を釣り上げ、勝ち誇った顔をしていやがった。



「ふん、聞いたとおりだ。あたしらはね、あんたらみたく強くは無い、だからこそ結束して生きているんだ。追い出せるもんなら追い出してみろ、必ず後悔させてやるよ。

さぁどうすんだぃ! あたしらとの条件飲むか、それとも追い出してみるか?

分かったらもっと食料をだしな!講習生だのなんの言ったって冒険者なんだ、非常食のひとつやふたつ、持ち歩いてんだろ? あたしらは腹が減ってるんだよ。出すもの出さなきゃアンタみたいなクソガキが頭だなんて認めないからね!」


ババアは我が意を得たとばかりに喚く。すげー理屈だ。

おかしいね、話を聞いた限りどう聞いてもヘンリーの方が正しいと思う。なんでこんなに強気なんだろ?

俺は全く賛同していないはずなのだが?


見ればババアの後ろでもやしどもも一緒になって喚いている。

俺がビビって下手に出るとでも思っているようだ。

知らないって怖い。


「話は分かった、じゃー全員死んで来い。『 吹雪(レベル1) 』」


話を聞くのも嫌になったので、喚いている集団のど真ん中にレベル1だが【氷魔法 : 吹雪 レベル1 】を発動してやった。

裏町の人間には一切容赦しない。そのつもりでここに来ている。

別に悪党も、チンピラも、住人も俺には何も変わらない。

従わないのならば死んでも構わない。そのつもりで攻撃するだけだ。


白い風雹が舞い上がり、魔法の範囲内にいる全ての者を巻き込んで蹂躙する。

久しぶりに使ったが良い感じだ。

まさに雑魚を蹂躙するための魔法。俺のために存在する魔法と言って良いだろう。


講習の間、組織作りにだけ励んでいた訳では無い。

連れ帰った堕落した土精霊とも話ながら、覚えた魔法の確認くらいはしていた。

俺の魔法は無詠唱では無い、だが、スキルレベルが低ければ低いほどそれに近づけることは出来る。



チラリと横を見ればナードたちの顔が面白い事になっていた。範囲型の氷魔法は見せたことがない。

一瞬の事に驚きを隠せないようだ。

俺のとっておきだ。さすがに講習生に使うわけにはいかなかった。

逆に、裏町の住人たちはよく知っている魔法だ。裏町を蹂躙した能力でもある。

コレがあるから有る意味配下になったのを思い出すだろう。

一瞬で顔を青ざめさせた。


「おいベス、見張りはいい。ディアスの奴と一緒に居る奴全員呼んでこい。」


「えっ!? 分かりました。ですが」


「あんだよ」


「その・・・・・・見張りがいないと進入してくる奴がい」

「ここに来たら俺が殺す、それだけだろうが!

だから問題ねぇよ。いいから早く呼んでこい。お前もこいつらと一緒に躾けてやろうか?」

「とっ、とんでもないです。直ぐ呼んできます。」


「ああ行け。他の奴らは立って一列に並べ。どいつもこいつも腑抜けどもが。

なんで俺がこんなババアに愛想振りまかなきゃいけねぇんだ。

俺が戻ったらこのババアと仲良くやるとでも、本気で思ってやがったのか? あぁ!?」


そう怒鳴りつけると青ざめていた男たちは一斉に立ち上がって並び始めた。

妹分の7人も、他のガキと一緒に慌てて並んだのはご愛敬だ。

子供は大人とは別に、少し離れたところで整列させた。ガキを責めるつもりは今のとこない。

そしてナード達を振り向いて言う。


「あぁ悪いな、ナード。俺裏町に配下がいるって言ったけど間違いだったみたいだわ。

配下はいない。いたのは馬鹿ばっかりだった。

氷魔法が暴走して、壊滅させてしまうかもしんない。」


「そっそうか、他の奴らには俺から、訂正しておく。」


心なしかナードたちも姿勢を正しているように見えるのはきっと俺の気のせいだろう。


「それはこいつら次第だな。何人かいなかった奴らがいるからそいつらにも話聞いてから判断するわ。処分するか、それとも改めて計画を考え直すか。」


「りょ、了解。ところで今の・・・は、ま、魔法か?そっそんな事も出来たんだ・・・・・・な?」


「俺は氷の〝神の寝床(使徒)〟 となれば使うのは氷魔法に決まってるだろ。そんな驚くなよ、対象がいないと使えない、そんな魔法なんだ。範囲が広いし誰かを犠牲にするにも威力があるし。

見せるには相手が居ないと難しい魔法も多い。さすがに食堂でコレをぶちかますわけにはいかなかった。分かるだろ?」


半分は嘘だ。場所を指定して発動出来るので対象は必要無いし、見せるだけならいくらでも出来た。

講習生相手には使いずらかったのは本当だが、ある程度効果的なタイミングで、万が一にも逆らおうと思わないようなシチュエーションで見せようと思っていた。

ちょうどよく、痛めつけても心が痛まない存在が目の前に現れただけの事。


「で、ザーノア()()、俺から乗り換えてそんな汚いババアの部下にでもなったのか?」


「い、いやとんでもねぇ。そっ、そんなつもりはない、です・・・・・・」


「じゃーなんでてめーは俺の前でそのババアの配下みたいに後ろに付き従ってやがる!!」

「ぐはっ」


言いながらザーノアの左頬を右拳で殴り飛ばした。 弾けるように後方に吹っ飛んで倒れたがヨロヨロと起き上がろうとするハーフドワーフ兄ことザーノア。

だがそ立つことを許さず、近づいて往年のプロレスラーの如くストンピングを叩き込む。


「次!ベス!! は、いねぇのか。んじゃチロ。」


「はっ、はいですワン。勿論旦那に従いますワン。従ってますですワン!!」


「調子がいいなワンコロ。だがまぁ、おめーは多少信用してやる。あのババアの部下みたいな動きをしてなかったからな。

やってたらそろそろ殺してた。危なかったな!

動くな、じっとしてろ、てめーには回復魔法を掛けてやる。」


「あっ、ありがとうございますワン」


なんだかんだこのワンコは素直に従っているので良いだろう。俺好みの犬の姿じゃ無いだけでそこまで気に入らないわけでもない。素直に従うなら許容範囲だ。既に散々殴ったし今日はもういい。

気に入らないのはババアの部下みたいな動きをしてた馬鹿2人。

他の連中にも同じ質問をし、微妙な返事をした奴にだけ1発ずつ殴っておいた。

その上で怪我人には回復魔法を掛けてやった。

勿論子供には手を出さない。


手は出さないが、今にも泣き出しそうなくらい震えている。

可哀想に、怒るような事をする馬鹿2人が悪いんだよ?


そうこうしているとベスがと他のディアスと他に5人ほど連れて戻ってきた。

ディアスたち見張り6人は俺を確認し、整列する男たちを見るとすると直ぐに傅いた。

どうやら逆らう意志はないらしい。有る意味抜け目が無くて悪くない。

その6人は置いといて、戻ってきたベスを先に殴り飛ばす。


もう聞くのも面倒だ。何も聞かず、有無を言わさず叩きのめしておいた。ザーノアと同じように。

幹部はいざというときに、腹を切るのが仕事だ。






「さて、何を怒ってるか理解出来るか?」


ボロ雑巾のようにズタボロになった、ハーフドワーフのザーノアと柴犬の犬獣人 ベスに問いかける。

殴っている間に、どうせだから病室で寝ている奴らも呼びに行かせた。

ハーフドワーフ弟が駆け寄りかけたが、俺の表情を見て動きを止めた。

他の連中と同じく直立して列を作って並ばせる。


「別に縄張りを取られたとかそんな小さいことはどうでもいい。取られたらまた取り返せばいい。

怪我人が多いのもまぁ仕方無い。死人が出なけりゃ何とでもなる。

だから問題はソコじゃねぇ。そこのババアどもだ。

お前ら何で俺の前でそこのババアの部下みたいに振る舞ってんの?

おい、聞いてるのかボケが!?」


言いながら横たわる2人に蹴りを入れる。

普段面倒を見てくれる優しいおじちゃんを、突然来た若い兄ちゃんが殴っている姿は恐怖そのものだろう、今日初めて顔を合わせたガキどもは震えるのを通り越して既に泣き出している。

泣いてないのは妹分の7人だけだが、その顔色は悪い。立場的に微妙だろうな。

だが手を抜くつもりはない。

無理矢理胸ぐらを掴んで起き上がらせた。左右の手に1人ずつ持ってリフトする。


「てめーらが安全の為にどこの誰と手を組もうが知った事か、好きにしろ。

だが俺の配下にいながら、あんなババアに俺より偉そうな態度を取らせてるんじゃねぇよ。

てめーらの都合で俺の組織に頭は2ついらねぇんだよ。

条件飲むんだったらもっとまともな条件で話をつけて来い!」


頭の上に持ち上げた所から手を離す。

尻餅をついて倒れたの姿を一瞥し、並んでいる奴らの前に移動する。

1人1人を睨み付けながら問う。


「で、ディアス。おめーは俺の部下のままか?」

「勿論です。お帰りをお待ちしていました。」


「ジョン、てめーは?」

「俺も勿論、旦那の部下だ。何でも命令してくれ!」

「今俺が殴ってたのはのは、元からのお前の仲間じゃねーのか?」

「それに関しちゃ俺にも責任があります。仕方無いと思ってた。ベスだけで無く俺にも罰を。」

「マゾかおめーは。お前が俺の前で他の誰かの部下みたいに振る舞えば同じ目に合わせてやるよ。」


「ノリア」

「待ってくれ!俺も兄貴も旦那の部下だ。いまさら逆らう気なんて無い。信じてくれ!

だから一つ確認させてくれ。旦那が怒ってるのはあいつらと手を組んだ事じゃなくて、兄貴とベスが旦那の前であのおばばの部下みたいな態度だったから、って事なんだな?」


「あぁそうだ。そこのババアが身の程を弁えてれば今、そこまで責める話でもねぇよ。俺が戻ったら止めさせるだけの事だからな。」


「・・・・・・やっぱ旦那はこの話、反対なのか?」


「当たり前だ。先住民だの、先に住んでただの、元からの住人だの。

どんな言い方したところで不法占拠してることに変わらねぇだろうが!

そいつら誰の許可を得て勝手に住んでやがる!勝手に住み着いているだけだろうが!

なんでそんな奴らに気を使う必要があるんだよ。

小悪党にビビるくらいなら、悪党なんて止めちまえよ。」


そう言って俺はノリアを睨み付けた。




またまた間が空いてしまい申し訳ありませんでした。

それでも700ブクマ超えました、多謝です。

仕事が忙しいのも有るのですが、それ以上に今問題なのは思考がぶれまくる事でして。

思考が逸れると、それを一旦吐き出さないと元に戻れなくなります(^_^;)

それを吐き出していた話が貯まってきたのでそれも投稿することにしました。


お正月の暇つぶしにでもなれば良いな~なんて考えてたんですが3日になっちゃいました。

宜しければこちらも宜しくお願いしますm(_ _)m


https://ncode.syosetu.com/n4574fy/

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[一言] 明けましておめでとうございます いいですねえ、悪党には悪党の矜持がある 小悪党にはそれが分からんのですよ
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