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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
序章 この世は戦場、小金持ちは悪人の鴨と葱
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これより俺は修羅に入る。


そして俺は木の上に突然現れたワケだ。

神の力なんざ何も発動せず、ただ重力に負けて落ちていった、と。


そもそもどこに転生させてんだって話だ。

もう少し考えて欲しかった。

相手が美人だから許すけどな、今更だし。


彼女の言っていた俺が受け入れる、というのは成功したことになるのだろう。

生身の肉体を持って此処に俺が存在しているのが何よりの証拠だ。


結局俺の許可もなく、選択肢は何も無かったが。

それも特に問題無い。

あのまま死んで消えるよりも、生きる機会をもらえて有り難いくらいだ。


痛かったけど怪我が無いのは、俺の中に氷の神(かのじょ)がいて、強い身体に生まれ変わったから、かもしれない。

記憶が曖昧だったのは頭を打ったから、ではなくで肉体を再生してもらった副作用の可能性もある。


人間の脳なんて不思議の塊だ。俺にはよくわからない。

当たっているとは限らないが、とりあえずその辺りで考えを妥協しよう。

考えてもキリが無く、どうせ全ては憶測だ。


それにしても氷の神(かのじょ)の最後の言葉は少し堪える。


「出来れば恨まないで欲しい愛しい人よ、わたくしはいつも貴方の中に」


恨むワケが、無い。

死んだ自分を生き返らせてくれた。恨めって言う方が難しい。


多分あの時にはもう、寿命が尽きそうだったのだろう。最後の挨拶も出来なかった。

せめて指一本ぐらい、可能なら胸でも揉ませて欲しかった。

復活するのに数百年か・・・・・・

もう俺にチャンスないじゃんか。


それでも頑張って生きるから俺の中で見守っていて欲しい。

それでたまには夢にでもまた出てきて欲しい。

出来たらエロい格好で。



しかも最盛期で、老いにくく強いとか言って無かったか? その辺は要確認だ。

正直言葉面が凄すぎて笑えない。

大金持ちとか権力者が大金をかけて追い求める奴じゃん、それ。

悪魔に魂を売ってでも欲しがる奴がいる、絶対。


どう考えても願いを聞くだけでは釣り合わない。


相手が悪魔ならば魂を奪われてたんじゃ無いか?

神様が相手で良かった。

この恩を返すために、俺は必死で氷の神(かのじょ)のお願いを叶えなければならない。

でなければ、信義にもとるって奴だ。

俺は性格的にくずでカスな自覚はある。だが、そんな生き方はしたくない。

恩には恩で返すし、恨み辛みは100倍返しにしたい。

その場合絶対に許さない。

心の狭さには定評がある。


だからこそ氷の神(かのじょ)の為にお願いされたことを果たして上げたい。

いつか目が覚めたときに喜んでくれるように。


座右の銘は

『恵まれた人間にほどこされたときは感謝するだけで良い。

だけどそうで無いものに与えられたときは命をかけろ。』

でいこう。

そう教えられ、育てられた修羅の一族の出身だ。

俺の代でそれ終わらされるために世に出てきた、兄を殺して。


勿論嘘だが。某漫画の設定だ。

だがこの考え方にはしっくりくる。

だから座右の銘に認定しよう。そこを違えるつもりはない。


あの時あの神(かのじょ)は死ぬ直前だった。

どう見ても恵まれた存在には見えなかった。神なのに。


信仰する者もいないと言った。

俺に命を吹き込んでくれた。

自分の寝床の為だとはいえ・・・・


だからこれから、俺の行動の指針は氷の神(かのじょ)の願いを叶えることを第2の目的に動こうと思う。


もちろん第1の目的は俺の幸せだ。

宿主の俺の幸せこそが氷の神(かのじょ)の幸せに決まっている。

意義異論はいっさい認めない。

審議拒否だ。


やることは決めた。



次は氷の神(かのじょ)の言葉を思い出してみる。


早口で色々まくし立てるように喋っていた。

忘れないうちに思い出しながらそれを要約して頭に刻み直していく。



ひとつ。

 

『氷の魔法に目覚めるはず。

氷の神(かのじょ)の魔力を感じられる者を愛せ

共に魔力が育つ。』



んー、よくわからない。氷魔法に目覚めるは読んで字の如くだろう。魔法には興味がある。使えるようにはなりたい。が、これは現在情報が足りなすぎて無理だ。

後半は完全に謎だ、言葉面(ことばつら)なら少しは解らなくも無いが、意味はわからない。

結局これも憶測になる、保留で。




ふたつ。


『氷魔法を使える者はほとんどいない。

信仰が魔法という概念を伸ばす。

戦うしか能の無い。

使い手が増えるほど俺の魔法も増える。

俺が氷の信仰となる。』


これも同じだ。言葉面(ことばつら)はなんとなくわかる。

実地が無いと理解は出来ない。保留その2

戦うしか能が無いのは氷の神(かのじょ)のことなのだろうけど、神としてそれは問題だろうに・・・。

そのまま受け止めるならばだからこそ信仰されなくなったのだろう。

なんか考えると可哀想になる。残念な神様だったのだろうか?



みっつ。


『 子を成せ。なるべくたくさん。

多ければ多いほど可能性が高い。 』


これは解る。おそらくだが俺は生まれ変わったが寿命が延びたわけでは無いのだろう。

長生きしても100年。良くて80年。ただしコレは医療の発達した前世での話だ。


『人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり、一度生を享け、滅せぬもののあるべきか』という信長のあれだ。

戦国の世なら40,50くらいしか生きれていなかったはず。

現代社会(元の世界)よりも戦国時代に近いだろうと予想している。

だからこのくらいの期間(スパン)を元に人生設計したほうが良いかもしれない。


問題は俺が死んだ後、俺の中に眠る彼女がどうなるか、ソコだ。

憶測で考るならば誰か相性の良い宿れる奴に勝手に移るのだろう。

他の人に移る段取り(儀式)とか有るのならそんな大事な事はちゃんと言うはずだ。

・・・・・言うよな?


それすら忘れるようなうっかりさんなら、正直俺にはどうにもならないぞ……。

マジでどじっ子属性ついてた神だったらどうしよう……。

どんなに努力しても台無しじゃねーか。

そこはもう信じるしか無い。


仮に目覚めるまで数百年かかるとして血縁、一族が多い方が都合が良いだろう。

例え寝床として乗り移れなくても、俺が始まりで氷の神(かのじょ)を信仰して彼女の力になるように教育して、後世にも続けさせれば彼女の力になれると思う。

選択肢は多ければ多いほど良い。

保険の意味でな。保険は大事だよ、よーくかんがえよー。

間違って宿ったらそこは自己責任でお願いします。

俺の子孫以外に移った場合()()()()保険は全部消えるので。


つまり神が宿っているこの身体が作った精子くんたちが俺の知らないところで勝手に色々働いてくれる、ハズだ。

俺は女の(ケツ)を追っかけてれば良い。

「もっこりちゃーん」ってな。


もしかしたらふたつめのと掛けて、宗教を作れって言っている可能性もある。

なんかで宗教は金になるとあった、忍者の奴だ。

あれを見る限り金にはならなそうだったが、俺が生きてた世界では宗教=金だった。

人が死んだら金、1年たったら金、3年たったら金、お墓の維持も金金金金金。

盆暮れ正月、金金金。

一考の余地はある。


子作りは大好きだから喜んでやろう。

ありがとう、良い願いです。

とはいえやり捨ては拙いだろうから、生活を先に安定させなければならない。

子供を作るのは簡単だ、だが育てるのは大変だ。


後で俺の次代の神の寝床になってもらう可能性がある以上、作って放置という訳にはいかない。

俺が死んだ後に破産しない程度には教養のある存在に育てておく必要もある。


親父の言う事なんて聞かねーよ、とか言う奴に育ってしまうと俺の中に眠る彼女が困るわけだ。

それは宜しくない。

ちゃんと父親しないとイケないだろう。

なるべくたくさんの子の、な。

外に作った子供が親を追い落とすなんて話、物語じゃ珍しくも無い。

ところがどっこい現実でも無い話じゃない。

気をつけよう。


戦後の産めよ増やせよの時代みたいに子だくさんが推奨されていると良いのだが。

あっちこっち子だくさんならそこまで悪目立ちもしない。

いくら掛かるんだろうなぁ金ぇ。

金の心配のほうが先に来るわ。


だが望むところだ。

今世ではタンポポみたいにあちこちに種をばらまいてやる!




よっつ。


『 神を探せ。

何度か転生している神ならば疑問にも答えられる。

力になってあげて欲しい。

世界から魔法が失われつつある。

器を探す手伝いを。

どの柱を失っても世界は崩壊へと向かう』



というような事を言っていた。

極端な話、このよっつめだけが氷の神(かのじょ)の真なる願いなのだとも言える。

他は受け入れたことの説明、そしてそれを長く維持する方法だとも取れる。

いわばこの願いを叶えるための手段だ。


つまり俺の行動は最終的にここに向かなければならない。


世界の崩壊だぞ、これは絶対駄目だ。

とはいえ国民的人気RPGの横文字の方じゃ無いんだからそーゆうのは俺に押しつけないで欲しかった。


そーゆうのは真面目で一途な熱血漢と相場が決まっている。

俺みたいな金欲、性欲しかないおっさんに振るのはやめて欲しかった。


だからここは聞かなかったことにしよう。



時間制限があるわけじゃ無い。

例えば子供が誰か俺の代わりに神を探してくれても良いわけで、俺が全ての神を見つける必要もない。


そこまでは言われていない。

言わなかっただけの可能性もあるが・・・な。

運が良ければ誰かがなんとかしてくる、そう俺は期待している。


要はそーゆう世界を救うようなのに憧れそうで、子供にそんな教育をしちゃいそうな女の子とイチャラブして子作りすれば良いのだ。

そーすれば後は勝手にやってくれる。

問題は、時に人はそんなを女を〝病んでる〟というのだが。

だが今回は適任だ。

ま、なるようになるだろう。



だがしかし、これである意味俺の一族は修羅の一族の如く宿命を授かってしまったと言える。

しかも子供が絶対受け継げるという保証の無い一子相伝。

他に相性が良い奴が生まれたら全てをそいつに奪われる可能性がある悲しい宿命(さだめ)だ、ここらへんは追々に真剣に考える必要がある。

俺の努力が無駄になるとか悲しすぎるだろ。

そんな悲しみを背負ってもなにも奥義を覚えられない、ポンコツ神拳だぞ。

まだ生まれてもいない子供の事だが、ポッと出の他人よりは幸せになって欲しい。

何しろ俺と氷の神(かのじょ)の都合で一杯作る予定だし。

多少なりとも残してやりたいだろう。

それでも今は家族も親族も血族もいない。

全てここから1人で始めるわけだ。

(たぎ)る。

結構好きだな、こうゆうの。



ここまで考えて至る今後。

それはつまり冒険者として日銭(かね)を稼ぎながら世界のどこかにいる神を探す。

それを行いながら氷の神の信仰を広げ、出会う女の股を積極的に開かせて子供を仕込む、という事になる。

どう取り繕っても悪い奴(カス)だな。

そうゆう男になる方向で考えて行動すれば良いだろう。



では、その為の手段を考えよう。

さすがに考え無しで生きてそうゆう風に生きれるほど根腐れした人間では無い。

目指すのは誰が見ても遊び人の悪い男だ。

男にも女にも嫌われるだろう。悲しすぎる。

出来ればそこまで嫌われない程度に納めたい。

定職に就かず、女のケツばっかり追いかけて、昼間から酒を飲んでブラブラしている。

こんな感じ?成功するビジョンが浮かんでこないよ。


じゃーどうやったら出来るか。

結局俺が考えると物事は全てが金に行き着く。

金が無いとこんなことは出来ない。

金が全てじゃ無いという奴は多い。

だが、世の中金があれば出来ることは多い。

金が無くて出来ない事はもっと多いのだ。

面倒ごとは札束で頬をはたけば良いのだ。

金で雇った悪い人たちにちょっと行ってきてもらえば全て収まる。


つまり世の中は金だ。


それは世界が変わっても変わらないだろう。

問題はこの世界の金という概念がどの程度か、ということになる。

文化的に下手したら物々交換の集落なんかもあるかもしれない。

その場合、最も高く取引されている物が金の代わりになるのだ。


とりあえず情報収集が先だろう。


どちらにしろ、結局は資本を手に入れなければ勝負が出来ないから。


土地

食料

資材

燃料

そして労働力といったところか、

この辺で手に入れやすい物を調べ、金になる扱い方を考える感じになるだろう。


そして最後に権力だ。

ここまで行けばあとは楽勝(チート)モードだ。

得て、傲慢にならず、扱いを間違えさえしなければ勝てる。

どれも持つ者が持てば大きな力、つまり金になるはずだ。どれを狙っても良い。


そしてそれとは別に流通を入れておこう。

そこに確かに在る、なのに気づき難い物だがこれもまた金に変わる重要な要素だ。

難点は費用が他と比べて半端なく掛かることか。

解りにくいようだったら、港や灯台、高速道路や鉄道路線で考えて欲しい。

どれも初期は国家事業レベルの案件だ。

だがそれをこなしたからこそ日本では安価で世界各地の食材が食卓に並んだ。

そこまでは難しいがこの要素を上手く生かしたい。

上手く生かして儲けたい。


では、どれを狙っていくか?


それは今すぐには決められない。

まずは世界を知る必要がある。

戦いの場合なら敵を知り己を知れば危うからずだが、経済の場合はあちこちに火種が埋まっているからな。

まずは先行投資出来るだけの資金を稼ごう。

そのためには金を稼げるだけの技術(うで)がいる。

冒険者ならば冒険者としての腕だろう。


どちらにしろ当面の行動は情報収集がメインになる。講習で自分を鍛えながら。

結論がそこに至ると、結局は何も変わらないことが分かった。

元々講習を頑張って受けながら色々調べて学ぶつもりだったし。

それでも頭の中のモヤが取れてスッキリした。

もしかしたら俺の中の氷の神(かのじょ)が手を貸してくれたのかもしれない。


ありがとう。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 信長の人間五十年は当時の平均寿命などを表した言葉ではありませんよ。 この唄は人間世界の50年間を下天における時間感覚と比較しただけで、人間の寿命が50年であるという訳ではありません。
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