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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
3章  土台作り
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大奥


3番目の彼女になることを了承してくれたマナと今後の事を少し話し、今日は解散した。

ここまで来たら別に焦ることは無い。のんびりやるさ。

じっくり俺好みに仕上げる。急に焦って色々求めるのは悪手だ。

開発するには時間が掛かる。


だが、意外な事にマナの方から距離を詰めてきているように感じた。

ボディタッチが多いのだ、すぐくっついてくるようになった。

不思議に思ったのでちょっとそこは尋ねてみた。


言うのを渋られたが、聞き出したところ、「実は彼氏は欲しかった」らしい。

セレナが好きは本当だが、結構前からその願望は自分の中にあることを感じていたらしい。

思春期は複雑だ。


実家にいたときにガマガエルを潰したような顔のなおっさんの嫁に出されそうになった事で、色々ショックで気持ちが停滞し(壊れ)ていたらしい。

付き合った途端にそれがハッちゃけた感じだろうか?

背の低い女の方が実はエロいという話は、意外と本当かもしれない。

楽しみが増えた。


なんにせよ、泣き顔は収まり笑顔で戻って行ったので良かった。

やっぱり横にいる女は笑っている方がいい。

彼女を見送り、ナードのところへ戻った。



相変わらず隠れているが、ナードの隠密はまだ拙い。

それでもだいぶ上手くはなってきているがスキルはまだだろう。

俺の〝看破〟のスキルにすぐ引っかかる。

俺の看破は変わらずレベル1だ。 1で引っかかる程度だとおそらく会得できないと見てる。

ナードでも誰でも取得してくれれば、看破のスキルも上げる訓練ができるだろう。


近くに行くと、ナードも見つかった事を気づいたようで、すぐに姿を現し声を掛けてきた。



「上手く行ったようだな。」


「ああ、おかげでスムーズにいけた。ありがとうなむっつりナード。」


「・・・・見ていない。

それに俺は断じてむっつりなどでは無い。」


「ハイハイ、普通、男はみんなエロいこと考える生き物だ、気にするな。

だけどマナは俺のだからな、今後はエロい目で見るなよ?」


「言いがかりだ、ボス。

俺はお前の女をそんな目でみたりしない。」


そう言ってナードは手を広げ大げさに首を振る。

どっかの外人かっての。


「つーか、別に彼女に操を立てること無くないか? 一夫多妻が世に許されているんだ。

もう1人2人、お前だって彼女作ればいいだろう。我慢は身体に良くないぞ?」


「・・・・・ 別にイゾウを否定するつもりは無い。

俺に女を揃えて扱うのは難しい。まずは1人でいい。

それ以降は増やすのであれば、自然な流れの中でそうしたい。」


「ふーん、真面目というか何というか。考え方の違いだから別に構わないけどさ。

出来れば俺はお前にも早いとこ子供を作って欲しいけどな。

俺も早く子供が欲しい。

ガキの頃から一緒に育てるってのも面白そうだと思うし。」


出来れば互いの息子にも協力関係になって欲しい。

俺一代で、神の全てを捜す事は難しいと考えている。

出来ることはやるが、次代は次代だ。頑張って欲しい。


「そうか・・・、それは、悪くない話だな。」


「そうそう、言っておくが俺は今後も女を求めるぞ。悪いが手を貸して欲しい。

そうゆうの、あんまり好きじゃ無いんだろうけどさ。


他の奴らには言わなかったが、俺が女を求めるのにも理由がある。

聞くか? 絶対内緒だけどな。」


「ああ、この槍に誓おう。」


「お前・・・俺が氷魔法に誓ったところ聞いてただろ?」


「・・・・・聞いて無い。


聞こえただけだ。」


「それは聞いてるっていうんだよ、まぁ構わないけどよ。

氷の神の話から繋がるんだがな。」


「ああ」


俺は氷の神の寝床が次の代にも必要なこと。

出来れば俺の血縁が可能性的に望ましいこと。

氷の神にもそれを望まれていること。 

可能なら他の神を見つける前に、子供が欲しい事    をナードに話した。



ナードは聞いた後少し考え込んでから、口を開く。



「それは・・・かなり重要なことに思えるのだが、みなを集めたときに何故言わなかった?」


「ああ、重要だろ? だからだよ。

基本的には配下には伝えない、お前だけだ。嫁になってもしばらくは言わないつもりだ。

下手すると後継者争いが起こる、子供を担ぎ上げて内部(なか)で派閥が出来るぞ。

その可能性が捨てきれないうちは他には話さない。


いや、話せない。


例えば、配下の中からそっちを目当てにする女が出てくるとする。

子供は欲しい、だから一見問題無い。


だがな、後継者なんて必要ねーんだよ、俺は当面現役だからな。

いまから考えておく必要はない。

結局の所、俺が死なないと誰に宿るか、分からない話だ。


もしかしたらお前の子に宿るかもしれない、全然関係のない他人に宿るかもしれない。

あくまでも俺の子には、可能性が高いって、()()()()()()だけなんだ。


最悪、子供の中で殺し合いになって数が減る。他にいなければ自分が選ばれると勘違いする奴が出てくる。

俺の子供だぞ?手っ取り早く始末しにかかるに決まっている。そこは絶対の自信がある。」


「む・・・」


ナードを顎に手を添えて考え込んだ。


自分がもし子供の立場ならどうするか? その気持ちになって考えると、この結論にしか辿り着かなかった。悲しいが自分の性格の悪さは理解している。子供も似るだろう。

俺が跡継ぎの立場になったならば、間違い無く他の候補を消しにかかる。


それでは意味が無い。


神は言った、なるべく可能性は多いほうが良いと。

当然だ、()()()()()()()の中から、神の器に選ばれるという話では無いのだから。


問題は他にも有る。

俺の遺伝子が濃い子供が欲しいだけなら子供同士の掛け合いが確実という話になってしまう。

そこまで気づく奴はいないとは思う。だが気づかれたら禁忌に触れようとする奴もいるだろう。

近親交配だけは絶対にまずい。リスクが高すぎる。

特に俺の中で()()が危険だと騒いでいる。

それだけはしたくない。絶対に駄目だ。


では、どうすればいいか。

1番可能性が高いのは死ぬ直前に子供を作ることだろう。

死の間際、その時こそ色々な危機意識が働いて濃く生まれそうだ。

だが死ぬ直前に子供を作っても意味が無い。赤ん坊に神が眠っていても問題が多い。

何より実子と触れあえないでは無いか。当然却下だ。


そうなると結局は産めよ増やせよで、増やしていくしか無い。

子供が孫を産み、孫がさらに子供を作る。ねずみ算だ、どんどん増える。

倍々、ドンだ。 中には独身で通す奴も現れるかもしれないリスクもあるが気にしたら負けだ。


あとは増えた子供の中から、適合する子供が現れることを祈る。


実際のところ跡継ぎなどすぐに必要無い。

無茶をしても何をしても死ぬつもりだけは絶対に無い。

次は最低でも80歳までは生きたい。

100歳まで生きるのもありだ。


組織の後継者なんて俺が老いた頃に必要な話。

当面は自分が先頭に立って頑張らなきゃイケない話だ。


それも20年30年とな。


神の寝床としての後継者は、必要なのは俺が死んだ後。

転生した俺は現在18歳、まだ慌てるような時間じゃ無い。


差し当たって他の神の器を考えて、子供がいたらいいな程度で考えているだけだ。

まだ神を見つけてもいない。

むしろ、子供を連れて行けるようなところに、神がいる可能性は低い。

あくまでも、保険、子供がいたらいいなという話でしか無い。



何よりもこの神の寝床の後継者の話は、考えてみれば、


ハーレムを作るのに有利な話だが

ハーレムを維持するのに不利な話になる。


江戸時代の大奥とかの話は有名だろう。

嫁にその気がなくとも、唆す奴が絶対に現れる。だから



「実際のところ、人を集めれば半分は女が集まる。

あんまりそこを刺激しない方がいいと思ってる。でないと・・・」


「でないと?」


「子供を産んだ女に(ちから)が集まるだろ? そいつの発言が重くなる。

           ・・・悪手だ。」


前世よりも危険が多いこの世界では、男は早く死ぬ確率が高いようだ。

冒険者なんてその典型で、どちらかというと女あまりの世界だ。

だからこそ一夫多妻が許されている。

そうなると男だけに絞って数を集めるのは効率が悪い。

戦える女も多いが、別に戦える必要は無い。

戦えなくとも生産性のある仕事を任せればいい。

金を稼ぐ手段なんていくらでもある。

ただ、コネと軍資金が少し必要なだけだ。

服も食事も生活に関しては、特に色々足りてない。

働いてくれるなら、ガキでもババアでも、女性も歓迎だ。


だからこそ、最初から色恋で餌をぶら下げないほうがいい。


裏の裏はナードとジスナ、そして初期の2人、ノッヒとユーロフに。

裏の〝三ツ目〟 はハーフドワーフ兄弟と犬獣人の奴らに。


当面は押しつ、おっと違った。任せたいのだ。

下手に俺が股間のミサイルで突っついただけの女に発言力を持たせる必要は無い。

邪魔になるだろう。



なによりも、その話は組織が大きくなってから話す方が()()()だ。

今の少数の時より、数が増えてからの方が女を選び放題だ。

その方が楽しい。

今はそれを目標に組織が大きくなるよう励むべきだ。



現状、知っているのはギルドのサブマスたちくらい。彼女たちも口を噤むと言っていた。

余計なことを広め、上から責任を取らされたくないらしい。

だからこそ、師匠達にもこの話は伝えていない。それに、


「多分だけどな、あくまでも俺が、好きになった相手だけだと思うんだよ。」


「何がだ?」


「俺の後の〝神の寝床〟の母親、もしくは祖母、かな。

そう、なれる奴。

俺と氷の神の相性は良いらしいけど、あくまでも俺だけだ。

それって結局、子供は良くて半分だけしか相性良くないわけだ。

だからこそ、母親は俺との相性は良い奴を選ぶべきだ。

そんな欲望全開で、お股を開くような女を、きっと俺の神は選ばない。

多分だけどな。

そんな気がするんだよ、ナード。」


「そうか・・・

イゾウがそう言うなら俺も口を噤むが、だが・・・」


「だが、何だよ?」


「もう少しこう、お前は欲望に忠実に生きていると思っていた。

少し意外だっただけだ。」


「ん、勿論そう生きてるぞ? だたその中で取捨選択をちゃんとしようとしているだけだ。

選択肢はしっかり選ばないと、後々どんどん減っていく。

選択肢ってのは生き物、いや、化け物なんだ。形を変える化け物だ。


そいつに食われると、気づいたときにはもう選べなくなっている。

目の前に突きつけられたモノを、ただ順番に選ぶだけの人生になる。

それが選択肢を間違えた、二度と浮かび上がれない負け犬の人生だ。


良い選択肢ってのは勝者の前にしか現れないからな。


言うのは簡単だろ。 だからこそ今は言わん。俺はそう選択する。

もっと効果的なタイミングで、色々エロエロ準備を整えてから言うさ。ああ、準備は手伝えよな?」



選択肢は大人になるにつれて狭くなる。

小学校から中学校、中学校から高校、 その先は選んだ道で職業が決まる

プロ野球選手になれる奴は、常に野球を選択し続けた奴だけだ。

ロケットのパイロットになれる奴も同じ。

大人になってからは選べない。


言う選択をしたならば、言わない選択は選べない。

言わなければ、いつ言うかを選び続けられる。


なるべく効果的なタイミングで伝えたい。

届け俺の愛の歌、なんてな。



「了解した。準備は任せてくれ、あと」


「ああ、あと?」


「俺もなるべく早く、子供のことを考えておく。」


「・・・・おっ、おう。


くっ、くくくっ、なんだよやっぱりむっつりじゃねーか。

お前も、早くやることやりたい癖に~」


「違う。」


「いーじゃんか、健康な証拠だ。どんな女が好きなんだ?手を貸すぞ?ホレホレ言ってみそ_?」


「うるさい、もう行くぞ。人を待たせている。」


「ん? 誰か待ってるの? 」


「行けば分かる。行くぞ。」


そう言うと、ナードは振り向かずスタスタと歩いて行ってしまった。

少しからかい過ぎたかなと反省しつつ、後を追う。

別にからかうのは止めないけど。

ナードとはそれくらいの冗談の言える仲ではいたいのだ。






















「で、こいつらか。」


「ああ。」


ナードに連れられて向かった先には、ノッヒとユーロフがいた。

そして先ほどマナを苛めていた女たちがいた。



今度は自分たちが逆に囲まれているために、女達は酷く顔色が悪い。

間抜け女どもめ、見逃してやったのに捕まってやんの。


マナが今日、こいつらに囲まれていたのは偶然ではない。

〝サッズ〟の連中が裏で手を引いている。

正確な話としては、この女達がマナを囲む計画をしていることは、幽木女から密告(報告)されていた。


ちょっとそれを煽らせてみただけだ。ちょっとだけな。

新しい配下には女がいる。 彼女たちに少し挑発させただけだ。

どの程度使えるのかを見たかった。


まさか煽ったら直ぐに実行するとはさすがに思っていなかった。

マナがやられているところ連絡してきたのは、元の()派閥の奴だった。今は関係無い奴だ。


あやうく見逃すところだった。間に合って本当に良かった。


人はこれをマッチポンプという。当然自覚している。

自分でマッチで火をつけて、燃えさかったらポンプで消火。


プランBに切り替えた俺がマナを口説き落とすためにやらせたようなものだ。

あくまでもようなもので、俺がやらせたわけでは無いのでご注意願いたい。

あくまでも便乗しただけだ。全部知ってたうえでな。


マナには絶対に言えない。

どんな夫婦にも秘密は付きものだ。真実を知る奴らにはお墓まで持っていってもらいたい。

出ないと俺が墓に放り込まねばならなくなるであろう。



「で? 彼女たち(こいつら)がどーした? 何かすんのか?」


1人はさっきのストリップが脳内にまだ鮮明に思い出せる。

エロいことするなら大歓迎だ。


そう問うと女達は絶望したような顔で震えだした。

それを見てナードが俺の耳元に顔を寄せる。



「お前が潰すと言った2つの派閥、こいつらを使って同時に始末したい。」


同時に? 始末するも何も、2つの派閥のうち1つは彼女たちユリウスのファンクラブだ。

今回のマナの事を含め、さすがに目障りになってきたので今度こそ本気で泣かしに入るつもりだ。

だからこそ今日はこれで見逃すつもりだった。

どうせ近いうちに本格的に攻撃するつもりだし。


「多分だが、洗脳はもう解けてきている。

俺たちもお前の話を聞き、こいつらを見て、洗脳されているって話を真剣に考えるようになった。」


洗脳

これは完全に俺の憶測だ。

ただサブマスに調べてもらった事を聞いて、そう強く思うようになった。

もっと言えば、弱い人間にのみ掛かる洗脳だろう。


魔法の一種と考えれば、無いとは言い切れない話だ。


セレナはおそらく洗脳されている。

本当に洗脳と言っていいかはわからないが、間違い無く悪い影響を受けている。


そして何故か、そんな奴がユリウスのファンクラブには一杯いる。

俺が痛い目にあわせた、なのにまだ、刃向かう女が一杯いる。

1番おかしいのは当のユリウスが止めてもなお、継続しているということだ。

これは絶対におかしい。


ユリウス以外の誰かの命令を聞いている感じがある。


幽木女こと パメラ がそうだった。

パメラ曰く、俺にぶっ飛ばされてから頭の中の(モヤ)が晴れたようにスッキリしたらしい。

あれ以降、あの女は、明らかにユリウスに固執しなくなっている。


この洗脳という結論には「なんかあいつらみんな洗脳されたみたいに、同じ事しか言わなくなっちまったんだ」というパメラの発言で思い至っている。

俺の主観では、顔が良く将来性のあるユリウスにのぼせ上がった馬鹿女ども、としか思えなかっただろう。興味無い女には本当に興味がわかないのだ。


だからこそ個人的にはどうでも良い。洗脳されていようがいまいが、どっちでも良かった。

俺はセレナの洗脳だけ、解ければ良かった。



のだが、こいつらも解けかかっている、か。

ならば一考の余地はある。俺は考えないけど。


「ふーん、まぁいいか。

じゃ、任せるよナードに。どうするの?」


「勿論洗脳を解いてからだが、彼女たちを仲間に入れたい。」


「ふむふむ。それは任せるけど、どこに所属(いれ)るんだ?」


「サッズだ。パメラがそうだが、洗脳さえ解けてしまえばそれなりに使えるだろう?」


パメラは弱みを握っている。

つもりだったが、ユリウスの事が冷めてきているので、そこまで弱みは使えなくなった。


なのでそこまで信用はしていない。

サッズにも入れるつもりは無く、先日も呼ばなかった。

ユリウスのファンクラブの情報が少し入ればいいと思っていた。


だが、今のところ素直にスパイを続けている。

窓口は当然ナードに任せている。 俺もそこそこ会話はするが特におかしいところは無くなった。

実際のところ、馬鹿女の動きがわかるのでかなり便利ではある。


ゆえの判断だろう。あんなのがもう数人欲しいわけだ。


言いなりになる女か、有りだと思います。

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