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異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
3章  土台作り
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3人目



「あそこだ。」


呼びに来たナードに連れられてその場所に向かうと、3人の女が1人の女を取り囲んで責めている。

既に見慣れた光景だ。転生したこの世界では珍しい光景でも無い。

この初心者講習でもよくある話だ。アンテナさえ張ってればあちこちで頻繁に起きていることに気づく。


男と良く話していただけの女、そこに恋愛感情がある必要は無い。

それを気に入らない女が仲間を集めて取り囲んで責めているだけだ。

弱肉強食の意識が強いこの世界では極めて普通の事だ。

恋愛は戦いだ。戦わない奴に春は来ない。



俺の中ではこれは、許している男の方に問題がある。知っていようが気づいていなかろうが関係無い。

男が悪いのだ。


確実に強い(と、思われている)男の彼女にはこの手の揉め事は絶対に起きない。

絡まれている女の、傘が駄目な傘なのだ。

異世界では安物の傘じゃ、雨もろくに凌げやしない。



例えばライアスの彼女。

彼女は他の女に囲まれるということは今の所一度も起きていない。


彼女自身がそれなりに強いこともあるが、それ以上にライアスの傘の下にいる事が大きい。

講習生内で最大の派閥を率いるライアスの女に絡むほどの気概の馬鹿女はいないのだ。


後は男の側に分別があれば、弱くても揉め事はおきない。

だが、そううまくも行かないのが恋の空模様だ。



所詮は冒険者を育成する講習だ。その中で苛められやすいのは冒険者に向いていないタイプである確率が高い。男も女も向いてないことを続けるのはしんどい。


今、目の前で囲まれている女はその典型だ。

ナードが呼びに来たということは当然、俺の関係者になる。

彼女が女に囲まれているのはを助けに入るのはこれで4度目になる。


初期の派閥結成以降、彼女が困っているところを見かけたら必ず俺を呼ぶように伝えてあった。

今回もその絡みで、ナードまで話が来たらしい。


「どうする?」


「当然、行くよ。見つけたなら仕方在るまい。

俺だけでいいさ。

お前は田舎に彼女がいるんだから他の女は助けなくてよろしい、そうゆうのは基本俺な。

ああ、だけど今後は、他の女ならだれか派閥の他の奴にも廻してやることにしよう。

マナは俺担当なのは譲らないけど。」


「分かっている。しかし派手にやっているな。」


「ああ、激しいねぇ。上半身引きちぎられて殆ど丸見えじゃないか、眼福だな。

・・・・おっと、あんまり見るなよな、彼女さんにチクるぞ?」


横目でじろりとナードを睨む。ナードは慌てて顔を背けた。


「・・・・見ていない。確認しただけだ。

だから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・余計なことは言うなよ!?」


「いや、それ、絶対見てるじゃねーか・・・」


「・・・早く行ってやったほうがいいんじゃないか?」


「焦らしてるんだよ。」


お前をな、と言葉は続く、あえて声には出さないが。

そうナードとのんびり眺めているが、今 目の前でやられているのはマナだ。

マナは、セレナに連れられユリウスのファンクラブと行動するようになって、この手の嫌がらせに頻繁にあうようになった。

当然セレナは知らない。今までのことは全部、俺が揉み潰している。


やられる理由も単純(シンプル)で分かりやすい。


ユリウスがマナを講師から庇っていたからだ。

そしてユリウスは今も、講師に襲われ掛けたマナを気に掛けて積極的に声をかけている。

そのせいでマナが被害に遭っていることをユリウスも知らない。

俺の方もあえて、伝えていない。


セレナが標的になることはまず無い。

女子の中では比較的体が大きいことと、元々俺が近くにいたからだ。

俺とセレナが親しく、マナが俺を嫌っていたのは、講習生内ではそれなりに有名な話だ。


どうもマナを囲んでも俺が怒らないと思われているらしい。

何度も助けに入ったが、そのたびに不思議な者を見るような顔をされた。


おかげで同じ女にやられることは無いが、マナは悪循環の中にいる。

性格的にも体格的にも恨まれやすく、手が出しやすく、よく囲まれてしまっている。


今回も思ったよりも早かった。そう考えながらその光景を眺めた。

すぐに助けに入ってもいいが、それではマナの意志は変わらないだろう。


今回は少し話がしたい。

ある程度やられてからのほうがいいだろう。


そう考えていたが、囲んでいる女の方が少し危うくなっているのを感じた。

喚き散らす女の声がかなりエスカレートしてきている。

おそらく零れ聞こえる限りでは、マナがユリウスのことを「私は何とも思っていない」と 宣言した(言った)からだろう。

多分偽らぬマナの本心なのだろうが、ユリウスが好きな女に対しそれは悪手だ。


仕方無くそろそろ割り入ることにする。


「やれやれ」


そう言いながら体を起こし、マナのところへと向かう。

ナードはスッと、身体を隠し、どこかに消えていった。

隠れて覗き見するのだろう。

状況を見ているのか、ひん剥かれるマナを見るのか


「あいつ絶対むっつりだよな~」


性欲の無い男などいない。おそらく後者だろう。

マナは背が低く、幼い顔をしているが美少女系で、身体はグラマラスだ。出るところはしっかり出て、凹むところはへこんでいる。

どこかのロリババアとは身体が違う。あっちは真っ平らだ(多分)

田舎に彼女がいる、とは言っても目が奪われるのは仕方が無いだろう。アレでアイツも思春期の男の子だ。


(誰かに譲ってやる気はねぇけど。)


俺に対しては生意気だったがマナはモテる女だ。講習開始前はえーたに。講習開始後は講師に。

さらに前はどっかの商人に。

俺が知らないだけで、気がある男は他にいるだろう。

少し悪態を吐かれたくらいで放り出すほど、マナは俺にとって安い女じゃない。

セレナとセットで俺のものだ。












〝隠密〟のスキルを使いコッソリ近づく、女達の後ろに回り声をあげた。


「はーい、そこまで。マナを解放しなさい。」


「「「 イ、 イゾウ !! 」」」


女達は一斉に振り向き、今日に姿を現した俺を化け物でも見るような目で見た。

全く失礼な奴らだ。


「おいおい、呼び捨てか? 」


ギロリと睨み付けてそう言うと、女達は下を向いた。

その女の向こうに見えるマナの身体が艶めかしい。

手で必死で隠してはいるが、その身体にふさわしくない大きめの胸は、小さな身体から生える細い腕では隠せていない。予想はしていたが、想像以上で嬉しくなる。


囲んでいた3人の女は、全員が見覚えがある、当然といえば当然だ。

任務前に、水魔法で昇天させようとした女達だ。あの時とは1人2人、面子が足りていないが。

いない奴は少しは懲りたのだろうか? きっと馬鹿だからそれは無い。



「楽しそうなことしてるじゃん、俺も混ぜてくれよ。

俺をお前らが脱がすのと、俺がお前らを真っ裸に剥くのと・・・・

どっちがいい? どっちが楽しい? なぁ・・・どっちにするよ?」


これは偽らぬ本心で言った。遊んでくれるなら見逃しても良いと思っている。

脱がしっことか絶対楽しいだろう、是非一緒に遊んで欲しい。

永久に俺が王様の、王様ゲームだ。


だが女は全員、絶対に目を合わせないような態度で下を向く。

後ろにいるマナもだった。


これには少しショックを受けた。 冗談だったのに。

いやほんとに、一応・・・冗談だったんだよ?

そんなこと受け入れてくれるとは思って無いし。


心の中で少し悲しんでいると1人の女が下を向きながら口を開く。


「あ、あんたにっ、にはっかっ、かんけ」

「ん~あんた?」


「ひっ」


どもるのに苛ついてつい声を荒げてしまう。相手は怯えて口を噤んでしまった。

そこまで威嚇するつもりは無かったのだが、怯えて話しが進まない。

「何?」と続きを促すと、震えながら声を出した。


「イ、イゾウ、さん、にはっかん、関係無い話です、っよね?

わた、わたしたちと、彼女の、話で、ですよね?」


なんでそこまで怯えているんだお前は? と思いつつ、返事を返す。

まぁ俺が前に痛めつけたからだろうけど。


「本気で言ってるのか?いじめっこさんたち。

見て見ぬ振りすると思う? 俺が任務の時、マナを助けに行って懲罰房にぶち込まれた話、まさか聞いたことないのか? 助けにくるに決まってるだろうに。」


「い、苛めてたわけじゃあり、ありません。

そっそれに、助けに行ったのはセレナ、セレナさんのほうじゃ」


ん~? ああ、なるほど。

俺が飛び出したのはセレナを助けに行ったから。マナはおまけ。

こいつらから見るとそんな認識なのか。


マナは助けないとかそんな事するわけないだろうに。

むしろ、マナだけが消えたとしても、俺は必死で探しに行っただろう。

でなければ()()()()()をしたりしない。


「おいおい苛めてたつもりは無い?それは嘘だよな?まだ続けるなら俺はお前らを苛めちゃうぞ?

くくくっ、今黙って消えるなら、忘れてもいいけど・・・? 


それとも本当に裸に剥かれないと理解出来ないか?

どうする? 俺、参加してもいいけどさ?」


「くっ・・・・」


不満がありありと顔に滲み出ながらも、女達は撤退を選んだ。

マナの前であんまりやり過ぎても評価が下がる。

仕方無く今日の所は見逃してやる。


つもりだった。

だが残念、やっぱり止めて引き留めた。

ギルドから支給された講習用のぬののふく、の上着。それがボロボロに引き裂かれているのを見て気が変わった。


「ちょっと待った。さすがにこれはやり過ぎだ。誰か着てる服をよこせよ。

俺の服をマナに着せてもいいが、さすがにサイズが違いすぎて色々丸見えだ、酷いことになる。

お前ら、支給品以外にも着込んでるんだ、支給品の服くらい置いてけよ、別に問題ねぇだろ?」


そう言って、女のだれか1人に着ている〝ぬののふく〟を寄越せと迫る。


完全に真っ裸でここに放り込まれた俺や、家から逃げて来たマナなんかは、予備の服をあまり持っていない。

それに比べてこいつらは、支給品の上にも1枚服を羽織っているくらいだ、俺たちよりは少しは余裕が有るのだろう。

肌着扱いしてるなら、支給品のぬののふくくらいいただいても問題無いだろう。


マナの服を引き裂いて脱がしたのはこいつらの落ち度だ。

俺が来なかったらその格好で晒し者にでもするつもりだったのか?

そう考えるとさらに腹が立つ。


いつも通り俺の服を脱いで渡してもいいが、サイズが違いすぎて微妙だ。

180センチの俺、150センチを切るマナ。 

エロくて良いけどな。


それで部屋に戻らせるのは正直微妙なところだ。

マナが突然俺のサイズの服を着て帰ってきたら、何かあったなんて分かる奴には分かる。

ここにいないセレナにでも見られる事をマナも嫌がるだろう。


マナと体格の合いそうな、その中で1番背の低い女を選び、目の前で脱ぐように強要する。

背が低い割に、こいつもまた発育が良く眼福だった。


「お願いします、物陰で、物陰で、」でと泣きつかれたが、ガンとして聞かない。

「いいからさ、早くしろよ」と言ったあとの絶望した顔は物凄くそそられた。

少しだけ可哀想だと思わ無くも無いが、そもそもお前らがマナの服を引きちぎったんだ。

ザマーミロと思って楽しんだ。


半泣きで脱ぐ姿はサドっ気を擽られて、危ないところだったが。

目的を忘れて押し倒してやりたくなった。


脱いだ服を受け取ってマナに渡す。

一瞬匂いを嗅いでからという考えが頭をよぎったが、理性が勝った。

マナに「イゾウ・・・変態」とか言われそうだ。

それはそれでそそられるが、今日の所はマナのポイントを稼ぎたい。


女たちを解放し、「後ろを向いてるから、着て」と言って、マナに着衣を促した。

これから仕上げに入るのに半裸はまずいよ、半裸は。

抑制が効かなくなってしまう。

後ろを向いてしばし我慢だ。


「着た、こっち向いていいよ」


と言うマナの声で向き直り、水魔法で、引っ張られたときにできたであろう引っ掻き傷を治してやった。


「うぅ・・・・どうして? どうして私ばっかり!」


治療が済むと、マナは大粒の涙をこぼして泣き出した。

その顔に少し心が痛む。すぐ助けなくて御免ね・・・


背中をさすって泣き止むのを待った。


台風が来てますね。

進路上にお住まいの方はお気をつけ下さい。なによりも命優先で。

最近は本当に、台風の威力が激しいです。

油断せず、注意してください。

間違っても、川でBBQなんて、誘われても絶対に行かないようにm(_ _)m 

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