表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界(この世)は戦場、金と暴力が俺の実弾(武器)  作者: 木虎海人
序章 この世は戦場、小金持ちは悪人の鴨と葱
1/196

金に生きて金に死ぬ



『テンバガー』という言葉を知っているだろうか。



株取引をするものなら知っているかもしれない。

10倍株という意味で、その名の通り10倍に値上がった株のことだ。

たかが10倍かと思うかもしれないが10倍になる株を探すことはとても難しい。

例えば10円の株が100円になったところで差額は90円でしかない。

しかし1,000円の株が10,000円になったらどうだろう?

利益は9000円。と思った?

残念外れだ。株取引は単元という取引区分があって、基本の単元は100株単位の取引が推奨されている。

勿論違うのもある。1株だったり1000株だったり、銘柄ごとに分けられているのだが今は100株に調整されるようになっている。


つまり利益は9,000 × 100 = 900,000   90万円になる。

そこから税金なんかを引かれるからもっと減るわけだがな。

株取引の税金は利益の2割なんだがそれを計算すると夢が無いので今は計算しないことにする。

それでも90万だろ?と金持ちなら思うかもしれないが。


違う、この100株ってのは取引をする最低単元なんだ。

100株しか買ってはいけない訳ではないのだ。

持ってる奴は1,000株でも10,000株でも持てる。

大株主って言われる人間の存在を知ってるだろう?

株式会社という区分の会社ではな、社長より大株主のが強いんだぜ。

最もその会社の発行している株券を%単位で持ってないといけないけどな。

そんな連中は何十万株何百万株って単位で持ってるわけだ。


俺は個人投資家って奴だったから何十万株も持ってたわけじゃ無かった。

仕事をする傍ら、片手間に貯蓄のつもりで株をやっていたんだ。

なにしろ今は銀行に預けても1%も利益つかない時代だ。なのに手数料はガンガン取られる。

100万円を銀行に預けても1万円の利益になることはない。500円つけばまだマシだ。

それなのに手数料、手数料、手数料だぞ。やれ時間外だ、振り込みだ、他行宛てだ。

それが株なら倍になることもある。ただし買った会社が倒産でもすればその株券は0円になるが。

貯金とは別に余剰資金で始めた株取引だったが気づけば貯金より株に使う金額のが多かった。

貯金は自分が預けた分しか増えないけど株での取引なら少しずつだけど利益が出ていた。



そんな俺の目標がテンバガーだった。

ただしそれは株取引をする上での目標で人生の目標じゃ無かったはずだった。

250円で2,000株。当時お手頃だと思ったんでボーナスの分をぶち込んで買った、独身だった事もあって自由に使えたんだ。

それが一年で500円になった。50万が100万だ。すげーだろ、気をよくした俺はさらにボーナスを突っ込んで500円でさらに2,000株買った。

好きな商品を作る会社の株だったからな。応援と貯蓄両方の意味を持って買ったんだ。

株主優待も魅力的だったしな。



そこから10年、結婚することになって、子供が出来たりして、変わっていく生活に四苦八苦していた。

持っている株のことは配当金が振り込まれる美味しい貯金くらいにしか思ってなかった。

値段も上下することはあったけどそこまで大きく崩れなかった。

知ってるか結婚前の財産は夫婦の共有の財産じゃないんだ。

個人の財産なんだ、だから女房にも株をやってることは教えたが、内容は細かく伝えずにいた。

ちなみに個人の財産だが死んだら当然相続される。夫婦になった場合は半分が相続対象だ注意してくれ。



ある日確認したその株価は10,000円を超えてたんだ。

慌てて全部処分した。

だって10,000円なんて価値その株には無いと思ってたから。

好きなモノを作ってる会社なのにおかしいだろ?でも俺が気に入ってるモノとは別のモノが大ヒットしてな。もうそのヒットした品物、それ一色の会社になっちゃってなんかすげー悲しかったんだ。


しばらくすると株価は大暴落した。

そんな勝ち逃げかましたこの取引は俺の武勇伝になった。


株をやるに当って本を読んだり講演を聞きに行ったり色々やってきた。

その一つにSNSで株取引をする人間のサークルに参加したりもしていた。

株取引という同じ戦場で戦う仲間たち、盛り上がらないわけがなかった。

情報交換をしたり息抜きをしたり、上手くやっていたと思ってたんだ。


勘違いしていたんだ。


それは人生二度目のテンバガーを達成した後だ。

そのSNSの株取引のサークルに混じっていた男に売られ

裏家業の男達に俺は殺された。



俺の人生は40歳でその幕を閉じたはずだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] よく分かんないけど
[一言] 「そのSNSの株取引のサークルに混じっていた男に売られ裏家業の男達に俺は殺された」 この意味がわかりません。何を売られたのでしょうか。そして、なぜ殺されたのか、全く分かりません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ