異世界転移、そして新しい仲間が出来る
ここから異世界での話が始まります。
俺とリンを包んでいた光が消えて、目の前の風景が見えてきた。
「おぉー、広いな。これが異世界か」
「わぁー!見て見て、野原だよ!花も咲いてるー!」
目の前に広がるのは一面野原。
所々綺麗な花が咲いている。
異世界に来たんだな。
リンもはしゃいで野原を駆け回ってる。
「リン、身体は大丈夫かい?しんどくないか?」
「うん!全然平気だよ!走っても飛び跳ねても全然しんどくならないの!」
良かった、新しい身体は大丈夫のようだ。
…なんか泣けてくるな。
リンが走ったり、飛び跳ねてたりしてる姿を見れるなんて夢みたいだな。
…グスン。
「どうしたの、お兄ちゃん?どこか痛いの?」
リンがあたふたして駆け寄って来ていた。
「大丈夫、痛い所はないよ。ただリンの元気な姿が見れて感慨にふけっていただけだよ」
「もうー、大丈夫だよー。アシュリーも健康な身体にしてくれるって言ってくれてたし。私はこの通り、元気百パーセントだよ!」
腕まくりして力こぶをつくって元気アピールしている。
相変わらず可愛いな。
それにしてもアシュリーには感謝しても足りないな。
今度会うことがあれば何かお礼をしたい。
「リン、これから神獣召喚を行うから側においで」
「うん。可愛い神獣さんがいいなぁ」
「そうだね。俺も神獣に会えるの楽しみだよ」
「アシュリーに教えてもらったやり方覚えてる?」
「あぁ、覚えているよ」
ーーー転移前。
「湊人。お主にはギフトの使い方を教えておくぞ。お主の使うギフトは使用型ギフトと言って、唱えないと使えないんじゃよ」
「ん?凛と同じで唱えなくても使えるんじゃないのか?」
「うむ。普通は生まれてくる前にギフトを授けると成長していくうちにギフトの使い方が分かるんじゃが、湊人のように途中で授けると使用方法を教えんといけんのじゃよ」
「分かった。んで、何て唱えるんだ?」
「うむ。では唱えるから聞いておくんじゃぞ。ー我、“神獣を召喚する者”、ミナト・ミヤウチが願う。女神アシュリーと契約している神獣よ、我の願いを聞き届け、召喚に応じよ。ーじゃ、分かったか?んで、名前を付けると契約が完了するんじゃけども、ここでも唱えなければならないんじゃ。ー我の召喚に応じる神獣よ、“◯◯”の名を授ける。ーこれで終わりじゃ。長いが分かったかのぉ?」
じゃあ、始めるか。
「ー我、“神獣を召喚する者”、ミナト・ミヤウチが願う。女神アシュリーと契約している神獣よ、我の願いを聞き届け、召喚に応じよ。ー」
唱え終わると目の前が光に包まれた。
「ー我を呼ぶのは誰だ?」
声が聞こえたと思ったら光が消えた。
そこには、そこには白銀の美しい毛並みに鋭い爪をした体長二メートルくらいの犬がいた。
「…あぁ、俺が呼んだ。名前はミナトだ。よろしく頼む。ーで、名前を付けたら契約完了だよな?」
「あぁ、そうだ。どうせつけるならカッコ良い名前にしてくれ」
名前か…犬が出てくると思わなかったが、アシュリーが契約している神獣だし強いよな…たぶん。
「あぁー!わんちゃんだ!」
バフンッ
「もふもふしてて気持ちいいね!」
リンは犬に向かってタックル並みに飛びついている。
「…!?我は犬ではない!フェンリルであるぞ!」
えっ、犬じゃなくてフェンリル!?
ゲームとかで出てくるあの有名なやつか!?
てか、リンはフェンリルの毛並みで遊んでるし、もう仲良くなっているみたいだ。
「…名前だが、フェンリルの“フェン”でどうだ?」
「…安直だな。まぁ、良い。この娘に免じて許可してやる」
フェンリルはリンに毛並みで遊ばれて気持ち良さそうにしている。
「ー我の召喚に応じる神獣よ、“フェン”の名を授ける。ー」
そう唱えると俺とフェンリルが一瞬光った。
「これで終わりか?」
「そうだ。これから頼むぞ。我が主人よ」
「主人は辞めてくれ。ミナトで良い」
「分かった。ミナト、よろしく頼む。で、この娘は誰だ?」
「あぁ、俺の妹のー」
「リン、だよ!!よろしくね、フェン!!これから一緒に世界を旅行していく仲間だね!!」
リンがフェンの顔に近づいて言った。
「てなわけで、こっちはリンだ。よろしく頼む」
「分かった。これからよろしく頼むな、ミナト、リン」
こうしてフェンリルのフェンが仲間になった。