妹との再会
「…いちゃん、起き…、おに…ん」
なんだか頬をペチペチと叩かれている。
それになんだか懐かしい感じの声が聞こえる。
「お兄ちゃん、起きて、お兄ちゃん」
目を開けると凛が俺の顔を覗き込んで頬を叩いてる。
目尻に雫を溜めて今にも泣きそうな顔だ。
「り…ん…?」
「!?お兄…ちゃん…よかったぁ…お兄ちゃ…んに会え…たよぉ」
目尻に溜まっていた雫が凛の頬を伝い、俺の頬に落ちてくる。
あぁ、凛だ。
凛に会えたんだ。
「おぉ!やっと目が覚めたようじゃのう」
未だに凛が泣いているので、頬を拭ってやると、嬉しそうに少しはにかんだ。
「ごわがっだよぉ…いぎもでぎなくで…ぐるじくて…おにぃぢゃんがいなぐで…」
そうだ。
凛は危篤で、それを聞いた俺は病院に向かっていた途中に事故に巻き込まれたんだった。
「無事かい?痛い所はないかい?」
凛の頬に手を当てたり、凛の手に手を添えたりして落ち着かせる。
「ごめんな。怖かったな。側にいてやれなくて…ごめん」
首を左右に振り涙を拭って、泣き止もうとしている。
「ううん…お兄ちゃんに会いたいと思って、今会えたから大丈夫だよ」
「もしもーし、聞いておるかのう?」
あぁ、天使だ。
こんなにも健気で優しく微笑んでいる凛を天使と言わずなんと言おう。
「ありがとう、凛。俺も凛と会えて嬉しいよ」
頭を撫でていると、凛も俺の頭を撫でて微笑んでいる。
「…これはあれか、無視というやつか?」
「凛、何かして欲しいことはないかい?」
「ううん、このまま頭を撫でてくれてるだけで嬉しいよ」
「そっか、分かった」
「…うん」
この時間が続いてくれたら良いのに。
「あのー、そろそろ妾に気づいて欲しいのじゃが。」
突如声がした方に顔を向けると、そこには長椅子にあぐらをかいて座っている女の子がいた。
えっ?
誰?