死にゆく君へ贈るうた
さよなら。さよなら。
日傘にさす木漏れ日が、いずれ途切れてしまうように、
どんだけ美しい君だって、
さよならするときが来るよ。
生きてるときは無限に生きているような気がする。
誰か殺されたとしても、明日も僕は生きている。
そう思い込んでいるし、実際大抵はそうだ。
新聞は今日も発行されて、ニュースでは今日も叫び声が高らかに放送されている。
だから明日も明後日も百年後も生きている。
今一瞬が無限に続くような気がしている。
でも、でも、
さよなら。さよなら。
必ず終わりは来て、
その瞬間に悟るんだ、
無限に生きていることは残酷だ。
何も無いことがないように、
全てあることは無い。
必ず世界は終わる。
新聞は発行されなくなるし、ニュースは静かになってしまう。
そして昼下がりの永続性の中で終わりを迎えられたらいい。
死の夢の中で、途切れない木漏れ日の中を歩いていく。
ステップを踏みながら。
もうすぐ世界は終わるだろう。
君の中で世界は終わってしまうだろう。
残された人じゃなくて、
死んだ人が一番寂しいに決まっている。
大好きだったお店とも、
花も、鳥も、猫も、
周りの愛しい人たちとも、
一度にみんなお別れで、
一生のうちに別れた数より多く別れる。
だから寂しくて幽霊になって戻ってきてしまうに違いない。
君も寂しかったら戻っておいで。
さよなら。さよなら。
死にゆく君へ贈るうた。
元気でね。
太陽と木のあるかぎり木漏れ日があるように、
君が信じる限り世界はあるから。
いつか死んでしまう系学生きらすけです。
無限な気がするけど死んじゃうんですよね。