第四話 白と黒
「友達を生き返らせれる?なぁ、知ってるか?人ってのは生き返らないもんなんだぜ。たとえ人を殺したとしても」
「いやいや、もしかしたら生き返るかもしれないよ〜?今から君たちは私に利用されて異世界に飛ばされる。
そこで仲間たちと私の指示どうりに働けばいいのさ。簡単だろ?」
そんなことを言いながら自称神様はニコニコと話を進めている。
まるで俺が絶対に言うことを聞くと、そう確信しているように。
「さらにその異世界ってのがまずおかしい。俺が暮らしてたのは科学的なのどかな国でしたんでね。そしてもう一つ聞きたいことがある。君たちとは誰だ?まさか俺以外もいるのか?」
「そのまさか、もうすでに君のお仲間さんには飛んでもらっているよ。まあ、お仲間さん以外にもたくさんの人を飛ばしたけど、いずれも接点はあるはずだから。」
接点はある。
それは簡単に言えば俺たちと同じ殺人者か、俺らと深い関わりを持つものと解釈すればいいのだろうか。
しかし、俺と深い接点を持った仲間....だいたい10人はいるな。
「まあまあ、そう深く考えるもんじゃないよ。じゃあクイズ形式でいってみる?」
「クイズね。正直に言えばこんな緊張感のない会話を今するべきではないと思うが....やむおえんか....仲間の情報は知っておきたい。」
緊張と、かすかな和やかさが入り混じるこの空間
いや、緊張しているのは俺だけかもしれないが....
「第1問目!!彼は言いました。『あいつを生き返らせる....か。私に利益があるか否か....しかし、ここは貴様の提案を飲むのも一つの手かもしれないな。ここで立ち止まる暇は私にはないのでな。』っと、正解わかった?』
「一人称が私、という時点でわかった....答え、霞雨 神威 どうだ?正解だろう?」
「正解!!いやーあの子は飲み込みが早くて助かったよ〜。そしてなんであの子、男なのに一人称が私なんだろ?まあいいか!!」
霞雨 神威....やはり入ってきたか....しかしまあ、いい人材といえばいい人材だ。
あいつの優秀さは尋常じゃない。
「第2問!!彼は言いました。『そこでバスケはできますか〜?』と....」
「まさかあのバスケ大好きマンもいんのか、正解....えーと苗字を忘れたが忘れたが!!春香!!」
「友人の名前を忘れるなよ〜かわいそうだろ。」
だってわっかんねーだもん。
俺は名前だけわかれば問題ナッシングな人間だからなー
「第3問!!彼女は言いました。『そこで研究や開発、観光できますか〜?』と」
「まさかあの研究女もきてんのかよ....名前は、時津風 時雨、あってるよな?」
「まあ、正解なんだけれども....研究女って....そんなに好きなの?研究....」
「好きを通り越して恋人」
実際にそうなのである。
しかしこのメンツとなると最後は....
「第4問!!彼女は言いました。『....私は助けられるならどこへでも行くわ。たとえそれが地獄でも。』っと」
「やはりか....できれば顔を合わせたくないな....いや、合わせられないの間違いか。そいつの名前は紅月 シャリー....そうだろ?」
「まあ、そういうことさ。あの子の声はすごい平坦だったね〜無感情っていうか。」
無感情ね。
まあ、いつかは顔を合わせなければならないんだ。
それが、早いか遅いかの違いか....
「他はいるのか?いるにはいるけど、君が知らない人間だよ。知ってるのは神威くんだけだよ。」
「軍の人間か?」
「さあね?そんなのは私には関係のないこと....さて、そろそろだなぁ。」
そう言葉を紡いだ瞬間いきなり視界が真っ暗になり、少女だけが映る状態になった。
相変わらずニコニコしながらこちらを見ている。
余裕の表情で、まるで勝ったかのような。
「おい!!これはどういうことだ!!」
「時間がきた。ただそれだけだよ。何か問題でも?」
「問題しかねぇ!!俺は向こうの世界にはいかねーんだよ!!....さてはお前、今までのは時間稼ぎだな!!
ここまで持ってくるための!!」
「さてさて、それはどうでしょう。まっ、頑張ってくれたまへ。青龍くん♪」
そう、少女が言った瞬間重力に引かれるかのように下に落ちている感覚に襲われる。
そしてだんだん意識はなくなっていき、目の前は真っ暗になった。
「青龍ね〜ふふっ♪興味深いな〜言い忘れてたけど私の名前はレイっていうんだ。よろしくね。」
最後にそう言い残し少女は消えていった。