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ネタバレ

少々分かりにくい所もあったので本当に軽く説明していきます。


このネタバレは小説を二度三度、読み返しても分からなかった場合にお読みください。


 最後、マンションの屋上から飛び降りて自殺をしようとした主人公。



 その時、



『温かく、柔らかい何かが俺の手を握った。』



 とありますが、これは多くの人が分かったと思います。綾香の手のひらです。



 本文4ページ、綾香がこんな言葉を残しています。



『…私、ずっと一緒にいるからね』



 ほぼ言葉の意味通り、綾香は"部屋にいたんです"。



 同じく4ページ、5ページで主人公は酒を探し、テーブルに向かいますがテーブルの上に酒はありませんでした。



 そして6ページの最後の文。



『次の瞬間、何もかもが停止した。視界は元のこと、思考や意識でさえも』



 これはもちろん、意識を手放した事を意味します。つまり、"寝た"ということですね。



 そして次のページ、7ページ。



 こんな文があります。



『体に羽織られている毛布を脱ぎ捨て、テーブルの上にあった重量感のある一つの缶を手に取り、喉に流し込む』



 6ページで体に毛布を羽織った文はありません。尚、テーブルの上に本当は缶があるはずがないのです。



 このようなことから、誰かが主人公の体に毛布をかけ、テーブルの上に缶を置いたことが分かりますね。



 察しの良い方はこれを読む前に気付いていたと思います。ありがとうございます。



 そして最後のページ。10ページですね。


『その瞬間、声が響いた。』

『「無事確保ーーーーーーー!!」』

『男性の野太く、大きい声が響き渡る。』



とありますが、これもやっぱり察しの良い方は分かっているのではないのでしょうか。



 この野太い声のお方、警察のお方です。



「は?なんで警察?」と思う方がいると思いますが、この小説は主人公の心境と行動がほぼ占めています。



 綾香がその間、何をしていたのか――。これでもう想像はついたと思います。



 綾香は全て予想していたということです。主人公が自殺しようとすること、自殺しようとする為にマンションの最上階を選ぶことを。



 その場所でさえも。



 その全てを理解していた上で警察に協力してもらい、なんていうんでしょうか?



 めちゃくちゃふわっふわそうなマットを用意していた、ということですね。



 リアルじゃできないと面ますが小説だからこそです。お許し下さい。



 以上、ネタバレでした。

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