三話
槍の穂先を向けてくる兵士に拓は警告した。
「それ下げなきゃ、この国吹っ飛ぶよ♪、と言うか吹っ飛ばすよ♪」
その言葉に絶句する他ないアル爺以外は、あまりの宣言に驚愕した。
しかし、兵士達はアル爺にも目をやらず、冷や汗を浮かべながらも武器を下げなかった。
その意図を汲み上げた拓は少しばかり、ほんの少しばかりイラッとした。
(ほう、ハッタリだと思ってやがるな?ちっとばかし試してみたくなるな~)
そんな事を思い、行動に移そうとしたが―――
「······物騒なことを仕出かそうとしとらんか?」
「そんな事あるわけないだろ♪」
アル爺の冷たい目と言葉に止められて、その考えを放棄した。
アル爺には楽に出してももらった恩義があるからな。
しかし其れはそれとして、同時に実行してたらどうなったんどろ、なんてことも思った。
「で、どうするん?」
「榎宮殿にはまず殿下に合って頂きたい」
堅苦しくなりそうだな~、なんて思った拓は――
「ヤダ♪」
「……予想出来てたのが悲しいのう」
「んじゃ、そう言う事だから自由にさせてもらうわ~♪」
たった数十分の間柄なのに拓は面倒嫌いって事を理解していた。
そして拓は何事もなかったかのように歩き出した。
その堂々とした態度に呆気に取られていた兵士は無意識に道を空けた。
そのまま、街をぶらぶらし始めた。
その手には早くも饅頭が握られていた。
「すると角から······なんてな♪」
·········································あれ?これフラグじゃね?
すると駆ける足音が聞こえてきた。
「·································Why?」
段々近づいてくる足音に呆然と構えた。
何をしてるんだか、と思ってることはほっといて。
そして、道の角から出てきたのは―――半裸のイケメンでした♪
「··············」
·········次に続く
結構前の話と間隔あっちゃったな・・・・
てか、早く敵だせですよね、はい。