十四話 リール・エルレック
その空間にあるのは、場を包む静寂と、一角にある和んだお茶を啜る音。
ズズズ………。
「ま、当然の結果よね、この国に拓に敵う人がいるはずがないわ」
辛口なペストに苦笑するアル爺。
「動きは悪くなかったがの、相手が悪いのじゃな。なんとも質が悪いの」
「戦わずして相手を測れなきゃ三流よ。ホントにこの国の戦力は質より数ね」
そしてまたお茶を啜る、ズズズ………。
「おいアル爺、これどうすれば良いんだ?」
「ん? あぁ、転がしておいてくれるかの。馬鹿は直らんのでの」
「ハハハ、酷いな。ホっと」
無作為に放られ、壁に叩き付けられる兵士。
だが、意外とタフで、肩で息をしながらも剣を支えに立ち上がる。
その兵士の視線の先には、余裕の笑みを浮かべ和んでいる二人に歩み寄る拓。
「お前らはお前らで何を呑気にしんのかね」
「お茶を飲んでいるのよ」
「まぁ、良いけど。 そだ、お前名前何て言うの?」
兵士に向けて問うが、答えない。
「リール・エルレックじゃよ。一応、国属第二兵団の副隊長じゃの」
代わりに答えるアル爺に、何でとでも言いたげな目を向けるリール。
「相手を考えろって言っても分からんかの? 拓殿1人でこの国を滅ぼすことも可能なのだ、と言っても分からんのだろうがの。兎に角相手を選べ」
アル爺は軽くリールを突き放す。
だが、その選択は正解だ。
「まぁ、リールはアル爺に任せるわ。 目的は果たしたから、もう出るよ」
「うぬ、色々と悪いの」
「気にすんな、じゃな」
拓とペストは訓練所を出る
今回は結構短くなりました、内容も薄いです。
まぁ、次は………頑張ります。
では次話で、ではでは。




