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第五話 破壊遊戯

 夜闇よやみを裂いて、銀色の剣閃けんせんを刻み込む。

 視界は赤く、脳を焼く感情の熱さは紅蓮ぐれんのそれか。

 空間を超え、その刀身は魔王――デューク・ストライドの首筋へと現れた。


 意識の同調はない。

 それは、ぼくという人間の自意識が、過剰なまでに膨れあがっているからなのだろうか。

 それともあれは、初めて神剣しんけんを振るうときにのみ起こる現象だったということなのだろうか。


 そんなこと、どちらでもよかった。

 いまはこの魔殺まごろしの剣を用いて、あの魔王の首をはねるのみ。

 そう、奴にもイリスと同じ苦しみを。

 寸分すんぶんたがわぬ結末を――!


「……ふん」


 虫でも見るかのような瞳をこちらに向け。

 手にした剣を、デュークは斬魔輝神剣シャイニング・ブレードの刀身へと当てる。

 それだけのことで軌道を逸らされ、ぼくの剣は虚空を泳いだ。


「たかが人間ごときに恐れをなし撤退したか、魔風王シルフェスよ。我ら魔族の第三位でありながら、嘆かわしいことだ」


 彼の顔に浮かんだのは、紛れもない落胆の色。

 だが、そんなことはどうでもいい。どうでもいいのだ。

 魔風王ダーク・ウインドシルフェスが、漆黒の王ブラック・スターと眼前の魔王を除けば、魔族の中では最強?

 自分はそれを滅したのではなく、ただ退散させただけ?

 そんな事実こと、いまのぼくにはなんの意味も、価値もない。

 ぼくがほしいのは、そのような情報ものではなく、貴様の――


「そして男よ。人間の身でありながら私の魔気まき怖気おじけづかぬのは大したものだが、しかし、それは勇気ではなく蛮勇ばんゆうというもの」


 だからなんだ。

 だからどうした。

 愚かであることは理解している。

 無謀であることも承知のうえだ。

 それでも、この痛みが胸に残留ざんりゅうし続ける限り、ぼくはどれほどの傷を負おうとも――


「男よ。愚者ぐしゃの末路をその身に刻んでやろう。とくと味わい、くがよい」


 無造作に――否、あまりにも自然すぎる動作で放たれた、必殺の一撃。

 その突きは、空間を超えてぼくの左胸へと突き刺さる。

 着込んでいた、銀色の鎧を易々やすやすと貫通して。


「――せめて最期に祈るとしよう。汝の魂が冥土めいどで迷わず済むことを」


 心に刻まれた胸の痛みが、身体の覚える激痛に塗り替えられる。

 この手からこぼれ落ちるは神剣と。

 どれほどの傷を負おうとも、不沈ふちんのままでいてみせようという、その決意。



 ――暗転。



 ◆  ◆  ◆


 どことも知れぬ場所にいた。

 目に映る景色は常に揺らぎ、一秒ごとにその輪郭りんかくを変えてゆく。

 確かな形を保ち続けるものなどなにもなく、意識してようとしなければ、世界は白くかすんでゆくことだろう。


 そう、ここは白く霞む世界。

 その名を――『階層世界』。

 なぜだろう、そんな単語が自然と頭に浮かんできた。


 つまるところ、ここは『死後の世界』だ。

 そんな世界にいるということは、ぼくは死んでしまったのだろうか?

 刹那、あの瞬間の光景が鮮明に脳裏に蘇る。


 空間を超えて突き出された闇の剣。

 なんの守りにもなりえなかった、銀の鎧。

 そして、刺し貫かれたしんぞう


 ――ああ、やはりぼくは死んでしまったらしい。


 けれど、不思議と心は落ち着いていた。

 悔しくは、あるけれど。

 心残りも、あるけれど。

 でも、イリスはぼくよりも先に死んでいたのだ。

 デュークに首をはねられ、死んでいたのだ。


 そしてぼくは、の魔王に立ち向かった。

 無謀でも、勇敢に。

 愚直ぐちょくでも、果敢かかんに。


 敵うことなどありえない。

 それは、わかっていたけれど。

 彼女のためにできるあらゆることを、ぼくは確かにやったのだ。

 ゆえに、後悔することなど、なにひとつ――


「ようやく参られましたか、レオンハルト・ロレン・シュヴァルツラントさま」


 唐突に、声。

 聞き覚えのあるそれに、ぼくは勢いよく顔を向けた。

 そうして初めて、ぼくは自分が『立っている』ことを認識する。


「待ちくたびれた、と言うのは少々おかしいですが、エリスフェールさまから伝えられていた『予定』よりも遅れていましたので、これでも少々気を揉んではいたのですわよ?」


 ぼくの目は見開かれている。

 いつの間に正面に来たのだろう、向かい合う形で目の前に立っているのは、緑髪りょくはつの女性。

 身にまとっているローブの色も、同じく緑。


「まあ、ここからは『予定』どおりに進みそうですからいいですけれど。――と、自己紹介がまだでしたわね」


 涼風りょうふうを思わせる声を持つ彼女は、すっと優雅ゆうがに腰を折る。

 そこまできて、ようやくぼくは敵意というものを思いだした。

 なぜなら、眼前に立つ女性は、つい先ほどまでぼくと死闘を演じていた――


「シルフェス……!」


 だったのだから……。

 彼女さえいなければ、あるいはあの結末を――イリスがデュークに殺されるのを回避できたかもしれない。

 そんな身勝手ともとれるような思考が、ぼくに敵意というものを思いださせたのだ。

 そして、それと同時に理解する。

 なぜか、唐突に理解する。


 記憶にはなくとも、魂が憶えていた。

 ここは第四階層世界。

 その奥も奥には魔界があり。

 斬魔輝神剣を食らってなお生きのびている魔風王は、まさにいま、ここに存在しているのだ、と。


 ぼくの鋭い眼光を、彼女は怪訝そうな表情になりながらも受け止めて。

 ようやく合点がいったかのように、ポンと両の掌を合わせてみせた。

 なんという、無邪気な仕草。


「なぜ私の名を、と疑問に感じていたのですが……なるほど、物質界のほうで『未来の私』と戦ったあとだったのですわね。けれど、あれは私の未来の可能性のひとつ。私と同一の存在ではありません。ですので、その矛はお収めになっていただけませんこと?」


「え……?」


 指摘されて、ようやく気づいた。

 固く握られた僕の右の拳。

 その手には、蒼白い輝きを放つ剣がひと振り。

 そして驚くべきことに、『消去』の二文字を脳裏に浮かべたその瞬間、光のつるぎは文字どおり手の中から消失した。


「では、改めまして自己紹介を。――私は風の精霊王シルフェス。この階層世界には無数の時間が並行して流れており、その時間のすべてに『私』が独立した個人として存在していますので、正直、魔風王シルフェスと私をイコールで結びつけてほしくはないのですが……。

 まあ、『私は魔風王シルフェスが『魔』に堕ちる前の姿です』と言ったほうが、あなたには一番理解していただきやすいのでしょうね。……そう認識されるのは、心の底から嫌なのですけれど」


 思いっきり顔をしかめる精霊王。


「ちなみに、いまはあなたに会うべく、こうして第四階層世界に降りてきていますが、本来は第五階層上段存在なのですわよ? 誤解なきように」


「は、はあ……」


 他に、一体どんな言葉を口にしろというのだろうか。

 ……いや、そうだ。

 真っ先に尋ねなければならないことがあったではないか。


「あの、ぼくは気づいたらここにいたのですが、これはつまり、その……死んだ、ということなんですよね……?」


 言葉は段々と小さくなっていって、最後のほうは掠れて消えてしまった。

 しかし、問題なく聞き取ってくれたらしく、風の精霊王は答えを返してくれる。


「イエスといえばイエスですし、ノーといえばノーですわね、この場合」


「と、いうと……?」


「あなたはいま、仮死状態におちいっているのです。生きることに絶望すれば、このまま死に至ることになる、ということですわね。もちろん、生きたいと強く願うのならば現世げんせにも戻れますわよ?」


「ほ、本当ですか!? ――あ、でも……」


 前者を選ぶなんてことは、ありえない。

 そう、本来ならありえない。

 けれど、生き返ったところでイリスはもういない。

 彼女はデュークに殺され、この階層世界にかえってきているはずなのだ。


 うつむくぼくの姿が、目に入ってはいるだろうに。

 精霊王は「まあ、それは私にとってはどうでもいいことですけれど」などと口にした。


「私がおおせつかったのは、あなたを『アーカーシャー』へと案内することだけですので。水先案内人、というやつですわね」


 どうやら、精霊王は自分の役目さえ果たせればそれでいいらしい。

 神剣の返却を迫ってきつつも、代わりの剣を用意してくれようとしたイリスとは偉い違いだ。


「あ、風の精霊王なのに水先案内人というのも、変な感じがしますわね。これならウンディネスのほうが適任というものでしょうに。――そうは思いませんこと?」


 同意を求められても困る。

 話の流れからして、ウンディネスというのは水の精霊王かなにかなのだろうけど、あいにく、無駄話につきあう気はなかった。


「『アーカーシャー』……。そういえば、それにアクセスする能力をイリスからもらいましたね」


「ええ。あなたからは微弱ながらもイリスフィールさまの『光』が感じられます。それはイリスフィールさまの『導き』――許可証みたいなものですわね。ですので、心を闇に染めてしまわぬよう、くれぐれもご注意ください」


「はあ、わかりました。それで、『アーカーシャー』……でしたっけ?」


「別名、『創造主の頭脳』。かつて、物質界では『アカシックレコード』とも称されていましたわね。――では『予定』に従い、エリスフェールさまへのコンタクトを行います。エリスフェールさまの許可のもと、あなたを第八階層世界の入り口へと移動させますので、そのあとはどうぞご自由に」


 そう言って精霊王は瞳を閉じる。

 本当に、『ぼく』という個人のことはどうでもいいようだった。

 どこまでも、『上の存在から命じられたから、実行するだけ』という印象を受ける。


 と、そんなことを思った刹那。

 浮遊ふゆうとも飛翔ひしょうともつかない感覚を経て、ぼくは『アーカーシャー』とやらを視界に収めていた。

 それは、たとえるならば『瞬間移動』。

 神剣と意識を同調させていたときに味わった、『空間を超越する』感じとよく似ていた。


 そして――る。

 『アーカーシャー』を。

 どうやら、視ようとしなければ視界にすら映らないのが、この世界の法則らしい。


 無数の光の粒が集まっていた。

 まばゆく輝く、無数の光の粒。

 星々を連想させるような煌き。

 それが、ひとつの形を成している。


 ――いつか、同じモノを見た。


 そんな既視感デジャ・ビュに捉われる。

 その煌きに心を奪われながら、ぼくはしばし、それを眺め続けていた。


 それは、天使の輪を想起そうきさせるものだった。

 大きな、あまりにも巨大な天使の輪。

 と、唐突に頭の中に『なにか』が侵入してくる。

 イリスの知識だ。

 これに『アクセス』する方法を、ぼくの中にある彼女の『光』が教えてくれようとしているのだ。


 力を抜き、それを受け入れる。

 集まって輪を成している光の粒は、それらひとつひとつが『断片的な記録』。

 ぼくが『記録』を引き出せるのは、ひときわ強い輝きを放っているものからのみ。

 口にする言葉は――『アクセス』。

 感覚としては、魔力を解放する要領で。

 大体は、そんなところだった。


 さっそくぼくは、強い輝きを放っている光の粒に手を伸ばし、「――アクセス」と唱えてみる。

 瞬間、先ほどと同じように『記録』が頭の中に流れ込んで……こない?

 いや、逆に光の粒に吸い込まれて――!?


 ◆  ◆  ◆


 そこは、ぼくには見覚えのない場所だった。

 『物質界』であることだけは間違いない。

 けれど、なんというのだろう、なんの変哲へんてつもない草原であるはずなのに、空気が違った。


 そこで、ようやく頭の中に情報が入ってくる。

 ここはぼくの住む大陸ではないのだ、と。

 蒼き惑星ラズライトには大陸がひとつしかない。

 当然、ぼくの住んでいるところ以外の大陸なんて存在しないはずだ。

 なら、ここは……?


 けれど、そんな疑問は些細ささいなことだった。

 なぜなら、そこには心配そうな表情を浮かべるイリスフィールがいて。

 そして一組の男女が、いまにも斬りあいを始めそうな剣呑な空気をかもしだしていたのだから。


 男のほうは、十六歳くらいだろうか。

 魔道士の着る黒いローブに身を包み、しかし、その手には剣をかまえている。

 下に着ているのは、これもまた黒いズボン。

 短い金色の髪と緑の瞳を持つ少年だった。


 対するのは可憐とすら呼べるような、十八くらいの少女。

 長い黒髪に、ゆったりとした白い服。

 刀身が少し曲がった剣を手に、少年へと殺意のもった瞳を向けている。


 そこで頭の中に流れ込んできた情報に、ぼくは思わず目を見開いてしまった。

 少年の名は、ルアルド。

 少女のほうは、カレル。

 どちらもが『世界破壊者ワールドブレイカー』と呼ばれる存在であり、『黒き魂』という『力』をその身に宿している。


 しかし、その情報の大半はどうでもいいものだった。

 ぼくにとって大事なのは、この少年がルアルドであるという、その事実のみ。

 この少年が、イリスの――『たったひとりの仲間』。


 にっくき恋敵、などとは思っていない。

 イリスは『もう二度と会うことは叶わない』と言っていたし、そもそもぼくは彼女に想いを告げてもいないのだから。

 だから、あるのは少しばかりの嫉妬しっとと、それを遥かに陵駕りょうがする、彼への興味だ。

 そう、ただただ興味がある。

 イリスが好きになった少年は、果たしてどんな人間なのだろうか、という。


 先に口を開いたのは、ルアルドのほうだった。


「なあ、もういい加減やめにしないか? 会うたびにこれじゃ、さすがに僕だって苛立ってくる」


「終わりにしたいというのなら本気を出せ。わざと負けられてばかりでは私のほうがたまらない。どちらかが死ねば、もう二度と会うこともないだろう?」


「……何度訊いたか、ちょっと忘れ気味でもあるけどさ。なんでそう僕をしつこくつけ狙うんだよ、カレル」


「私も何度口にしたかなど忘れたな。なんのことはない、私が本気でりあえる相手が、もう、この世には貴様しかいないというだけの話だ」


 その言葉に、ルアルドは「ちっ」と舌打ちをひとつして。


「この戦闘狂バトルマニアめ。つけ狙われるほうの身にもなってみろってんだ」


「知ったことではないな。それに、戦闘狂は私にとって褒め言葉だ」


「わかってるよ、ああもう!」


 大きく息を吐き出して、少年が腰を深く落とす。

 その自然な動きを見た限り、ぼくには劣るものの、彼は一流の使い手であるようだ。

 しかし、どこからどうみても魔道士然としている、その姿。

 それは『剣を用いた近接戦闘は苦手である』と敵にアピールするための、はったりブラフなのだろうか?


「イリス、もうちょい離れてろ。あと、援護しようとかは絶対に考えるなよ? 僕まで巻き込まれたらたまらない」


「わかってるわよ。……言うまでもないとは思うけど、死なないでね」


「死なないよ。……僕も、あいつも」


 その言葉に、イリスは不安そうながらもうなずいて。

 二人から距離をとって、大きめの樹にもたれかかる。


「カレル、お前はどうせ最初から全開でくるんだよな?」


「むろんだ。……貴様は、いつも出し惜しみしてばかりだがな」


「僕の場合、三分しか保たないだけなんだよ! いい加減に信じてくれ!!」


「『力』に『呑まれる』だけだろう? 別にいいじゃないか、そのくらい」


「いや、『呑まれる』って『正気を失う』ってことだからな? 殺戮さつりくとか破壊とかの衝動そのままに、目につく人間すべてを殺しつくさないと鎮まらないってことだからな?」


「だから、別にいいじゃないか? 私だってしょっちゅうなっているぞ? そんなことには」


「ああもう! この戦闘狂!!」


 そんな、冗談めいたやり取りの間隙かんげきを突くように。

 カレルという少女が、なんの緊張も感じさせない動きで間合いを詰め、その手にある剣を振りおろした。

 それが戦闘の合図だったのだろうか。

 ルアルドも軽口を叩くのはやめ、表情を真剣なものに変える。

 そして、戦闘が始まった――。


 絶え間なく響く剣戟けんげきの音。

 薙ぎ、振りあげ、払い、突く。

 怒涛どとうの勢いで少女は技をくりだし。

 それをルアルドは、一歩たりとも退かずに受け止める。


 彼の瞳は鋭く細められ、ぼくの目にも反撃の機会を狙っているのが見てとれる。

 そして、その構え。

 大樹さながらに両の足を大地に根づかせ、あらゆる攻撃を流す、その立ち姿。

 それを、ぼくは確かに知っていた。


 ――『天地てんちの構え』。

 不動にして、浮沈。

 地を強く踏みしめ、天へ至ろうとした者が編み出したとされる、究極の構え。

 それは、ありとあらゆる武術に応用が利き、しかし、当然ながら修得は困難を極める。

 むろん、ぼくにだって使えはしない。

 なぜなら、奥義とすら呼べるこの構えは――


 カレルがさらに深く踏み込み、必殺の一撃を見舞おうとする。

 同時、ルアルドが初めて反撃へと転じた。


「――天地をかえす」


 ぐるり、と。

 合わせた刀身を支点とし。

 少女の身体を宙で一度、回転させる。


「……っ!」


 地面に強く叩きつけられるカレル。

 しかし、ルアルドは追撃をしかけない。

 数歩後退し、呪文の詠唱を始める。


 すべての武術において、奥義とされている『天地の構え』。

 そうとまで呼ばれている理由は、この反撃の方法にあった。

 端的に言って、『天地の構え』の反撃は、武術よりも魔術に近い現象を引き起こすのだ。

 普通にやれば、ただ刀身を合わせただけで相手の身体を空中で一回転させるなど、到底不可能。

 だが、この構えは――これを極めた者は、その不可能を可能とする。


「いいぞ、倒れざる者ルアルドよ。こうでなくては面白くない。傷のひとつも負わずして、なにが戦いか! なにが死合しあいか!!」


 再びの疾駆しっく

 先ほどの攻防を見ただけでもわかった。

 このカレルという少女は、ぼくを上回る実力者だ。

 剣術においては、間違いなく超一流。

 ゆえにこそ、一度も傷を負わずに勝利を得た戦いというものも、数多くあったのだろう。


 少女のことを、ルアルドは『戦闘狂』と呼んでいた。

 ならば彼女は、『勝つこと』よりも『戦うこと』を重要視しているのだろう。

 ゆえに、傷を負わされたことによろこび。

 敵を打ちのめすその過程を楽しみ。

 息の根を止める瞬間には、最大の歓喜を覚えるに違いない。


 カレルの剣が横薙ぎにくりだされる。

 しかし、それはルアルドに届くことなく、小さな爆発にさえぎられた。

 ルアルドの放った魔術である。

 おそらくは火の精霊魔術。


 なんということだ。

 あの究極の構えをそのままに、魔術を詠唱し、呪力じゅりょくを解き放ったというのか。

 それはもはや、人間にできるわざではない。


 ルアルドが剣術に精通せいつうしているであろうことは予想がついていた。

 そもそも彼は、超一流の腕を持つカレルの攻撃をことごとく防ぎきったのだ。

 その点だけをかんがみても、彼は控えめに言って一流の剣の使い手であるといえる。

 だが、その彼が『天地の構え』を修得しており、しかも魔道士であることすらはったりブラフではないなんて。


 この戦い、カレルには勝機などない。

 魔道士は近接戦闘に不向き。

 その前提があるからこそ、戦士は魔道士を打倒できるのだ。

 その魔道士が、受動的なものであれ近接戦闘まで修めていては、一体なにを用いて勝利せよというのか。


 魔術による攻撃を、あるいは反撃を受けるたび、カレルの全身には傷が刻まれていく。

 だが、彼女は戦闘狂。

 傷つくたび、血が流れるたびに嬉々ききとした笑みを浮かべ、変わらぬはやさで剣を振るう。


「――骨は折れ、肉は断たれ、血は失われ。だが、そのたびに私の心はおどり狂う。いいぞ、もっと! もっとだ!」


 舌打ちするのはルアルドのほう。


「つきあってられないよ、まったく……!」


 同じ立場に立たされていれば、おそらくはぼくも同じ言葉を口にしたことだろう。

 カレルという少女は狂っている。

 感覚が、あるいは常識というものが、一般の人間のそれとは明らかにかけ離れている。


「――ふっ!」


 なにを思ったのか、ルアルドは手にしていた剣を少女に向けて投擲とうてきした。

 他に武器を隠し持っている様子はない。

 あるいは、戦闘の意思がないことを表明したかったのだろうか。

 だが、そんな理屈が通じるような相手だとはとても――。


 案の定、カレルの剣閃はやまなかった。

 いや、より苛烈かれつさを増したようにすら感じられる。

 それをルアルドは幾度となくかわし続けた。『天地の構え』を崩さぬ、そのままで。


 再度の驚愕がぼくを襲う。

 彼は剣術だけではなく、体術まで修めていたらしい。

 カレルの身体が硬直するよう、かわし方を計算し、動きが止まったところに右の拳が叩き込まれる。


 呼気こきはなかった。

 代わりに彼の口から漏れるのは――呪文の、詠唱。


「――すべての滅びを望みしもの

 消えぬ絶望を背負うもの

 みなが知る 大いなる汝の存在において

 我 汝の持つ虚無うつろを扱わん――」


 ありえない。

 超一流の戦士の攻撃をかわし、反撃を浴びせ、しかし、精神は魔術を使うために集中させ続けていられるだなんて。

 この少年は、本当に人間なのか――?


 そして、三度みたびの驚愕にぼくは目を大きく見開いた。

 彼の唱えている、その呪文。


「――汝の力の末端まったんである

 その剣身けんしんを我に預けよ

 ひとつになりて

 共に滅びをき散らさん――!」


 それは――


「――聖魔滅破斬ワイズマン・ブレードっ!!」


 『界王ワイズマン悪夢を統べる存在ナイトメア』から力を借り、刃と成す禁術きんじゅつ――!


 ルアルドの両の手の中に、闇色の刃が出現する。

 ぼくの知っている限りでは、それは具現ぐげんさせているだけで術者の魔法力を根こそぎ奪っていく、魔術の中の奥義であったはず。

 彼の持つ知識を得たいまならば、おそらくは、ぼくにもできることだろう。

 しかし、秒単位で激しく消耗してしまう魔法力は、補充できない。

 あの剣を、あの魔術を維持できる時間など、って数秒であるはずだ。


 だが彼は、闇の刃をその手に。

 眼前の少女へと突進し。

 彼女の手にある剣の刀身を斬り飛ばす――!


 半ばから折れた剣を手に、立ち尽くすカレル。

 それを認めて、ルアルドは<聖魔滅破斬ワイズマン・ブレード>をその手の中から消す。


 ――ルアルド・デベロップ。

 なんという……なんという実力者か。

 剣術の腕は一流。

 体術のほうも、おそらくは同等。

 そして魔術に至っては、もはや神域しんいき

 彼に敵う人間など、果たしてこの世界に存在するのだろうか。


 だが、理屈に合わない。

 『天地の構え』と『禁術』。

 それらはそれぞれ、武術と魔術の頂点とも呼べるものだ。

 いかに天才であろうとも、その両方を極めることなど、理屈の上では到底できはしないはず。


 それでも、ルアルドは現実に成しているのだ。

 不可能であるはずの『二つの頂点を同時に極める』という離れ業を、どのような理由でか、現実に成してしまっているのだ。

 である以上、ありえないと否定することに意味はない。


 剣術と体術、そして魔術。

 それらのうち、彼がどれかひとつしか使えない人間であるのならば、まだぼくにも勝機はあっただろう。

 しかし彼は魔術を基本に、『待ち』の姿勢で剣術と体術を用いるのだ。

 そして、超一流の域には達していない近接戦闘の技術を、神域にまで達した魔術で補っているのだ。

 一万回戦おうとも、ぼくなんかでは絶対に敵わない。


 そしてそれは、カレルという少女からしてみても同じであるはず。

 そのはずなのに、彼女は折れた剣を手に微笑わらっていた。


「いまので魔法力はすべて尽きたな? ルアルド・デベロップ。だが私にはもうひと振り、剣があるぞ?」


 彼女が懐から取りだしたのは、短剣。

 いや、長剣と短剣の中間くらいの長さの剣、と称したほうが正確だろうか。


「知ってたよ。……でも、知ってても他にやりようがなかった。そういうことって、あるものだろ?」


「むしろ、それは貴様の得意とする戦術だものな」


「ああ、まったくもってそのとおりだ。……というわけで、仕方ない。お望みどおり、やってやるさ」


 苦りきった顔でつぶやくルアルド。

 そこに叫びにも似た声がかけられる。――イリスだ。


「待ちなさい、ルアルド! あなたの中にある『黒き魂』は『破壊衝動』という名の『呪い』なのよ!? 『生命いのちあるもの』すべての『悪性の具現』なの! あなたの魂は、絶対それに耐えられない!!」


「……使うのは、二分だけにするよ。そのあとは――イリス、加勢を頼む」


 イリスの攻撃手段は『蹴り』といくつかの魔術、そして『金色の盾』の射出しゃしゅつ

 そんな情報が、ぼくの頭の中に流れ込んできた。


「……わかったわ。リミットは二分。それを超えたら、気絶させてでも止めるからね?」


「ああ、信頼してる。――さて」


 交わされたやりとり。

 それに、心が痛まないといえば嘘になるけれど。

 それ以上に目を引く光景が目に飛び込んできたものだから、ぼくはそちらに強く意識を向けてしまった。


「――殲滅せんめつ対象認定」


 ぞわり、と。

 ここには存在しないはずの、ぼくの肌が粟立あわだった。

 ルアルドの瞳は暗く、くらく、どこまでも深い闇色に染まっていき――。


「ようやく使ったな、その『力』。――さあ、存分に死合しあうとしよう!」


「そうだな。殺しあうとしようか。――言っとくけどよ、カレル。オレ・・より先に死んでくれるなよな?」


 殺気。

 ルアルドからは一度たりとも感じられなかったものが、その全身から放たれる。

 言葉遣いは野蛮やばんにして粗暴そぼうなものに。


「お望みどおり、ぶち殺してやるぜっ! カレルッ!!」


 そうして、初めて。

 ルアルドは、自分からカレルの懐へと飛び込んだ。


 しかし、ぼくに視ることができたのは、そこまで。

 イリスがこれ以上の閲覧のぞきみを拒んだのだろうか。

 ぼくの意識は、強制的に別のところへと向かっていった――。


 ◆  ◆  ◆


 次にぼくの視界に映ったのは、空間を超えて攻撃をしかけるデュークと、それを間一髪のところでかわし続けるイリスの姿だった。

 彼女のその足運びは、ともすれば華麗かれいな舞を踊っているかのよう。

 けれど、そんなわけがない。

 彼女はいま、まさに死地しちに立たされている。

 遥か遠く、ぼくが魔風王に神剣を振るっていた、そのときに。


 ――まさか、見ろというのか?

 彼女の『終わり』に至るまでの道程どうていを?

 そこから、デュークにこうする『なにか』を掴めと?


「――この程度のことで、めげてなんかいられない。嘆いてなんかいられない。……そうよね? ルアルド」


 イリスの口から漏れたつぶやき。

 ルアルドという、その名前。

 痛いほどに伝わってくる、彼女の感情。

 ああ、それはなんて純粋で、残酷な――


「――我が名はイリスフィール・トリスト・アイセル。第七階層存在にして、『時間ときけ、空間を律する存在もの』」


 イリスはおごそかにそう名乗り、舞うのをやめた。


 駄目だ!

 止まっては駄目だ!

 それは致命的な隙になる!

 デュークがそれを見逃してくれるはずがない――!


 その、はずなのに。

 魔王は攻撃をしかけない。

 闇色の剣を地面に向け、吹く風に銀色の髪を遊ばせて、ただそこに立っている。


「――誓いを胸に」


 伝わってくるのは、二人の想い。

 ルアルドという人間を支えにして組み立てられた術を唱えるイリスと。

 不動のまま、それが終わるのを待つ黒き騎士との。


「――絆はここに」


 イリスのそれは、どこまでも気高く、美しかった。

 よこしまな感情など微塵もなく、ただただ強く願っている。

 自らの抱いた綺麗な理想ユメを、いつかは実現させるのだと。


「――いつか見た『楽園ユメ』を、この場所せかいに」


 デュークのそれは、まるで鋼のようだった。

 騎士としての誇り。

 漆黒の王と呼ばれる『王』の片腕であるという自負。

 主君しゅくんのためのみのつるぎになりたいという、その願い。

 それらすべてが、彼を『意志』の塊へと変えていた。


「――その救いを、理想ユメを、いつか現実へと成すために、いまは――」


 イリスの胸にあるのは、勝利への確信。

 デュークが抱くは、鋼の意志。

 そのどちらが勝っているのかなど、いまのぼくにはわかろうはずもない。

 そうして――


「――絶対境界わたしにできる楽園幻想あらゆることを


 彼女の、最後の一節ちかいが紡がれた。

 遥かな天空そらに、金色こんじきの輝きが満ちる。

 それは、盾だ。

 イリスの作り出した、何千何万という数の、光の盾だ。


「――むぅっ……!」


 デュークの口から漏れたのは、驚愕の声。

 しかし、伝わってくる。

 動揺などすることなく、ただ『耐えてみせよう』と決意する、『耐えきったのちに撃破してみせよう』と決意する、その意志が。


 金色の盾が、ほこに転じる。

 流星群を思わせる煌きをみせながら、地上の魔王を打ち据える。

 しかし、砕けない。

 デュークの意志は、砕けない。


 ――無理だ。

 イリスの『勝利への確信』は弱すぎる。

 それでは魔王の意志の前に敗北する。

 それ以外の結末など、起こりうるはずがない……!


 逃げてほしいと思う。

 魔風王を一刻も早く片づけ、彼女のもとにせ参じてほしいと願う。

 ああ、落ちるな星よ。

 永遠に、落ちきらずにあってくれ。


 否、永遠でなくともいい。

 ただ、『ぼく』が駆けつけるまでの間だけでいいから。

 どうか……どうか落ちずに、天空てんくうに留まっていてくれ――!


 星とは、遥かな天空そらにあるものであり。

 落ちることなどあってはならない。

 もし落ちることがあるとすれば、それは、誰かの魂が天に引き上げられたときのみだという。


 そんな御伽噺おとぎばなしが真実だというのなら。

 何千何万という星を落とした彼女の敗北は。

 この『異質な魔術』を使ったそのときに、もう、決まっていたのかもしれない。


 やがて、星は落ちきり。

 イリスの攻撃を耐えきった魔王の姿があらわになる。

 どう見ても満身創痍まんしんそうい

 しかし、彼の意志は微塵も折れてなどおらず。

 その証拠に、彼は膝をつくことなく立っていた。


「――嘘、でしょ……」


 呆然と漏らされる、イリスのつぶやき。

 それが風にさらわれて消えていくのと同時。

 瞬時に身体を修復して、デュークが空間を渡った。


「――あ……」


 終着点は、むろんイリスの懐だ。

 そして次の瞬間、宙に舞うのは――


「――うおおおおおおおおあああああああああっ!!」


 遠くからは、声。

 『ぼく』の、声。

 怒りと狂気に染まった声だった。

 なんてみにくい、負の感情。


 血走った目で、『ぼく』は神剣を横薙ぎに振るう。

 狙うと定めたのは魔王の首。

 しかし、それは。


「……ふん」


 デュークが手にする闇の剣に、あっけなく阻まれた。


「たかが人間ごときに恐れをなし撤退したか、魔風王シルフェスよ。我ら魔族の第三位でありながら、嘆かわしいことだ」


 逸れた軌跡には目もくれず、魔王は語る。


「そして男よ。人間の身でありながら私の魔気まきに怖気づかぬのは大したものだが、しかし、それは勇気ではなく蛮勇というもの」


 もっともだった。

 頭が冷めているいまならば、素直に受け入れることができる。

 むろん、それでも悔しいという気持ちは残ったけれど。


「男よ。愚者の末路をその身に刻んでやろう。とくと味わい、逝くがよい」


 黒き騎士が剣を構える。

 『ぼく』の胸を貫く、必殺の突きをくりださんと。

 そして、最後に。


「――せめて最期に祈るとしよう。汝の魂が冥土で迷わず済むことを」


 そんな、魔王らしからぬ祈りの言葉がつぶやかれた。

 『ぼく』の意識は、そこで深い闇に落ちる。

 しかし、この光景には続きがあった。


「――レオっ!!」


 空間を渡り、『ぼく』の目の前に現れた少女がひとり。

 彼女は『ぼく』と神剣とを抱えて跳躍ちょうやくし、の魔王から距離をとる。

 そして『ぼく』を地面に横たえ、


「――絶対境界わたしにできる楽園幻想あらゆることを!」


 傷口に手をかざし、治癒ちゆを始める。

 少女の名は、その一節ちかいが表してくれていた。

 イリスフィール・トリスト・アイセル。


 首から上はついている。

 しゃべることはおろか術まで使ったのだから、それは当然だ。

 ふと意識を集中させて視てみれば、どこにも彼女の首が転がっていない。


 いや、そもそも。

 彼女の首が地面に落ちたのを、ぼくはその目で一度でも確認しただろうか?


「しぶといな、天上存在。予感はあったが、やはり首を落とすだけでは足りなかったか」


「とんでもなく痛かったけどね。右腕のときと違って、痛覚はあったわけだから」


 顔だけをデュークのほうへと向けながら、イリスはぼくの治療に専念している。

 なるほど、風の精霊王に『仮死状態』と言われたのは、これが理由か。


「でも、これでエリスフェールの言っていた『予定』とようやく噛みあったのかしら? レオは階層世界に行っているようだし、魔風王は撤退したみたいだし。

 あとはレオが『こちら側』に戻ってきてくれれば、私たちと勝ちとなるわね? デューク」


「さて、それはどうかな? 『予定』というものがなにかは知らぬが、その男がそれほど役に立つとは、私には思えん」


「とか言いつつ、魔風王は撃破されちゃったくせに」


「……確かに。少しばかり認識を改める必要はありそうだな。だが、それだけだ。『肉体』といううつわに縛られている以上、神剣を用いようと魔王わたしには敵わぬ。汝らの抵抗など微風びふうも同然。私はこの意志をもって、そのことごとくを真正面から打ち砕いてくれよう」


「あら、レオの回復を待っていてはくれるのね。正直、助かるわ。――お礼を、言うべきかしら?」


「要らぬ。そのすべてを奪うために、私はこうして待つことを選んだのだから」


「そう。――レオ、聞こえてる? もうそろそろ傷は完治するわ。だから、できるだけ早く戻ってきてね」


 その言葉を最後に、ぼくは意識を『アーカーシャー』から切り離した。

 なにかに引っぱられるように、外へ外へと移動して――。


 ◆  ◆  ◆


 イリスは生きていた。

 生きて、ぼくが戻るのを待ってくれていた。

 ならば、帰還きかんしない理由なんて、ひとつもない。


「では、帰るといたしましょうか」


 否、帰るのではない。

 行くのだ。

 本来、自分が住んでいるべき階層世界から。

 数多あまたの苦難と困難、そして絶望が待っている『物質界』へと。


 きっと、これからも多くの過酷かこくを経験するに違いない。

 予感があるのだ。

 身を引き裂かれるほど辛いことが、『物質界』におもむけば必ず起こる、と。

 ぼくの予感は、よく当たる。

 だからこれも、きっと現実になるのだろう。


 それでも、ぼくは。

 戻ってこいと、呼ぶ声があったから。

 それが、愛しいと思える少女ひとのものだったから。

 だから――。


 戻ってこいとは、帰ってこいということと同義だ。

 それはつまり、帰還せよということ。

 ゆえに、ぼくは敢えてこれを『帰還』と呼ぼう。

 間違った表現ではあっても、『帰還』と呼ぼう。

 愛しい少女ひとのもとへと、『帰る』ために。


 そうして、ぼくは。

 デューク・ストライドにも劣らぬ意志を胸に、『物質界』へと帰還した――。

エリスフェール「帰還しちゃったっ!? ちょっと! ちょっとちょっと! 私、またしても名前だけしか登場できないんで――」


いかがでしたでしょうか?

第五話『破壊遊戯』。

今回は『慌てない慌てない、ひと休みひと休み』とばかりに、階層世界での出来事をメインに書きました。

でも、戦闘はしっかりとやれましたね。


今回の見せ場はなんといってもルアルドとカレル。

『スペリオル外伝~酒場にて 彼女の始まりの物語~』と密接にリンクさせてみました。

いやあ、書いてて楽しかった(笑)。


それと、ちょっとお詫び(?)を。

『絆はここに』、本当は全六話で完結としたかったのですが、僕の見通しが甘かったせいで、全七話に増えてしまうことになりました。

いや、このまま『VSデューク』まで書いてしまうと、文字数がヤバいことになりそうでしたので(苦笑)。


では、今回はこのあたりで。

楽しんでいただけたのなら幸いです。

あ、あとエリスフェール登場の予定は、いまのところはまったくありません(笑)。

それでは。

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