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ーAliceー  作者: 藍哀 蒼碧
第一幕
2/6

Do you followed by a happy time for you?

『貴方のための幸せな時間は続きますか?』






テーブルに置かれたアップルパイ。

表面が綺麗なきつね色に焼けている。

とてもいい香りが鼻をくすぐった。


「アップルパイだよ。ありす好きでしょ?」


少女がにこにこ笑いアップルパイを切り分ける。真っ白な皿にアップルパイをのせると、ありすの前に置く。それをありすはじぃっと見る。


「そうだっけ」


ありすは呟き首を傾げた。

その様子をみて少女は頬を膨らませる。


「この前、ありす言ってたじゃない!アップルパイ好きって」


ありすは自分の記憶の中からその言葉を探してみる。頭が痛い。そう感じ、すぐやめた。少女はまだ頬を膨らませている。ありすは少し口角を上げると、皿にのったアップルパイに銀色のフォークをさした。花のような装飾が施してある小さなフォークが太陽の光を受けて光る。ありすはアップルパイを口に運んだ。


「…美味しいよ」


ありすはそう呟くとアップルパイをもう一切れ口に運んだ。それを見て少女はやっと元の笑顔に戻った。少女は満足したのか、鼻歌交じりで自分の分のアップルパイを皿にのせた。



ーーアップルパイが無くなると、少女は皿を持ってキッチンに消える。ありすはそれを見届け、外に出た。いつも通りの晴天。また、いつもの大樹の下へ向かう。

ふと、白い髪が揺れるのが遠くに見えた。何故か呼ばれているような気がした。ふっと吸い寄せられるようにその髪が見えた方に足が動く。すると白い髪はありすから逃げるように木の影に消える。


「なんだよ、あれ」


ありすは若干ムキになり白い髪を追った。白い髪が隠れた木の裏を静かに覗くと、真っ白な兎がいた。兎は後ろにいる、ありすに気づかない。


(なんでこんなとこに白兎…)


ありすが住む場所には茶色の毛をした兎しかいないのだ。ありすは不思議になり、その兎をじっと見つめた。そんな見つめられているとは知らず、兎はゆっくりと二本足で立つ。そして何処からか、くすんだ金色の懐中時計をとりだした。

呆気にとられるありすなど目にも入らず、兎は時間を確認して汗を拭くような動作をする。すると兎は振り返った。


目があう。

白兎は綺麗な桃色の目をしていた。

しばらく二人は見つめ合う状態で止まっていた。


兎はようやく状況を理解したのか、慌てた様子で後ろに飛び跳ね走って行った。ありすは逃げて行く兎をまた追う。何故追うのかありす自身にもよくわからなかった。


だが、追わなければいけないような気がしたのだ。








ーーうふふ…おいで、ありす…

不思議の国のアリス…素敵

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