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You can spend a happy time in here.
また、新連載…
『あなたは此処で幸せな時間を過ごせます。』
…ーさぁ、楽しい御伽噺の始まりだよ。
…す
……りすっ
「ありすっ!」
家から少し離れた大樹の下。
真っ青な空が木の葉の間から覗く。
ふと透き通ったブロンドの髪が視界に入る。
さらさらと風にそよぐ長い髪を耳にかけ、少女が顔をのぞく。
「もぉ。また寝ちゃって!」
少女は頬をふくらませてみせる。
そして空に顔をむけ、目を瞑った。
「…今日はいい天気だね」
「今日も…だろ」
葉っぱの間から太陽の光が差して、眩しそうにしている少女の言葉を訂正する。
少女はそれを聞くと少し笑い、立ち上がった。
「パイを焼いたのよ。一緒に食べようと思って」
少女は水色の生地に白いレースがついたスカートを翻し、小さな茶色の屋根の家へと走っていった。
それを見て身体をおこし少女の後を追う。
木の影から出ると、暖かい日差しがブロンドの髪を撫でた。
頑張ります