表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

出逢い。



「ふん!なんか言いたい事でもあるのかい?!」



「いえ‥ありません‥。」



「そう、それでお前に行ってきて欲しいところがあるんだよ。」



「え‥?」



「え、じゃない!返事は、はいだろ!」



「は‥はい!」



「この地図の通りに行けばいいからね‥。」




僕は地図を受け取り、街へと向かった。


家から街へは鬱蒼とした森を抜けて行かないといけない。

近所の子供達は1人で通らない様に言われていて、通る時はいつも父さんや母さんと一緒に通っていた。

でも僕は買い物や届け物で毎日の様に街へ行くけど、いつも1人。



不思議と、怖いと思った事は一度もなかった。


小さな動物や花々の甘い香り。



森には僕を怒る人や僕を嫌いな人がいなかったから。




「わぁ‥もう向日葵が咲いてるんだ‥!」



僕の背丈程もある、その花は太陽の様に存在を主張していた。


「綺麗だな‥。」



「‥君の方が綺麗だよ‥。」



「‥誰?」



森の中で、人に会う事は滅多に無い。

それなのに、どこかからふいに声が聞こえた。




辺りをきょろきょろと見回すと、少し離れた大木の横に優しく微笑みかける銀髪のお兄さんがいた。


なんだか大人っぽくも子供っぽくも見える不思議な印象の、だけど美しい人だった。




「初めまして。僕は白銀(しろがね)‥。君は?」



「あ‥ぼ、僕は灯‥じゃなくて赤ずきん‥。」


赤面しながら俯く僕に白銀さんは困った様に笑った。


「君の名前は灯君だよね?確かにその赤ずきんは、とても良く似合っているけど‥どうして灯って名乗らないの?」




「おばさん達に怒られるんだ‥召使いは名前なんかいらないって‥だから灯って言っちゃったのは内緒にしてね‥。」


僕が苦笑いしながら人差し指を口の前に当ててお願いしたら、白銀さんはなんだか怒った様な困った様な良く分からない表情のまま黙っていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ