表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/10

初めての敗戦 その3

刀のサヤを構えるデット ナイト。灼熱の二刀流を構えて向かっていくシャクヤ。[くらえ!セリヤーッ!………まただ!空を切る感覚。何故だ?][ヒュッ!踏み込みが甘い!どうしたね?]紙一重でかわすナイト。まるで水面を歩く様に静かにかわした。[ハーッハーッ………当たらない。たった一撃も。なんて身のこなし。トウゴウ!奴はまたゴーストを使ってるのか?][……イヤ。それが本体だ][明鏡止水。彼には何も失う物は無い。そんな心境に達すると人は全てを支配できる。相手の呼吸も、考えも][………そんな………じゃーシャクヤは?][この戦いで目覚めれば可能性はある。つまりあのデット ナイトにはソーサラー軍や死神の束縛をも凌駕している。ナゼ死神四天王などに…………][そこに何かあるわけね][それより今後の戦いが不安だ。おそらくコレと同等。あるいはそれ以上の戦いが待っている。俺や、トウゴウ、キョウカに。見てみろ。あいつら。腕を組んだまま微動だにしない。追い込まれたのは我々なのだ]



ようやく自分達の置かれた現状に気づいた三人。シャクヤはまだ気づいていなかった。




[そろそろ良いかね?いい加減かわすのも飽きてきた。君の実力もね]ハーッハーッ。…………空振りほど力の使う戦いも無いな。いっそ受けてみるか。




[よくぞ覚悟を決めた。それだけは誉めてやろう。こんな調子では死神様など到底勝てないがな]





待てよ。何故だ。ナゼ奴に俺の心の声が聞こえる?またトリックか?





[カラーン…………もうすでにこのサヤを抜く気は無い。なぜなら君は私を恐れている。恐いな。感情のある者は][ナッ………なんでわかるんだ?お前!どんなトリックだ!][トリック?ハテ、実力勝負だと言わなかったか?ほんの一辺を見せたに過ぎないのだがね。あえてそのトリックとやらの正体を言ってしまえば熟練。鍛練をして熟した者なのだよ。私は][……ならナゼ奴に従う?お前ほどの熟練者が。ナゼ、ソーサラー軍や死神に従う?][最後に教えてやろう。私は人の心を守る気も巣食う気も無い。そんな物はくれてやる。名誉も、勲章も、地位も、称賛も。私の前では煩わしいゴミだ。だがそのゴミが良いと言い切る、世界がある。ただそれだけだ。君とやり合うのは、気が向いたからだ。まあ、コレを最後に四天王など辞めるがな。死神とて、たかだかこんな赤子に手を出すとは器が狭いわ!祖国を滅ぼされた?カオス軍が憎い?笑わせるな!関係無いだろう!ただ、非力なだけだ!]





[なんだと!デット ナイト!貴様、正気か?]





均衡が崩れた。死神四天王の均衡が。こいつ…………一体、何者なんだ?





[クワッ…………ホウ。まだ興味があるか?私に。面白い。君にプレゼントしよう。人は無双。2つとして同じ者は無いのだよ。双、有らず]





[人は無双?双、有らず?確か、昔聞いた様な。…………誰なんだ奴は]シルバーオックスは昔の記憶を辿った。




[解析完了。シャクヤ。そいつはソーサラー軍では無い。カオス軍 一等兵。ムーンドゥースである確率、99パーセント][カオス軍?一等兵?ナゼ?][そう。私はシルバーオックスを育てた師匠だ。君達の実力を確かめたくてな。忍び込んだ訳さ。だが、やる以上、全力で無くてはいかん。若者は全力である事が本分だからな。その可能性を引き出す。それが私の務めだ]




[終わりだ!試合終了!][夜叉の死神。誰も介入させない。お前が作ったルールではないか?違うか?][クックー…………オノレ、デット ナイト!イヤ、ムーンドゥース!貴様ぁー!][できれば今後の為に全員と手を合わせたかったが、烈火のシャクヤ。初めてだな。イヤ。君が産まれた日、私はスパイダーから身を隠す為に君の双子、南条 隼人を奪った。もし、その片割れを拾ったなら、私が君の師匠だ。さあ、来るが良い。君に教えよう。明鏡止水の極意を][…………師匠!ムーンドゥース師匠!ありがとうございます]




[ヒョヒョヒョ………アジな真似を。ナゼ奴が一番に名乗り出たか。ようやく解けましたよ。ナイトさん]デット モンクが笑った。[コレ、無効じゃない?私は早くあのお嬢ちゃんを可愛がりたいんだがねぇ。見てらんないよ]デット ワイパーが足を組み直す。[まあ、そう言うな。奴の素性を調べないアノ、死神の坊っちゃんがいけねーんだ。ヘヘヘッ…………違うか?]デット メイジが笑う。[そうだね。見る意味も無さそうだね。アタイはちょっと出てくるよ。次はアタイの番、だかんね]





[動いた。四天王が。腕を組んで見ていた四天王が]




カツカツカッ




[ネェ、お嬢ちゃん。次は貴女が出なさいな。お姉さんが相手になるわ][上等じゃない?オバサン。シワが目立つわよ。染みも][フッフッフッ………可愛いわね。ゾクゾクしちゃう][………デット ワイパーとか言ったか?見なくて良いのか?この試合][私が興味あるのはこのお嬢ちゃんだけよ。楽しみにしてるわ][………キョウカ。気をつけろ!奴は不気味だ][たまにいるのよ。シルバーオックス。レズビアンとか。変なのにつきまとわれたわねぇー。全く][経験は?][バッカねー!あるわけ無いじゃない!][…………そうだな。すまん]





アリーナではムーンドゥースと烈火のシャクヤが立っていた。[…………ようやくわかった。貴方が刀を抜かなかった理由が。師匠!行きます!ウオーッ]



ムーンドゥースは落ちた刀を蹴飛ばし背中にさした。[来い!烈火のシャクヤ。南条 列!]







続く

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ