☆ TYPE KIHA 8500 ☆「Snow express」
キハ8500系気動車、良いですね。
私自身、名鉄7000系よりキハ8500系が大好きだったりします。
どれくらい好きかというと、キハ8500系気動車のNゲージの製作依頼を模型店にしてしまう程です。(ちなみに納入は今年の12月末位だったり)
だからこそ、キハ8500系気動車にはずっと走り続けていて欲しいと今でも思っています。
そんな想いを作品にぶつけるつもりで頑張ってみますので、よろしくお願いいたします。
名鉄(名古屋鉄道)と会津鉄道という2つの鉄道会社を駆け抜けたキハ8500系という気動車をご存知だろうか?
1980年に名古屋ー高山間を結ぶ名鉄特急「北アルプス」として運行していたキハ8000系気動車の後継車としてキハ8500系気動車は登場した。
2機もカミンズ社製「NTA855-R1」エンジン搭載し、一般席なのにグリーン車並みの内装、白地に黄色と緑色のラインに大窓部分は茶色の美しい車体、振り子式台車を装備していない点を除けば、ライバルのJR特急「ワイドビューひだ」に使用されているキハ85系気動車に負けない車輌として活躍した。
しかし、2001年利用客減少等の理由で名鉄特急「北アルプス」が廃止されてしまう。
キハ8500系気動車(先頭車:キハ8501,キハ8502,キハ8503,キハ8504|中間車:キハ8555)の5輌は東北の会津鉄道に売却され会津マウントエクスプレスとして第2の人生を歩む事になった。
しかし、地方の第3セクターである会津鉄道にキハ8500系気動車を維持するのは困難だった。
部品交換もままならず、唯一の中間車キハ8555を編成から外し部品を確保しなければならない程だった。
更に、東北の過酷な自然環境はその部品交換もままならない車輌を容赦無く蝕んでいった。
しかし、キハ8500系気動車は、ボロボロになりながらも2010年の営業運転終了まで走り続けた。
役目を終え廃車となったキハ8500系気動車(キハ8501,キハ8502,キハ8503,キハ8504)の4輌は会津鉄道のイベントで競売にだされ、その列車としての生涯の幕を閉じた。
ここまでなら、不幸な列車のお話で終わるのだが、この話には続きがある。
その競売の最中に不可解な事件が発生したのである。
廃車のキハ8500系気動車の4輌全てに1億近い見積金額を提示する強者というか、金銭感覚がぶっ飛んでいるとしか思えない者が現れたのだ。
最初はいたずらかと思われたが数日後、株式会社「シュバルツァークロイツ」代表取締役を名乗る人物が数台の現金輸送車を引き連れ現れ、会津鉄道の出資者全てが集合する騒ぎになった。
会津鉄道側は、支払いは落札後にして欲しいと要請するが、その人物は「これ以上の金額を提示する者が現れる事は無いので、支払いを済ませたい」と言い、聞き入れる様子は無かった。
仕方なく前払い金として落札日まで会津鉄道側が預かる事になった。
当然、車輌を新造するに等しい金額を提示する者は現れる事無く、その人物の見積金額で競売の締切日を迎える。
そして次の日の朝、売却される車輌の点検をしに行った職員は我が目を疑った。
昨日までそこにあったキハ8500系気動車が忽然と消えていたのである。
当然、盗難事件として警察が出動する騒ぎになったが、その日の午後に株式会社「シュバルツァークロイツ」代表取締役の名前で、車輌受領証明が礼状と共に郵送されてきた事でその騒ぎは収束した。
しかし、その後の警察の捜査で不可解な事が発覚した。
見積りから受領確認までの間に送られて来ていた株式会社「シュバルツァークロイツ」の書類に示されていた会社の所在地には空きビルがあるだけで、その会社自体も存在した形跡が一切残っていなかったのである。
そう、キハ8500系気動車が消えてしまったのである。
会津鉄道側は、結果を公表する事無くイベントの終了のみを伝え、警察側も車輌の売却自体は問題無く行われていた事から、事件性は無いと判断し捜査を打ち切った。
しかし、消えてしまったキハ8500系気動車はいったい何処へ行ってしまったのだろうか?
いや、それ以前に巨大な車輌・・・しかも4輌を人目に付かずたった一晩中で運んだのか?
そして、キハ8500系気動車を持ち去ったのはいったい誰なのか?
謎しか残らないこの事件の真相は未だ闇の中である・・・
こちらで連載はじめました。
http://ncode.syosetu.com/n8344x/