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風に吹かれて  作者: cyabo
9/14

いなさ 肆


更新











きつく閉じた目をゆっくり開ける。





そろそろとそむけた首を元に戻す、






そこには黒っぽい角と鱗が薄い黄色に代わり毛が光に当たってキラキラと光っているケイルが浮かんでいた






「ふん、まぁドブネズミから子猫あたりには格上げしてあげるわ……

約束を忘れたら今度こそ最果ての海に沈めるわよ……」





とシス姉様がボソッとつぶやくのが聞こえた……






…………何を約束したんだ??



んー知りたいような知りたくないような…



まッ面倒くさいからいいかー






と、いつもおなじみの面倒くさいでいろいろな事を考えるのを放棄するのと同時にさっきまで聞こえていた黒い実が発していた音が聞こえなくなっている事に気付く。








………?





怪訝に思って目を向ける。






「なッ!?」






びっくりしすぎて思わず声を出してしまった。






目を向けた先には黒い実の表面がまるで生き物の用にぼこぼこと蠢いている…





「ウワッ気持ち悪ッ」

あの蠢き方だいぶ昔にテレビでやっていた宇宙人の頭を思い出す……



マジであの宇宙人の頭が気持ち悪すぎてしばらく宇宙人恐怖症になったのに………



こっちの世界でも恐怖の再来とかやだ……っ



ほんと無理マジ無理もう本当に生理的に無理ーーー




嫌なトラウマのせいでなみだ目になりあまりの(精神的)恐怖に両手で目を塞いでしっまた。





『なにしてんの……』




頭の中にケイルの呆れたような声が聞こえてくるが


その声にこたえる余裕もないというか、もともと答える気も無い。






「シ…シス姉様あのグニャグニャ何とかしてくださいッ


あれ(私の)精神衛生上最悪だよ?!アレ作ったやつ何考えてんだ!!!ふざけんな!!消滅してしまえ!!!」






なんて最後のほうは心の声がダダもれな訴えをシス姉様にする、もちろん目を手で塞いだまま。






「あらぁイグドラシスが消滅したら困ってしまうわねぇ……」




なんてゆったりと律儀に突っ込みを入れてから




「そうねぇさすがに少し気持ち悪いわね…

時間も無い事だしさっさとブツを出してもらおうかしら。」


 




とシス姉様がどっかのヤーさんのような言葉を放った後、少しの衣擦れの音がし







ズパンッ!!







何かがいき良い良く破裂するような音がした。







「うふふ…もう大丈夫よ…そんな風に目を手で塞いでいると(そのかわいい体に)悪戯しちゃうわよ。」






シス姉様の言葉とともに背中にすさまじい寒気がし体中に鳥肌が立つ。





私はすぐさま手を下ろし、浮遊の魔法を解除し床にいたケイルを抱き上げ抱きしめる。




ごめんケイル身代わりになって!!なんて思いながらギュウギュウと無意識のうちに抱きしめる力を強める。




「にぎゃぁ!」



強く抱きしめたせいかケイルが苦しそうに悲鳴を上げた。




「あらぁ………ドブんん゛…子猫ちゃんいい思いをしているわねぇ…」



シス姉様が少し低い声を発する



「んふッまあいいわぁ…これからは我慢するわ……約束もしたのだし。」



とあっけなくケイルが抱っこされるのを許した。





あれれ……おっかしーなー……と私は一人肩透かしを食らったような気分になる。




んーーまぁ、平和的に終わったしいいか。




また一人納得し目線を黒い実に戻す。







ウネウネ、グニャグニャしていた黒い実がかけらも見当たらない…




「シス姉様あの実はどこに消えたの?」




若干の恐怖を滲ませシス姉様に問いかける。




するとシス姉様がにっこりと笑いおいでおいでと手招きをしてきた。




怪訝に思いながらも〔シス姉様に逆らう=地獄〕と言う方程式をもとに素直にシス姉様の前に立つ。








パチンッ







パンツ1枚にされた時のような軽快な音がして体を風がなでるように起こる。




「うひゃ。」

風がくすぐったくて声を上げてしまった。





ふんわりと余韻を残すように風が消えると同時に「ふぅ…」と言うため息が目の前から聞こえた。







読んでくださりありがとうございます。

ポイントを入れてくださった方々どうもありがとうございます!

とても励みになりましす!!


備考


ケイルの喉本の鱗はイメージ的にアルビノのビルマニシキヘビをイメージしています。



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