時つ風 弐
更新です。
「…………へッ?」
いきなし言われた事が理解できない…とゆうか理解したくない。
目の前を見ればシス姉様が無表情で私を見ている、
先ほどまであった悲しみの表情はまるで最初から無かった様に何も感じられない無機質な表情。
その表情がつめた過ぎて部屋の温度まで下がった気がしてくる。
「えッ……なんで??」
吐き出す言葉が震える。
紅い瞳に映る私の姿はなんとも間抜けな顔をしている。
まるで親とはぐれた子猫みたいだ……なんてどこか冷静なもう一人の自分が思う。
「ふぅー」
シス姉様が目を伏せ短いため息を吐く。
黒く長いまつげで紅い瞳が隠れる。
その姿はまるで女神のようだ。
「そんな、顔しないで頂戴。なにも帰ってくるなとは言ってないでしょぅ。」
シス姉様は口元だけゆるく歪ませた。
「アネモス地中に意識を集中させて御覧なさい。」
少し硬い声で言われ、私はあわてて地中に意識を向ける。
地中には色々な生き物がいる、虫、小動物、魔獣、木の根に花の種、それらの生が一気に私の中に情報として流れ込んでくる。
そして私は始めて気付く……
ここ深淵の森を中心に世界中に張り巡らせている始祖の大樹イグドラシスの根が腐り崩れ始めているのに。
「…!!!!?シ……シス姉様これは…?
朝見たときはこんな風じゃなかったのに…なんで…?」
動揺しすぎて頭がくらくらする。
「やっと気がついたかしら、気付くのが遅いわよぉ」
とまるで今日の天気を話すように言ってくる。
私はその答え方にびっくりしてカパーンと口をあけてしまった。
ちょっとまって、さっきまでの重たい空気はどこにいった!?
と驚愕する私を尻目にシス姉様は話を言葉をつむぎだす。
「イグドラシスが腐るのは何度もあったのよ、
そのつど腐らせた元凶の魔術師やら国やらを消滅させてきたのよぉ
でもね今回の国がね消滅させるにはちょっと問題があって……
私が消滅させる事ができないからあなたに元凶を直すか消すかしてもらいのよ!」
うん、色々突っ込みたいけどなんかすごく面倒くさいからスルーでいっか…
私の焦りとかびっくりした感情を返してほしいよ…
てゆうか出て行けって出かけてこいってこと!?
もーなんか今日だけで10年は寿命が縮まった気がする……
そんな事を思っている間もシス姉様はしゃべり続ける。
「それでね、アネモスがこの深淵の森を出るにあったてアネモスに掛けた鍵の仮解除をしようと思うのよ、
今日でこちらの世界に来たのちょうど5年目だしちょうどよかったゎ」
なんていいながら優雅に足を組む…
まぁ、白いローブ越しだから少し盛り上がって見えるのが確認できるだけだけど…
きっとローブの下にある美脚が組まれている事は確実だ。
緊張糸がすっかり切れた私の耳に軽く指を鳴らすおとがきこえた。
パチンッ
軽快な音とともにふわりと体が軽くなる…
……
………
…………なんか、スースーする…
嫌な予感がしておそるおそる下を見る。
えぇ…見事にパンツ1枚の状態にされました…
しかも紺の紐パン…
「ぎゃ…「ぎにゃあ゛ぁぁ」」
っくそ!!叫び損ねた……
備考です!
イグドラシス…まぁ簡単に言うと世界樹です。この世界では世界の中心(心臓)と考えられています。
深淵の森(神苑の森)…イグドラシスを中心にして広がる森の事、森自体がかなり広く魔獣もたくさん居るため普通の人はまず近づかない。
夕暮れの魔女と主人公はここに住んでいます。(注*主人公は夕暮れの魔女に鍛えられているため森に住む魔獣にはめったに負けません)
紐パン…こちらの世界では伸縮機能がある素材が発展していないため紐パンが主流です。色はまぁ…個人の自由だと思います。貴族や皇族になるとレースやフリルを使用した豪華版の紐パンになるらしいです。