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風に吹かれて  作者: cyabo
3/14

魔風

連続更新です!!


なかなか思うように話が進みません…orz





私を中心にして旋風が起こる。

一瞬にして風と一緒にケイルと私は家の玄関前に到着いた。




魔法ってほんとに便利だとこっちにきて5年たった今でも思う

まぁ、覚えるまでは地獄だったけど

今はいい思い出だゎ。



『さすがだなー…ぜんぜん気持ち悪くならないのにはいつもびっくりするよ

夕暮れの魔女のと大違いだ。』



ケイトが体のちからを抜きながらゆるく尻尾を首に巻きつけてくる。



あーこのふわふわヤバイかも……

「ぶぇッくしょん!!あークソが!!」



でた、ついでも出た。

シス姉さまに会う前でよっかった…



シス姉様が居たら確実に水の塊が頭の上からふってきたよ。



『!!!!?……え、何!?今の。』

ケイルが再び体をこわばらせてさらにプルプル震えている。



あーもう!!



「………くしゃみですぅ!後ろにクソってつけてすいませんねぇ、癖なんですよ!!

尻尾じゃま!!もー顔の前に持ってこないでよ!!」




つい大きな声を出してしまう。

久しぶりにこんな大きなこえ出したかもしれないなぁ…




『ご…ごめん…』

まだ、プルプル震えてるよ。



アレ?もしかしておびえさせっちゃった??



『ぷっ……くく……』




…………



…………………



………こいつわらってるな




もうなんか面倒だから気付かなかったことにしよ。



うん、私何も知りません。


え?肩の上で毛玉が震えてるって??

きっと気のせい、絶対気のせいだ。




「だいたいねぇ、シス姉様の転移の方がゆれないし自然だよ……気持ち悪くならないはずだけど?」



『え!?うそ!?』


「ほんと」


『……うそだぁ』

相当ひどい目にあっているのか顔をしかめて信じようとしない。



ぶっさいくだなぁー



なんて思ってたら



「あら、本当よー魔獣なら少し位雑に扱っても大丈夫でしょぅ。それに私の思いやりは魔獣1匹にかけるほど安くないのよぉー」




聞こえるはずのない、むしろ聞こえてほしくない艶やかな声がした。




「『!!?』」





真上から……









ザッパァァァァンッ!!

ザァァーーーーーーー!!









そして見事にまん丸の水の塊が降ってきた……



しかも流水というおまけもついでに。



さらにトドメとばかりに



「やったわね、地上にいておぼれかける快挙よぉー」




なんて言葉とパチパチという拍手がおぼれかけている私の精神にダイレクトアタックを食らわす……




「ぅっ…」




空気が吸えない状態で能天気な言葉をかてられるってかなり辛い……ほんと辛い。


空気を求めて手首のうらの印をなでるが流水の力でなでる手が微妙にずれる。




「………ッ」



苦…しい…




酸欠であたまがクラクラしてくる。

ひざの力が抜けて地面にひざつく体制になる。



あっ…こりゃだめかも



っと思った瞬間やっと流水の力に負けず印をなでることができた。









パァァァン!!










烈風が流水を裂いてそのまま飛沫にかえた。




飛沫が太陽のひかりでキラキラと虹にかわる。




「きれいねぇー私とアネモスとの合作よぉ」

とシス姉様が笑顔で話かけてくる。




今まで拷問まがいの魔法をしかけてきた人が何をいってんだ!!

なんて心の中で突っ込む、声に出して突っ込む事は絶対にしない。

声に出した瞬間に地獄いきのフラグが立つからね!!




ふわふわと浮いていた黒髪、紅い瞳の妖艶な美女が目の前に音もなく地面に降り立つ。

むこうの世界では見ない瞳の色は神秘的だけどどこか狂気をはらんでいるように見えてしまう。

きっとこの不思議な紅い瞳がなっかたらシス姉様は夕暮れの魔女とは呼ばれなかっただろう。






「ゲホ……ッ…ゴホッヶホッ……ッはあッはぁ……シス姉…ッ…様…いつからそこに居たの?」

あー鼻に水はいったぁーー

もーー痛いなー




ケイルは流水の力に耐えられなかったのか私の肩から落ちて地面とお友達になってぐったりしている。

せっかくの毛並みが水と泥でグシャグシャだ……かわいそうに。

あとで風呂に入れてあげよう…。




「ぜんぜん気持ち悪くならないーって所からよぉ、アネモスあのくしゃみは次にしたらお仕置きよぉ」




くしゃみしそうになったら今度から死ぬ気で我慢しないと……

そんな事を考えながら立ち上がる。




見計らったようにシス姉様がやさしく私の頭をなでてくる。


そのしぐさは(いつく)しみでみちている。



なでる前に魔法を使ったのか周りに大量にあった水溜りが消えている。

わたしの体も水を浴びる前の状態に戻っていた。



…ケイルだけが体についた水をフルフルと回りに飛ばしている。

なんだかなぁ…ごめんよケイル…




「はぁ……そんな前からいたなら声かけてよ……」

怒る力も反抗する力も今じゃミジンコ程度もおこらない。



過去のシス姉様によってほどこされた躾けのせいか頭をなでられているせいかどちらか判断できない。




さわさわと頭をなでていた手が止まり

シス姉さまが急にまじめな顔つきなる。



私も無意識に姿勢をただしてしまう。

条件反射ってやつだね。



さっきの能天気な声よりもずっと低い声でうなるように言葉をつむぎだす。



「気付かないカオルがまだまだなのよぉ、もっと周りの‘声’を聞きなさいでないと死ぬわよ。」





シス姉様がむこうの名前を呼ぶ、それはめったに無い事だ。

それは私自身それよりもっと根本的な魂に呼びかける事だから…

いわば私のなにかを変えるくらいの威力を持つのだ。

シス姉様は厳しいだけどこっちの世界で生きていくための事必要な事を教えてくれる…

でもいつもはこんな風にむこうの世界の名前でよんだりしない、それに‘死ぬ’なんてそんな事を魂に刻みつけようとしなかった。



なにがあったのだろうか…

緊張でに力が入る。



それを感じ取ったのかシス姉様は頭の上におきっぱなしだったてを1度ゆっくりとなぜた。



「そんなに緊張しないでアネモス、とりあえず家に入りましょう。」




そう言ってから綺麗に笑うと白いローブのすそをひるがいして家の中にはいった。



私、ケイルの順番で家に入り終える。



パタンと木のとびらがしまる音が後方から聞こえた。




その瞬間なぜか私はこっちの世界に来たときの気持ちがよみがえった。

昨日あった平和が変わってしまったあの喜びと悲しみがまじった気持ちを…







読んでくださってありがとうございます!

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