小風
更新です!短いです>_<
こっちの世界に来てもう五年の月日がたったかぁ。
月日がたつのは早いもんだ。
きっと向こうにいた従姉妹のちぃちゃんはもうランドセルを背負っているだろうな。
なんて思いながら魔法で風を起こしてミミトゥムを樹からもぎ取っていたら風の軌道が微妙にずれたらしく1つミミトゥムが零れた。
あー…ヤバイ…
トトンッ
『アネモス、前の世界の事考えてたのかぁー?』
灰色がっかた白い毛玉もとい“猫又っぽい”魔獣がこぼれたミミトゥムを咥えて私の肩に降りてきた。
“猫又っぽい”魔獣であって断じて猫又ではない、
猫又には耳の下に羊みたいな巻き角はないし首の下がニシキヘビの鱗みたいになってないからね。
だから“猫又っぽい”なんだよねー
「ケイル重いよ。肩外れそうー…」
いつもケイルは急に出て来る。とゆうか、出てきてくれる。
よばれて飛び出てダダダダーン!!てね。
あれ??なんかまじってる?
まー…いっか。
『もー、ひどいなー…体小さくしてるから3ガギミァもないと思うんだけど…。
てか、少しは感謝してよ、この実落としたら夕暮れの魔女にまたシバかれてたところなんだからさー』
批難するように二又に分かれたふわっふわの尻尾で上腕をパシパシとたたいてくる。
本気じゃないせいか、はたまた尻尾がふわっふわなせいかまったく痛くない。
「はいはい、ありがとねケイル。ねぇ首本がちょっと寒いから首を跨いでのってくれない?」
『はぁー……少しもありがたいと思ってないでしょ。』
とか言いながらもしっかり実行してくれる。
ふふ…。
天然毛皮の襟巻きプラス湯たんぽ効果。
ぬくい。
思わず顔面の筋肉が緩む。
『で、なんで前の世界の事考えてるのさー?』
緩んだ顔が見事に強張る。
もー…
こっちの世界にきてから感情が表情に出やすくなった気がする…。
まぁ、隠す必要も偽る必要もなくなったのが原因なんだろうけど。
いいんだか悪いんだか…。
それにしてもケイル今日は冴えてるな!!
なんでわかったんだろ…
「ケイル私は前の世界を忘れてるわけじゃないからたまには思い出すんだよ。
ふだんはただ気にならないだけ。
今日はねこっちの世界に来た日なんだ、だから特別懐かしく思って色々考えてたんだよ。」
話しながらもミミトゥムもぎを再開して1個1個確実にミミトゥムをもぎ取っていく。
『ふーん……
ねーアネモス、今も帰ろうとか帰りたいとか思う?』
きれいな薄水色の瞳が不安そうにゆらゆら揺れる。
ミミもへにゃってる状態だし!
もー!!かわいいな~。
「今は帰るのが面倒だから思わないよ、もう5年も経ってるしね。
まーその前に今帰るて言ったらまず悲しみと怒りの感情を爆発させたシス姉様に殺されるからね。ぜったいに帰らないよ」
『そうか!!うん、そうだよね!!
あっ!!もう日がかなり高くなってる!』
「えっ!?ほんとだ!さっさと帰らないとっ!!」
シス姉様に早く帰ってくるように言われてたんだ!!
ミミトゥムもぐのとおしゃべりに夢中になりすぎたー…
「ケイル、すぐに転移するからしっかりつかまっててね!」
『はいよ!』
私は転移するために頭の中に家の玄関前を思い浮かべ手首の内側にある印を軽くなでた。
重さの単位です
1ギミィ、1ガギミィ、1ガギミァ≒1ミリグラム、1グラム、1キログラム、
ザ・適当です(^^;