表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風に吹かれて  作者: cyabo
12/14

神渡







少し速度早めて歩いたおかげで書庫に直ぐにたどり着いた。



書庫の重厚な扉を開く。







ガコンッ…





ギィーーー…






『遅いー!!』





ケイルがいきよい良く肩に飛び乗ってきた。





「ぎゃぁッ」






ッ!?びっくりしたー…






ケイルは私がびっくりして固まっているのをいい事にローブについたフードに入り寛いでいる。






『イヤーやっぱりこのフード入りごごちがいいなぁ、

一目見たときから入り心地よさそうだと思ってたんだよ。』






首が絞まって苦しいんですが……





そこら辺分かってないでしょ……






「いや、勘違いだよ、勘違い…それに邪魔だから。」






といい魔法でフードから引きずり出す。





『なんだよ!少しくらいいいじゃないか!!』





と頭の中にケイルの声が響く。





「うるさいよ…」





ついつい声が低くなる。





『ちぇ…』



ケイルはさすがにしつこく言うと後が怖いと思ったのか


フードに入る事をあきらめ尻尾をダランと床にたらしている。





「はぁ……」




なんかもう、森の外出るのイヤになってきた…


もう世界とかどうでも良いわ…面倒くさいし…


あー…でもあの綺麗な樹が腐ってしまうのは絶対イヤだ…




「ふぅ…」




やっぱり森の外に行くしかないか…





「よし…とりあえずガンバろ」





と思わず小さな声でつぶやいてしまった…




ウヲォっとヤバ…




チラッとケイルを見るとヒクヒクと鼻を動かし書庫の奥の方を視ている。




よかったー聞かれてなかったー




よし、とりあえず本だな本!




とつぶやいた事が気付かれていなかったいいことに本題に入る。





「ケイル、必要そうな本は?」





『あぁ…これとこれは必要だろ??』




そういうとケイルは「なぅ~」と一声鳴いた。




すると書庫の奥からひらひらと黒い蝶とエン色の蝶が飛んできた。




「あーたしかにこの2冊は必要だね…」




その蝶達は私の掌に止まると薄く光黒い蝶は金色の縁取りがされた黒く厚い本に



エン色の蝶は

ツルリとしたシルクのような肌触りの向こうの葉書きサイズの薄い本に変わった。




それを小脇に抱え私はほかに必要な本が無かったか記憶を探す、




この5年間でこの書庫のほとんどの本には目を通した。




目を通せていない本はシス姉様が鍵を掛けているせいで触る事さえ出来ない。




つまり実質的にこの書庫の触れる本は




なんとなくだがすべて私の頭の中に記憶されている。




んーあとは薬の書と私のメモ帳くらいかな…



よしッ





パンッパンッ




私は本をわきの下に挟み

ちょうど神社で手を叩くような感じで手を鳴らす。




先ほどケイルが鳴いた後のようにひらひらと

コバルトブルーの蝶と暗緑色の蝶がこちらに飛んでくる。




これも魔法の一種である、

これを最初にシス姉様に見せられた時は何故蝶?

と疑問に思ったものだ…




その疑問は直ぐ解決されたけどね





「蝶だと煩くないし見た目が美しいからよぉ」

って言うシス姉様の一言で。




まぁ、あながち間違っていないと思う。




2年くらいに前この部屋にこもり本ばかり読んでいた時があったけど

本を蝶に変化させて身の回りを飛ばした時はまるで蝶の谷にいるようで楽しかったし、

すごく幻想的できれいだった。




ふわふわ、ひらひらと蝶が合わせっぱなしにしていたての先まで飛んできた。




おっといけない…こんな事考えてないで急がないと。





私は急いで掌サイズのガラスの小箱を出して蝶に保護と所有の印をつけ小箱の中に誘導する、





脇の下に挟んでいた本も蝶に戻し同じ作業をして小箱の中に誘導していれる。





そして仕上げに固定の魔法を蝶たちに掛け、ガラスの蓋を閉じる。





カチンッと小さな音を立ててガラスの箱に鍵の掛かったのを確認してから




そのガラスの箱をポケットにしまった。




「ケイル早くシス姉様の所に行こう。」




とケイルの方を見ると何故か耳を伏せて私の後方を見ている…




何??




「アネモス遅いわよ!!」




ひぃ!?シス姉様!?




バッ!と音がするんじゃないかってくらいの勢いで振り返りシス姉様の姿を確認する。




ィえッほぃッ!!絶対零度の笑顔キタッッ死ぬッ




「遅いわよ…もう時間がないからここから外に飛ばすわよぉ」




え!?



そういうとシス姉様はパチンッと指を鳴らす、




すると私の体の紋章が熱を持ちはじめ床に魔方陣のようなものが浮かびあがる。




「あぁ、そうだったわアネモスに渡しておかないといけないものがあったわ。」




へ?




そういうとシス姉様はどこからか皮袋と小さいビンを出しそれを魔法で私に渡してきた。




この袋やたら重いんですけど…




「皮袋には金貨と銀貨、そして宝石が入っているから使いなさい。

瓶のほうにはミミトゥムの実入りの飴が入っているからあなたの自由にしていいわよ。」




うえぇ!?




それだけ言い切るとパンパンパンと急いだように手を鳴らした。



これは急すぎるでしょ!


「ちょっとま……」





最後まで言葉を発する前に私の視界は真っ白に包まれた。





備考

夕暮れの魔女の書庫はオランダのデン・ハーク図書館のようなイメージです。

かなり広い書庫でアネモスは過去に何度もこの書庫で迷っています。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ