卓越風 弐
遅れてスイマセン><
更新!!
私はあの後2ムルで床と屋根を何とかすべて張り替えた。
もちろん魔法をフル活用して。
シス姉様には絶対文句は言わせない、
なんせ床も屋根も超がつくほど入手困難な素材を使って張り替えたのだから!
床と屋根の素地を手に入れるのに本当に苦労した…
体はもう汗だくだし、髪には木の葉やら木の枝が絡まっているし…
これでシス姉様にダメだと言われたら、私は110パーセントの力で泣いてやる!!
フフフ…今度はぜえったい割れたり、穴が空いたりしないからな…
私がいない間シス姉様が癇癪を起こしてもモーンダーイナイ。
「ふふふっふふ……」
『………なに一人で笑ってるんだ…』
「えッ…いや…なんでもないょ」
頭の中で考えていた事がまた外にもれちゃッたよ…
あっぶなかったーあのままケイルに止められなっかったら高笑いしてたよ…
『アネモス、とりあえず書庫と薬草庫にいかない?』
ケイルが髭をピコピコ動かしながら言ってきた。
あー…この表情はこいつ大丈夫か!?って思ってる時の表情だよ…
「そうだね…」
やっちゃたよー…もー…
さっきの怪しい笑いはこの家出たら絶対しない!!
と眉間に力を入れていたら。
『ねぇ…思っていることスゴイ顔面に出てるよ』
とまたまた突っ込まれてしまった……
「ケイルー……」
『なに?』
「…別に……呼んでみただけ。」
『……』
またケイルの髭がピコピコしている。
「………」
動物は表情筋が少ないから表情が分かりにくいって言うけど絶対うそだ!!
バカやろー!と一人意味もなく思いながら下を見ながらドスドスと歩いていたら……
ゴンッ!!
おもいっきり薬草庫のドアに頭をぶつけた……
「くうっ…」
…痛たた…
鼻低くてよかった…被害がおデコだけで済んだよ…
なんて超プラス思考なことを考えながら薬草庫のドアをあける。
「っぷし…っぷし…」
…後ろから変な声が聞こえてきた。
「…どうしたの?」
なんとなく予想はつくけど…一応後方で鼻を押さえているケイルに聞いてみる。
『くしゃみが…「っぷし」止まらっ「っぷし」にゃい「へぷしゅんっ」』
「……」
ちょっとイラッとしたから無視していいかな…
いや決してなんでコイツ私よりくしゃみが女らしいんだトカ…
ひこが付く猫のゆるキャラのポヤッとした感じを思い出してイラッとしたからじゃない…
「っぷし…っぷし…」
………
…………
………………よし、私はイラッとしてない!!!私はイイ子!!
「ケイル、先に書庫に行って必要そうな本見つけておいてもらっていい??」
『わ「っぷし」っかった「っぷしん」』
と言いながらフラフラとケイルは書庫に向かっていった…
その後姿を見ながら「はぁ~」とため息が出る。
果たしてこんなんでイグドラシスを元に戻す事が出来るのだろうか……
「はぁーー…」
気分を切り替えて薬草室に入り
持って行く薬草を仕分けて品質保存と保護の魔法を掛けポケットに入れていく。
いやー…
このローブ便利だなー
外見からは想像出来ないけどこの収納ポケットにかなりの量の物が入るよ…
しかも収納したものの重さが感じないし、外見も変わらない。
すごいな…
たぶんなんか魔法かけてあるな…
さすがシス姉様「鞄1つで私のファッションを崩させないわよ!!」なんて声が聞こえてきそうだ。
抜け目無いなー…
私は最後の薬草をポケットに入れ終わり薬草室を出て書庫へ歩き出す。
歩きながらもケイルが再びクシャミ地獄に陥らないように
浄化の魔法で体に着いた薬草独特の強い匂いやその他もろもろを落とす。
外の太陽がかなり低くなってメタノイア山脈の直ぐ上で光っている。
書庫は北側の半地下になった一番奥まったとこにある。
あそこはあまり日の光が届かないから早め行かないと…
私は少し足を速めて書庫に向かった。
備考
メタノイア山脈は深淵の森の北側から西側に連なる山脈です。