卓越風
遅れてすいません、更新です!!
私は風が収まったあと私の格好はパンツ1枚から一変してほぼ真っ黒な姿になっていた…
「んふふ…やっぱり似合うわねぇ。」
うっとりとシス姉様が見つめてくる。
「いや、似合うわねって……もうチョットこう普通の感じにできなかったの?」
思わず講義してしまう…
大きなフード付の真っ黒のローブ、
首もとには艶やかな黒い編み紐で結ばれた胡桃大の透明で丸い鉱石ッぽいものが付いたネックレス、
手には魔獣の皮で出来たと思われる黒の手甲が着けられ、
腰元には紺色の太い腰紐に黒い脇差しが差してある、
黒い革編みのブーツは素材が柔らかくてたぶん音が出にくい造りだし
ローブで見えないけど胸にたぶんサラシが巻かれてる
このギュウギュウする圧迫感はたぶんそう…
それに左の太もも内側に何か巻きつけてある…予想は小型の短剣かなぁなんか重いし…
背中の中ほどまで伸びた髪は紐でゆるく縛られたぶんぱっと見女に見えない…
まぁ、体に触れたら気付くと思うけどと思うけど…
シス姉様はいったい何を私にさせたいんだ??
この格好まるで殺し屋みたいジャン……しかも何故さらし?誰かと斬り合いでもするんですか??
私的にはさっき着ていた物に戻してほしかったんだけどなぁ……
「あら…私のコーディネイトに何か文句あるのかしらぁ??」
おー笑顔に迫力が………
「ないです」
ザ・即答☆
えぇ…シス姉様に逆らいませんがなにか?
そういえば私あの恐怖のグニャグニャの実の事聞いてたんだよな…と無理やり違うものに意識を向ける。
「シス姉様、あの実どこいったの?」
「んもぅ、鈍感なんだから…そこと、そこよぉー」
と私の首もとと私の腕の中にいるケイルを指差す。
「ん?」
いまいち指を指されている物を理解出来なかった私にケイルが静かに告げる。
『俺たちの首にぶら下がってるヤツだよ……』
「………え゛」
私は恐る恐る自分とケイルの首元を見る。
私の首もとにはさっき服装チェックした時にみた編み紐と透明な鉱石のネックレスが、
ケイルの首元には私のよりも細めの黒の編み紐に黒い鉱石の首輪がされていた。
「……シス姉様、疑問に思う事が多すぎていちいち質問するのが面倒なので説明お願いします。」
と私は早々にシス姉様に丸投げした。
「相変わらずねぇ…
まぁいいわ確かにアネモスには説明が必要だしもともと教えておかないといけない事があったから一気にいくわよぉ。」
こうゆう時は、シス姉様は姉様ではなく師匠に早変わりする。
「黒の実のことは別に知らなくても差し障りがないから省くわ。
まずはあなたたちが着けているのはあの黒の実の種子の部分よ、
黒い実の外装がその種の中に吸収され最後にそれが残るのだけど
今回は私が少し手を加えてその吸収されるはずだったものを私の髪と融合させて種の部分とつなげたのよ、
だからその紐と種は私で無いと離す事ができないわね。要するに絶対に千切れないという事。
あと子猫ちゃんとアネモスの種の色が違うのは、
子猫ちゃんのほうに少しだけ吸収された実の力が集まって黒くなり
アネモスの種は逆にまったく実の力が集まっておらず透明なの。
もちろん色が違うから2つの種の本質も違うわよ。
まぁ本質が違ってもあなたたち以外にそれを持つものもいないでしょうからその話も省くわね。
ここからがあなたたちが知っておかなければならない事よ。いいわね。
その種は元はイグドライシスが堕としたものゆえにどんな力があるか私にも分からないわ
それのせいで危険な目に遭うかもしれない、でも肌身離さず持っていなさいあなたたちが持っていれば
最悪の事態が起こらないから、絶対よ絶対!!わかったわね!」
と本当に一気に説明してくれた……
いやー長かった……
もう途中から意識半分飛んでたよ…
まぁ、なんとなくこのネックレスの事分かったし
あの元の実のように嫌な感じもしないから問題ないでしょ。
「シス姉様ところでいつ出て行けばいいの?」
「もう、なに言っているの今日の日暮れには目的の国に転送させてもらうわよ。」
「へ!?」
「今日はアネモスにさくさく事情を話してさくさく出て行ってもらうはずなのに、
まったくさくさくすすまなかったわぁ嫌になっちゃう。」
といい顔は笑顔…本心どっちなんですか?
「さぁ、日暮れまであと大体3ムルだからっさっさと用意するわよぉ」
となぜかあたしより活き込んで隣の部屋に消えて行った。
残された私は荒れ果てたへやを見て頭を抱えたくなった……
………絶対今日…厄日だ!!
備考
1ムルは大体1時間くらいです。
この世界の人たちは太陽や月の角度で時間を見るのでムルより小さい単位はありません。しかも季節により変わるのでかなりアバウトなものです!!
いやー大変ですね。