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月光風靡 ヤミノシズク  作者: 青紙 ノエ
月光風靡 ヤミノシズク
13/13

Alley cat kingアズグリアン

 7月下旬 終業式。


 ロキシリアとイデュイアの通う高校、昨年迄は二学期制の学業だったらしい。

 大学の受験などのことを考え、今年から三学期生となった。 つまり今日で一学期が終了し、明日から夏休みになるのだ。

 浮き足立つ生徒たちの心はエンジェルフレアのように、開放感を求めているようだ。



「おはようございます」

 相変わらず凛とした表情をした桐山学園長。


「おはようございます」

「おはようございますですわ」

 ロキシリアとイデュイアの表情はニコニコとしている。


「明日から長期休暇、夏休みとなります。 あなた達のその笑顔はそのせいかしら?」


「そうですわ」

 イデュイアは嬉しそうにしている。

「これはお土産です」

 イデュイアと学園長の会話を遮るように、ロキシリアが学園長にお土産を渡した。


「ご丁寧にありがとうございます。 別荘に泊まれなかったのは残念でしたね?」


 なんでも知っているんだなこの人は・・・。


「いやですわ、学園長。 私たちにプライベートは無いのかしら?」 

「ふふ・・・。 それでは本日は終業式だけですが、放課後も来てくださいね? 伝えなくてはならないことがありますので」


 話を逸らされた二人は学園長室を後にした。


 廊下を歩く二人。 ロキシリアはイデュイアに話しかける。

「ねえイア」

 イデュイアは返事をせずに顔を向ける。

「伝えなくてはならない事って、アイツのことかな・・・」

「十中八九そうだと思うわ・・・」




 終業式後・・・。


 各クラスにて今学期最後のホームルームが行われていた。


「生徒諸君に伝えることがある!」

 開口一番、担任の片桐が意気揚々と声を張り上げた。


「毎年、警察に補導をされる生徒がチラホラいる訳だが、このクラスからはそんな生徒はいないと信じている!」


「片桐先生。 信じられないからそんなことを言っているんですよね?」

 クラス委員の原野が反抗的な口調で片桐を責めている。

「ち、違うって原野 美梨クラス委員長・・・」


 片桐の辿々しい口調に、みんなが笑い出した。


「片桐先生。 補導される、されないの話だけでしたらこのクラスは大丈夫です。 他にお話がないよようでしたら、この場をお借りしても宜しいですか?」

「ど、どうぞ原野さん・・・」


 意気消沈した片桐は原野に壇上を譲った。


「それでは一学期最後のホームルームです。 この場をお借りして皆さんにお伝え致します。 後ろの掲示板には告知致しましたが、毎週月曜日と木曜日に勉強会を開きます。 生徒会より二時間だけリフレッシュルームを借りました。 一応、言っておきますが、勉強会とは名ばかりです。 課題をやるもよし、会話だけしにくるのでもオーケーです。 あと、別件ですが、本日カラオケに行く人は後ろの貼ってある出欠表にマルかバツの印をつけてください。 印を付けないと私から電話が行きます。 その場合、私と話がしたいからと判断します。 私は今のところ恋愛は致しません。 特に男子の場合は冷たい態度をとりますので、気を付けてください。 以上です」



 原野はこの長い文章を噛む事もなく、みんなに伝えた。

 素晴らしい滑舌である。

 ロキシリアは尊敬の眼差しで原野を見つめていた。


「村沢くん? 原野さんを見つめてどうしたの?」

 隣の席の浜田 波留が不安げな顔で話しかけた。

「波留ちゃん、原野さんのベーシャリは素晴らしいです。 一言も噛みませんでしたよ? 原野さんは日本語の師匠です・・・」

「何それ!? 私だって話せるよ? 勉強会に来れば私がレッスンしてあげるよ?」

「それは嬉しいですね。 なるべく顔を出すようにしますよ」

「やったー!」




 そして放課後・・・。


 学園長室でソファーに座るロキシリアとイデュイア。

「早速ですがアズグリアンという名をご存知ですよね?」


 イデュイアの目つきが変わった。


「忘れるはずがありませんわ。 どこにいるの!」

「落ち着いてイア。 今は話を聞こう」


 立ち上がるイアを座らせた。


「ルーナニアを出国したとの情報がありました。 向かった先はわかりません・・・」

 珍しく動揺した表情をする桐山。

「日本に来たら、俺たちは単独で動きますよ」


 ロキシリアの一言で、諦めたように項垂れる桐山学園長。


 

 リュカスの民からAlley cat kingと呼ばれるアズグリアン。

 ルガットの煽動者だ・・・。

 






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