表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月光風靡 ヤミノシズク  作者: 青紙 ノエ
quamoclit 導くもの
11/13

Double talkin Baby ルガッテリア

「あれ? 美梨ちゃんも?」

(よう)ちゃん、昨日ぶりだね」

「昨日ぶり!」


 抱きつきながら挨拶をする原野と内本 葉。


「ところで潔、イアお姉様は?」

 キョロキョロと辺りを見回す葉。


 葉は兄の潔を呼び捨てだ。


「ああ、あの二人は少し遅れる。毎日、下校前に学園長と話をするみたいだ」

「すごーい! お姉様って特待生?」

「ルーナニアからの留学生だからだ。最初に言ったはずだ」


「ふーん・・・。それじゃ中で待とうか」

 颯爽と一人、お店に入る葉。


「葉ちゃん、マイファーストだね・・・」

「本当、嫌になる・・・」


 その後、二十分ほど経過し、ロキシリアとイデュイアが店内に現れた。

 ロキシリアとイデュイアは注文を終え、内本兄妹(きょうだい)と原野がいるテーブルへと到着した。


 イデュイアのトレーにはところ狭しと色々と乗っている。

「イデュイアさん、そんなに食べるのですか?」

 原野が驚きつつイデュイアに聞く。

「ええ。ロキにも、()()()してあげるのですわ」

 

 イデュイアの発言にドン引き状態の原野と内本兄妹。


 内訳:塩キャラメルラテL

    カルツォーネ ナスとチーズのボロネーゼ

    エビ・アボカド・サーモン ~爽やかレモン仕立て~

    抹茶と練乳のムースケーキ

    合計 2,240円


 


「ああ、気にしないで。イアはいつも沢山食べるよ。色々なものを食べるから素敵な女性になれるんだ。ね、イア」

「ふふ。ロキ、あなたも素敵よ」


 ますますドン引きをする三名であった。


 その後、葉はイアに質問責めをし・・・この場合は質問攻めと言ったほうがいいかも知れない。それほど葉はイデュイアのことを気に入ってしまったようだ。

 一方、潔とロキシリアは意気投合し、週末に勉強会を学校の図書室で行うことになった。


「ロキ? 私を一人にする気?」

 イデュイアは呆れたように潔とロキシリアの会話に入ってきた。


「何を言っているの? イアも一緒だよ。 キーヨ、いいでしょ?」

「もちろん構いませんよ」


 イデュイアはロキシリアの肩におでこを乗せ、嬉しそうにした。


「なんだか恋人同士みたい・・・」

 原野はボソッと呟いた。


 そして今回はお開きとなり、お店の前でそれぞれ別れた。



「ねえロキ」

「葉の言っていたこと?」

「あら? 鋭いわね」


 先ほどのイアと葉の会話の中で興味を引く内容があった。

 葉のクラスメイトの女子。

 その女子は最近、引っ越してきたと言う。

 名前は加藤 沙耶(さや)。肌が色白というよりも、青白く、まるで病人のようだという。そして、葉の髪を触ったり、腕にキスをする素振りをするという。

 その転校生。ノンバイナリー、または性不合かも知れない。その加藤 沙耶のことには悩んでいるようだ。

 イアに会いたがっていたのは、イアの大胆不敵に見える言動や、大人びた仕草から、『私はこんなカッコいい女性と仲が良い!』というところを加藤本人に見せたかったのかも知れない。

 

 ちなみに俺とイアは、その加藤 沙耶に尾行されている。

 加藤 沙耶から漂う異臭はルガットそのものだ。

 

 俺たちは自宅へと向かわずに、近くの河川敷へと遠回りをした。

 そして川に掛かる電車の高架下で俺とイアは立ち止まる。


「出てきたら? 加藤沙耶さん?」

 イアが(くさむら)に隠れる加藤沙耶に言った。


「すごーい! よく気がついたね!」

 そう言って加藤 沙耶はロキシリアとイデュイアの前に姿を現した。

 

 青白い肌と黒髪。夕陽に照らされるその姿は死神のようにも見える。


半覚醒者(ルガッテリア)だね・・・」

 

 ロキシリアが言う。


「何それ? そんな事よりもいい事を教えてあげるね。 私ね、最近すごいのよ? 記憶力が爆上がりして、走るのも早くなって、あとは・・・。 とにかく凄いんだから! だからアンタなんかに葉ちゃんはあげないんだからね!」


 加藤 沙耶は興奮しているようだ。黒眼が徐々に金眼へと変化し、両手の爪は一五センチほど鋭く伸びた。

 

「はぁ・・・。 何だろ? お前たちからいい匂いがするんだけど! 特にそのおとこ・・・」


 加藤 沙耶が言い終えないうちに、イデュイアは突然姿を消した。

 次にその姿を現した時、イデュイアは血まみれになり、加藤 沙耶の頭部を持っていた。


「この女! ロキに色目を使いやがって!」


 イデュイアはそう言って、加藤 沙耶の頭部を高架橋の石柱に思い切り投げつけた。


 河川の土手には赤色灯が輝いている。

 救急車やパトカー。護送車が到着したようだ。


 相変わらず、この国の公安の動きは早い。


 ロキシリアとイデュイアは覆面パトカーに乗り、自宅へと向かった・・・。



「あの女・・・」

 イデュイアはパトカーの中でも怒り心頭中であった・・・。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ