↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
28/40

内緒の時間




保健室のベッドが埋まっていて利用を断わられる日もある。




「具合悪いんだったら早退する? あいにくベッドは二つしかなくてね」


「一つはセイくんが使ってるんですか?」



「彼は仕事が忙しくて寝る場所がここしかないから、そっとしてあげてくれる? もう単位が落とせなくてね。こうでもしてあげないと午後の補修授業に出席出来ないの」




セイくんは保健室のベッドを他生徒に譲れないくらい、学校から大切にされている。


時に悲しいニュースもある。


彼はいつも保健室にいるわけではない。

当たり前だけど、授業を受けたり仕事が入ってる日は保健室にいない。

だから、彼との会話は限られた時間内で交わす。




「何処に行っても誰かしらに追われるから、学校が一番楽。外を歩く度に他人に写真を撮られるし、有る事無い事書かれてSNSで飛ばされるし」


「芸能人って大変なんだね」



「だからいつも安全地帯にいるんだ」


「学校はセキュリティが厳しいから安全だもんね」



「ねぇ、あの歌が聴きたいからまた歌って」


「うん、いいよ」



「でも先に飴食べたい」


「じゃあ、またカーテンの下から手を伸ばして」




彼に会えた時は胸がときめく時間。

最近は養護教諭が室内にいる時でも、小声でやりとりしてカーテンの下から飴を渡す。


ほんのり温かい指先が触れる瞬間は、私にとって幸せな時間。

彼と会えた時間は、皆川くんから飴を貰っていたあの時のように、一つ一つ思い出として刻まれていく。



隣にいると思うだけでドキドキするから、ひょっとしたら彼の声に惚れてるのかもしれない。


顔を見たら残念かもよって菜乃花に意地悪を言われたりするけど、顔を知らないからこそ興味が湧いてしまうのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。