0049 変容する経験[視点:従徒]
今日は2話更新
自分がもし数日間意識を失うことになったら、という前置きの上で、オーマはル・ベリにいくつかの言伝を残していた。それは主に、ル・ベリとソルファイドが代胎嚢の内にあって、戦いの傷からの回復に努めていた間に、彼が立てた、最果ての島の『地上開発計画』に関するものであった。
主には労役蟲達の土木工事による、地下と地上を繋ぐ"道"の造成。
そして倒木や巨石などを運んだり、砕いたりする役割は戦線獣や噴酸蛆達が担い、直近では新たなる眷属の系統である触肢茸がこれに加わる。物資や道具の運搬に関しては、種類と量に応じて走狗蟲や遊拐小鳥にも役割が分担されており、オーマが望んだ『因子狩り』のための物流体制が急速に整っていた。
加えて、鍾乳洞を中心とした、島の地下空洞を繋ぐ諸道もまた『9氏族陥落作戦』の時のものが元となり、網目のように島中を繋ぐ道が今もまた労役蟲達の労働力によって、少しずつ形成が進んでいる。
今や【エイリアン使い】の迷宮領域は、かつての鍾乳洞の一部のみではなく、最果ての島全体を覆うものに進化しつつあった。
その中にあって、ル・ベリは奴隷小醜鬼達を指揮しながら、その労働力化と調教を進めており――。
「ふうむ、また形成不全か……」
ル・ベリは現在、旧ムウド氏族の集落にいた。
そこはかつての"集落"のように、ル・ベリによって選別された"奴隷小醜鬼"達が、一見すると従前と変わらぬ生活を営んでいたが――明らかな変化がある。
戦線獣や餌付けした亥象達によって、小醜鬼達の手による木造の小屋は解体され尽くしており、かわりに巨大な「長屋」が木漏れ日群生地全体を覆うかのように形成されていたのであった。
長屋は半円形に、ちょうど「C」の字のように折り曲げられた2階建ての構造である。労役蟲達が土塊と岩礫と【凝固液】を混ぜた、直方体のブロック――オーマが命名して曰く『レイバー煉瓦』――がレンガのように積み重ねられており、現在は100体近い小醜鬼の個体が、老若雄雌、"特質"に応じてル・ベリの差配によって各部屋に押し込められている。
また、今この瞬間もせっせと"連絡通路"から「レイバー煉瓦」が労役蟲達によって運ばれてきており、最終的には4階建てとして500体近くまで収容できるようにする計画であった。
そして「C」の字の中心。
かつて『樹冠回廊』から落下してきて木漏れ日群生地の央を成していた巨大枝塊は取り除かれ、迷宮の地上部と地下部を繋ぐ"連絡通路"から5分ほど潜った地下洞窟の広間には、ル・ベリがオーマより預かり受けた5基の代胎嚢が薄明かりの中で蠢いている。
たった今、5基からそれぞれ吐き出された――小醜鬼のようで小醜鬼ではない形成不全体達。それらを、まるで生まれたばかりの赤子の発育を厳しく判断する老練な産婆のように鋭く検分しながら、ル・ベリはため息をつく。
「明らかに、御方様が検証された時よりもこうなる割合が増えている、か」
念のため『魔素』の流れがわずかでも感じ取れれば、まだ『魔法の属性』に関する『因子』がわずか搾り取ることのできる検体として『性能評価室』へ運ぶこともできるが――今回の"組"は失敗だったようであった。
ため息を再度つき、ル・ベリは【異形:四肢触手】と合わせた6本の腕で、完全に手慣れた事務的な流れで、5体の形成不全体を次々に"絞めて"いく。そして、それらの遺骸を木製の台車に放り込み、待機させていた成体の奴隷小醜鬼に地上まで運んで行かせる。
そして、この"組"が失敗することをあらかじめ見通して、すでに呼び寄せ、広間の隅で待機させていた次の「繁殖組」を雄雌合わせて5体ずつ、触手を鞭のようにしならせて地面を叩いて呼び出し――次々に、これまた慣れた手付きで、まるで土鍋に具材を次々と放り込むかのように、5基の代胎嚢に放り込んでいくのであった。
「精が出るな、魔人ル・ベリよ」
「赤髪トカゲか……貴様、この俺の仕事場には用事があっても来るなと言っていたはずだが? そんなに興味があるなら、貴様も小醜鬼の雌と"かけ合わせ"てやろうか」
「さすがに餓えても、小醜鬼は食う気にもならん。それより、主殿はまだ……出て来ぬのか? それは、お前ぐらいにしか聞けぬだろう」
「殊勝なことを言いおって。立場をわきまえた振りは覚えた、というところか。言いぶりから察するに、御方様がご所望された"風呂"は出来たということか?」
憎まれ口を叩きつつも、ソルファイドの「お前にしか聞けぬ」という言に、わずか自身すらも気づかぬレベルで気を緩ませるル・ベリ。
しかしソルファイドはソルファイドでそのことに気づいた様子は無く、ただし従徒としては己の先達である――生きた年数が半分にも満たないところのル・ベリに、丁寧に伝達しているつもりではあった。
「労役蟲達の助けを借りたがな。小川と、いくつかの湧き水の流れを拝借して、その先に洞窟から切り出した石材を敷き詰めた"水間"を用意した。主殿が湯浴みを所望した時には、俺が先に行って"沸かし"ておけばそれで足る」
「迷宮から掘り出した岩礫の風呂、か。"魔素"と"命素"が湯に滲み出してきそうで、なるほど、迷宮領主たる御方様のお疲れを癒やすのにはちょうどよいかもしれん」
「お前も入るか? あれは――心身の修行にも良いぞ」
「その手に乗るものか。俺が入った途端、貴様、火竜の力とやらで湯を沸騰させる気だろう? どの口が"修行"などとほざくか」
「……俺の故郷である『ウヴルスの里』には"魔獣"――魔力を帯びて瘴気を浴びて歪んでしまった存在が大量に居てな。日々、そいつらを狩っては"湯"で清めていたものだ。いくらでも魔獣どもの"瘴気"が流れ出たぞ。その中に身を浸すのも、また良い修行であった」
「何でもいいが御方様の害になることだけはするなよ、赤髪トカゲ――それで、そんなことを言うためだけにわざわざ俺の邪魔をしに来たのか? それだけならば心話だけで十分だろう。暇なのか貴様。ならば亥象の糞掃除でもやってもらおうか?」
「良いだろう。だが、なんとなくお前が俺に聞きたそうなことがあるような"気"がして、な」
「なんだと? ……まぁ、いい。小醜鬼どもを嬲るのは飽きないが、会話の相手としては貴様の方がまだマシか――形成不全どもについて、貴様はどう思う?」
ソルファイドには嫌味や皮肉の類が本当に通じていない、ということをル・ベリは段々と学習しつつあった。
そして、仕事を邪魔されたと言いつつも、なかなか思う通りの結果が得られない中での気分転換として、もはや言葉も通じない存在と成り果てた小醜鬼を相手にすることに飽いていた。その意味で、気に食わない存在であるソルファイドではあったが、小醜鬼よりは話し相手としてマシであるというのは本音でもあった。
「難しいことは俺にはわからないが――俺が来る前と、来た後での大きな違いで言うなら、やはり多頭竜蛇の『竜言』だろうな」
「"海憑き"か。貴様、あれが多頭竜蛇による小醜鬼どもへの"指令"と……"知性化の強制"という話。あれは本当なのか?」
「間違いなくあれは『竜言術』だった、俺のこの血に受け継がれる【原初の記憶】が確かなものならば、な」
ソルファイドがそのことに正確に気づいたのは、シャガル氏族の老祭司ブエ=セジャルを観察していたからに他ならない。
夜な夜な、弟子や"見習い"達を引き連れては海岸の近くまで赴き、多頭竜蛇が海中から遠雷の如き海鳴りによる"海憑き"――『竜言術』によって小醜鬼達を「選別」する様を見ていたからであった。
「少なくとも貴様の言う通り、小醜鬼どもの全般的な知能低下は明らかだな。こんな連中に、俺は今まで虐げられていたと思い返すたび、腸が煮えくり返る。そして我が尊母もまた、こんな連中に頼って生きねばならなかったなど……」
「テルミト伯の元メイド部隊の女、か。"脱走"時の立場は『第二部隊』の『副長』だった、と俺は聞いている」
「御方様は寛大にも、貴様から献上された情報を俺に共有なさった。【人体使い】テルミト伯は、各地から身寄りの無い者を集めて――己の従徒とする代わりに、その身体を改造していたらしいな?」
「俺も、そうされたがな。だが、主殿から聞いたなら、お前に対しては申し訳ないが……『リーデロット』という名前は秘されていた。俺も、この島に送り込まれる時までは知らなかった」
「貴様がこの俺に対して"申し訳ない"だなどと、ゾッとせんな」
「テルミト伯は今後もこの島を狙い続けることだろう。俺が主殿の情報を、奴に流れるようにしてしまったからな。あの男の性格を考えれば――自分のものを取られたと思い込んで、怒り狂っている、というところか?」
「子供のような性格の奴ということか、我が尊母を死に追いやったテルミト伯とは。まぁいい、話を戻そう、御方様の御役に立つことが最優先だ。赤髪トカゲ、竜人ソルファイドよ、貴様は小醜鬼どもの知能が低下したことが、形成不全どもがさらに増加した原因だと言いたいのだな?」
ル・ベリによる"検証"は、事前のオーマの指示と示唆を受け、様々な条件を設定したものであった。
代胎嚢の拡張ウィンドウにおける『生成倍率』について、オーマが『エイリアン語』でのやり取りをル・ベリと代胎嚢との間で仲介していたこともあり、ル・ベリは小醜鬼の胎児の様々な「発育段階」を設定することができていた。
そしてその中で気づいたこととしては、当然ではあったが、より急激に成長させようとすればするほど形成不全となる確率が高かった、ということである。
それは逆に言えば、幼体であるに留める限りは、形成不全となる可能性が低い――それでも一定数発生するが――ということである。主オーマが望む「資源」と化し、"品種改良"を加えていくこと自体は、雌の妊娠期間を大幅に短縮させることができるという意味では、それでもル・ベリの「研究」は進展しつつあった。
なお、一度形成不全となってしまった場合は、たとえそれが"血筋"としては氏族長筋であったり、あるいは小鬼術士の子であったとしても――『因子』を解析する役には立たないことが判明している。
「少なくともお前が小鬼術士をなんとか量産できないか、と試行錯誤していることはわかる」
「そうだな。御方様の偉大なるお力である『因子』の糧とするためにも、そして御方様が望まれている『魔法』に関する知見を増やすためにも、それを優先している」
「俺が知る限りだが、小鬼術士は全て後天的になるもののようだ。お前には――"竜の前で天候を問う"ようなことだろうが、厳しい指導と奴らの獣としての本性を押さえつける残酷さがあってのもの、だと思う」
「その大前提となるのが"知能"なのだろうがな。だが、そうすると多頭竜蛇は、小鬼術士をわざと増やしていたのか?」
「……なぜ、そうしたかまではわからないがな。だが、一つ思い浮かぶのは――多頭竜蛇は迷宮領主たる主殿に餌をやっているのではないか、と考えたことはある。荒唐無稽かもしれんが」
ソルファイドの"思い浮かび"に対し、ル・ベリはどういうことだと言わんばかりに睨みつけ、続きを促す。ソルファイドの言いぶりと、過去に主オーマと話し合ったこととの間に、関連性があるように思えたからだ。
「俺を主殿にぶつけるように仕向けたのは奴だからな。そして、主殿が小醜鬼どもを完全に粉砕して、支配してからは……奴の"海鳴り"の『竜言術』は、お前もよく知る、ただの海に飛び込ませるような誘引の言葉のみのものに変わった」
「わからんな。御方様の味方をするつもりならば、掌握し支配しこの俺の手によって奴隷として統率できるようになった今こそ、もっと多くの小鬼術士が発生するようにすればよいのではないか?」
「"餌をやっている"から味方、だとは限らないだろう?」
「――哀れなる生物め、御方様を肥え太らせてから喰らうつもり……ということか?」
「だから、単なる思いつきだと言ったのだ、ル・ベリよ。ただ、少なくとも戦い合わせて成長させようとしているならば――あるいは、お前の母も」
ソルファイドがリーデロットに言及するにあたり、ル・ベリは静かにその手を上げて彼を制した。
その可能性は、ル・ベリ自身もまた考えていたことであったからだ。
母リーデロットは【人体使い】の元から、追い詰められて、逃げ出して『最果ての島』への絶望的な航海に出たが……果たして、この卓越した武を持つ竜人をして、なんとか生き延びて見逃された程に強力な多頭竜蛇が、母リーデロットをどのような理由から"見逃した"のか。
その辺りの詳しい経緯を、自分は知らない。知らされていない。
「魔人、ルフェアの血裔と小醜鬼がどういう"関係"なのかは、俺も多少は聞きかじっている。多頭竜蛇は――それを知っていて、お前の母をこの島に招いたのかもしれない」
「……貴様にわずかでも気が利く、という行動を期待した俺が愚かであった。トカゲ頭め。言われずとも、わかっている。それがこの俺という存在にとって、どういう意味であるかな」
そうか、とだけ呟いたソルファイドがようやく"気を利かせて"口をつぐむ。
「我が尊母か、あるいはこの俺か。はたまた貴様か。とにかくもあの"竜神"は、この地に迷宮領主を意図的に作り出し、そして育てようとしていたということだろう。育ててからどうするつもりであったか、までは貴様の言う通りわかったものではないがな……御方様もまた、奴がこの島に流れ着くものを"選別"している可能性に言及されていた」
そして、主オーマが何らかその眼鏡にかなうと見るや、用済みとばかりに小醜鬼達への『竜言術』をやめた。
「それで、そうだとしてお前はどうするのだ?」
ソルファイドの素朴なのか無骨なのかわからない問いかけに、ル・ベリは鼻で笑う。
「知れたこと。元より多頭竜蛇の力など借りるつもりもなければ、目算が狂って厄介なだけだ。"餌"だと言うのならば、あれこそいずれ御方様の糧としてくれるわ。だが、貴様の指摘は参考にはなった――要は、これまで"海鳴り"の咆哮によって、『竜言術』だったか、それによってあの劣等生物どもの"知能"が高められていたことが鍵なのだろう? ならば、それと同じようなことを試してみるまでだ」
「ただの先祖返りに過ぎない俺の『竜言術』は、あの"亜竜"にすら届かないぞ?」
「最初から貴様に頼ろうなどとは思ってはいない。あぁ、やっと御方様が仰っていた『経験点』の意味が、いくらかわかったぞ。要は"経験"だ、"経験"が足りぬから知能が発達しない、そういうことだろう」
「――何を試すつもりだ、お前」
***
2日後。
頼まれた亥象の繁殖地での「糞掃除」を労役蟲や奴隷小醜鬼達に混じって終え、ル・ベリの元まで戻ってきたソルファイドが見たのは、次々に幼体ゴブリンに対して【弔いの魔眼】によって"同族の死の経験"を強引に植え付けているル・ベリの姿であった。
「おい、ル・ベリよ。"廃棄"分がむしろ増えているように見えるが。気のせいか?」
「今日も邪魔しに来たな、竜人……赤頭め。貴様が我が【魔眼】を食らって、随分と大昔の記憶を辿ったらしいからな。同じことをこの劣等生物どもで試そうと思ったまでのことだ。何分、この【魔眼】を発動するための"媒介"はそれこそ廃棄しきれないほどあるからな」
ル・ベリはまず代胎嚢によって、小醜鬼の番に幼体を出産させ、形成不全となる割合がギリギリ許容できる発育段階まで成長させる。
そしてその幼体に対し、『2氏族競食』や『9氏族陥落』や、その他日々の拷問や御方様の眷属達によって襲撃と監視を行っていた時期の"遺骸"を使い、様々な「死」を経験させていたのである。
当然、ショック死する個体が多数である。
だが、ル・ベリはそのショック死した個体すらをも【弔いの魔眼】の媒介とし――ショック死すればさらにそれを【弔いの魔眼】の媒介とする、ということを繰り返した。
その結果、何が起きたか。
ある小醜鬼戦士が、戦線獣によって脳天をかち割られる「死の記憶」によってショック死するという「死の記憶」を見せられ、さらにそれでショック死すればその記憶を見せられる――という「死の記憶」の入れ子状の連鎖が発生したのである。
この場にオーマがもしいたならば「死の記憶のマトリョーシカ」とでも表現したであろう。
ル・ベリが、"検体"がショック死するたびにその行為を繰り返していくたびに、後の方の"検体"はより「長い」死の記憶を浴びせられ――死の危険に対する生物的な本能によってか、知能に発達の兆候が見られ、数度もの「ショック死」を耐えた個体に至ってはついに代胎嚢による"成育"が顕著に成功したのであった。
「だが、成功率は上がった。今のところ生き残った個体に関しては、形成不全は無しだ……残念ながら小鬼術士の素質を持つ個体はまだだが。労働力と、改良のための"種"には使える」
「よくもまぁそこまでやることだ。お前が特別、小醜鬼を憎む男だと主殿から聞いてはいたが……」
「馬鹿め、こんなものは、御方様の代わりにこの俺が"泥をかぶる"ということだ。御方様は――俺どころか、並の『ルフェアの血裔』と比べても、この劣等生物達への嫌悪感は薄いらしいからな……この『人族もどき』どもへの、な。それが御方様の御心にどんな心労をかけてしまうか、そしてそれを我らの前で隠そうとする御方様のご深慮、わからぬ俺ではない」
「なるほど、働き者なことだ」
「だから、馬鹿めと言ったのだ。暇なのだろう? 仕事をやるぞ、竜人ソルファイド。今から指定する10体の奴隷小醜鬼どもを――貴様のその"火"の力で、10通りの方法で処分してこい。ただし消し炭にはするなよ、"骨"の一欠片で良いから、残して持ってきてくれ」
「……なるほど。確かに"経験"だな、"経験"を積み重ねさせる、か。苦しめることは俺のガラではないが、主殿を慮るお前の言葉も間違っているとも思わん。気は進まないが、それで俺が気に病むものでもないか。主殿が目覚めて、新たな命があるまでは手伝ってやるとしよう」
***
【エイリアン使い】オーマが、かつての世界の名であった「マ■■」として浸潤嚢の中で微睡んでいた6日間。
斯くの如く、ル・ベリは【弔いの魔眼】による「死の記憶」を特定の個体に累積させることで、多頭竜蛇の『竜言術』による"知性化の促進"が失われた小醜鬼種族に対して、見事にその"経験"という意味での代替を成した。
しかし、それは本質的には「小醜鬼としての経験」とはいささかかけ離れたものである、ということにル・ベリは気づかなかった。
彼のこの行いが、【闇世】の大陸では絶滅し、『最果ての島』に生き残っていた『小醜鬼』という種族を、根本から変質させてしまう試みであったことが明らかとなるのは――今しばらく、先のこととなる。





