第8話
更新遅れました……(´・ω・`)
「そうだねぇ……」
と、MAKIは路地裏から除く狭い青空を仰ぎ、溜息をつく。
1通り俺の話を聞いていた彼は、うんうんと頷きながら珍しい真剣な表情で話を聞いていた。
「とりあえずMOON君は彼女に謝りたいってのは変わんない?」
「……変わらないです」
「そっか」
素っ気ない答えを返し、再び空を仰ぐ。その眼はどこか虚ろで、いつもより何を考えているのか分からない。
「僕もねこんな性格しているから他人を傷つけてしまう事もあったんだ。 今じゃそうしないように気を付けているけどね。 こんなような事にも何回も遭遇した事がある」
「そう……だったんですか」
その話を聞いて正直意外だと思った。こんな性格だからこそ彼はギルドのリーダーを務め、現実でも輪の中心にいるのだと、勝手に決めつけていた。
勝手に決めつけていたからこそ、その決めつけとの真逆さに驚きを隠せなかった。
「そういう経験をしてきた僕だからこそアドバイスをあげる事が出来る」
「君は、謝るべきじゃない」
え?。MAKIの発した言葉は想像を絶する言葉だ。『謝るべきじゃない』? 何故だ。なんでそう思ったんだ。
彼の答えに対する疑問が湧き続けて、止まる事を知らない。
「なんで? って顔してるね」
「そりゃ。そうですよ。なんで謝るべきじゃないっていうんですか!?」
「だからこそだよ。君は彼女を突き放した時に、彼女を今の俺みたいに勝手に判断して突き放した。それが1番、いや、それだけがまずすぎるんだ。見た目だけで判断してしまって君は突き放した。しかもそれは彼女の反応的に割とコンプレックスだったんじゃないかな? 他人のコンプレックスを非難して突き放すってのは、その人にどれだけのダメージを与えているってことは君が1番分かっているはずだよ」
「――ッ」
確かに、人の抱えるコンプレックスを非難するというのはその人に対してどれだけのダメージを与えるのかは、それを体験したことがある俺だからこそ分かる事だった。
なぜそんな簡単なことに気付けなかったのだろう。なぜその体験を忘れていたのだろう。なぜ、経験したことあるのに彼女を同じことで、しかも加害者として傷つけてしまったのだろう。
他人に言われて理解するのでは遅い。それに気付くのも遅すぎた。
だから、彼は『謝るべきではない』と言ったのか。
「……分かったようだね。そう、君のやった事はそんな簡単に収縮出来るようなポイントを既に通りすぎてしまっているんだ。だから、『謝っても無駄』って言ったんだよね」
「そう、ですね……俺が彼女に対して何をしてしまったのか、理解するのが遅すぎました。しかも、俺が過去にされた事を彼女にやってしまったってのを気付くのも遅すぎました」
本当にどうしたら良いのだろう。俺には今取るべき最善の行動がさらに分からなくなってしまった。だからこそ、彼のアドバイスよろしく、何もするべきではないのだろうか。
色々考えるたびに俺の頭の中はこんがらがってしまって、今取るべき行動すら分からない。
「とりあえず落ち着こうか」
彼の声で、はっと我に変える。
「今君がするべきなのは『彼女に謝る』って事よりも、『彼女に謝るための機会を作る』って事の方じゃないかな?」
……確かにそうなのかもしれない。正直彼女に謝るために東奔西走しても意味がない事など、考えてみればすぐにでもわかってしまう事で。
俺はそれに気付けない程、錯乱してしまっていた。
***
結局あの後俺はゲームからログアウトし、ベットで部屋の屋根を見上げていた。
「どうしたら……」
MAKIにアドバイスを貰ったが、それを聞いて納得してしまっている俺と、俺の考えを貫き通したい俺が、頭の中で討論を繰り返している。
「くそっ!」
布団を被り、瞼を閉じる。まだ頭の中に俺の声が木霊し続けていた。
最後までお読みいただきありがとうございます!
学校の休校が終了しオンライン授業が始まったことで、課題に追われ更新が出来ませんでした。
これからの更新ペース上げて頑張っていきます