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第14話

頑張って更新していきます……

 結局俺の朝はライトエッジの1言で謎の終結を迎えた。何ともスッキリとしない結末だが、まぁ収まるとこに収まったという考え方で綺麗に片付いたから良かったというものか。

 流石に1晩中ゲームに入り続けて疲れたのか、急激に眠気が襲い掛かってきた。


「流石に寝ないと……」

 

 いくらゲーム内で寝たとは言ってもあくまで現実の身体の疲労が取れるわけではないのだ。


ねむ……」


 大きな欠伸を1つ。そしてシステムウィンドウを開いてログアウトする。周りの景色が遠ざかっていき、目の前が暗闇になった。

外には鳥の鳴き声や、美味しそうな料理の匂い。現実リアルに戻ってきたのか……。

 ゲームデバイスを外すと、無性に腹が減った。ゲーム内の食事はいくら満腹感は有るとはいえ、実際に腹が満たされるわけではない。というか、仮想の食事で現実の腹が満たされるとかあったら、魔法使いもびっくりの魔法に違いない。そんなことすれば現実はデフレ化待ったなしだ。

 現実になる事の無い妄想に心躍らせ、夢見ごちで階段をゆっくりと降りる。結局俺の5感で認識できることしか現実ではない。そんなことわかっているいる癖に人間というのは理想に夢を抱き、現実に絶望し、理想からも現実からも、何もかも捨てて逃げるのだ。

 そんな事を思いつつも、リビングまでおり冷蔵庫を開く。中にはいくつかの食材と飲み物が入っている。何も考えずに視界に入った飲み物を取って再び俺の部屋に戻る。 

 休みの日なんてこんな生活がいつもなのだ。原宿や渋谷なんて行くような陽キャでもないし、秋葉原とかに行くほどの行動力のあるヲタクでもない。家に引きこもってゲームをするか、何もせず1日をだらりと過ごす堕落した生活を俺は好んでいる。


「さて、少し休憩取った後は何をするかな……」


 『(ファンタスティック)・E(・エストニック)・О(・オンライン)』をプレイする事は決まっているのだが、今決めかねているのはその中で何をするか、という事だ。いい加減狩りをするのも飽きてきてしまったし、PVPをしても俺の技術力では勝てる相手など片手で数えられるかどうかというところ。

 しかし、この胸のもやは何なのだろう。最近何をするときにも何かモヤッとしてしまうのだ。集中できないし、何故か苛立ってしまう。……何が原因なのか、分かっていないわけではない。分かっているからこそたちが悪い。


「くそっ……」


 この心残りは明淵の事なのだろう。というか、それしか思いつかないのだ。なんであんな女の事でこんなに苛立っているのだ? 俺には分からない。自分の事だからこそ分からない。

 結局この前の謝る絶好のチャンスを彼女の態度が気に入らなかったからというそれだけの理由で、俺はチャンスを棒に振った。それが心残りなのだろう。


「これからどうやって話せばいいんだよ……」


 しかし、不思議だ。なんで俺は彼女の事をここまで考えているのだろうか。あんな性悪女適当に放っておけばいいものを、何故ここまで関わろうとしているのだ。思えば四六時中俺は明淵の事を考えている気がする。

 これじゃまるで――。


「まるで……『恋』してるみたいじゃないか……」


ぽつり、と声に出てしまった。

 いやいやいや! ありえないね! この陰キャ人生歩んできて恋ってものが実ったことないし、いつも片思いだったし! 中学に入る事には『恋なんて人生の無駄』って割り切ったじゃんか! 恋なんて俺にとって論外だね!!

 よく分からない答えを頭の中で全否定し、消し去る。俺にとって『恋』ってのは地雷原に踏み入るようなことで、これからの人生必要ないと割り切って捨てたものなのに、それが原因で明淵に執着しているなんて非現実的すぎる。いや、ホントに。

 あんな女のどこかいいのだ? というか、あんな女のどこに惚れる要素があったんだ? エロゲでもあんなキャラのルート選ぶ人なんていないだろ。ツンデレでもないし、『ツン』というよりただ性格が次元屈折を起こす程捻じ曲がっているだけだろう。最早エロゲのキャラにすらならない。

 

「何焦ってんだろ……」


 オーバーヒートを起こす寸前の頭脳を押し鎮め、溜息を1つ。……呆れた。本当に自分に呆れてしまった。こんな恋に対して考えているだけで、勝手に白熱してしまうような人間ではないはずだと思っていた。自分で自分を裏切る結果になってしまったことに呆れているのだ。


「あほくさ……」


 本当にどうしてしまったのだ俺は。何故、彼女に恋をしているなんて思ってしまったのだ。いや、思ったとしても何故それをすぐに否定しなかったのか。

 

***


 ――結局モヤモヤを捨てる為に、PVPの闘技場の観戦に行くことにした。

やる事が無さ過ぎて興味もないPVPの観戦なんて来てしまった。人同士の勝負なんて何が面白いのか俺にはよく分からない。戦うのは負ける事が多いから嫌いだし、見るのもザクザクと斬り合う模様なんて面白そうではあっても、見るだけで目を塞ぎたくなりそうだ。

 だが、やる事が無さ過ぎるのだ。興味もない闘技場に見に来てしまっているのだ。

 しかし、その興味の無さは闘技場に登場したあるプレイヤーによって一気に消え去ってしまった。

最後までお読み頂きありがとうございます! さて、お話する内容がないので、ささっと次の執筆に映らせていただきます。闘技場に出てきたプレイヤーとは!? 乞うご期待ください

では、次のお話でお会いしましょう

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