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......くぅーん。
ここは......どこだろう?
周りは真っ暗で、光が全く無い。
死んじゃった後の世界、とかかな?
クンクンクン
待って! この匂いは!
僕は急いで匂いの元に顔を向ける。
居た。きなこだよ。良かった。よかった......っ。
しかも。
「生きてる。生きてる。生きてるよ! 死んでない。僕達は助かったんだ!」
興奮で、耳がピーンと立ち、尻尾は左右に揺れるのが止まらない!
お目目からは、またお水が出てくる。
どうして助かったのかは分からない。
ここがどこだかも分からない。
でも、生きてるだけで良い。
そんな事を考えている内に、きなこが起きた。
辺りをキョロキョロし、あっちへちょこちょこ、こっちへちょこちょこと足を動かし、僕の事を見つけて固まった。
少し経った後、僕の方へ駆けてきた。
僕もきなこの所に駆けていく。
「きなこ、生きてた! 生きてたよ!」
僕がそう声をかけると、きなこも嬉しそうに
「うん! 人間が来たのに生きてるよ! それに......あずきに何も無くて良かった」
と答えてくれた。
僕達は、自分達が奇跡的に生き残っている事に喜び、顔をスリスリした。
ワンっ! 最っ高っ!
僕達は体を寄せ合い、再び眠りにつく事にした。
きなこのもふもふが気持ちいいし、体温も感じる。
もう、感じることは無いと思っていたのに!
僕の尻尾は天にも届かん勢いでピーンと上に伸び細かくフリフリしてる。
きなこも同じ事をしてるので、2人でフリフリだ!
でも、極度の緊張でつかれてたんだろう。
生きるって......いいなぁ......もう......しぬおもいは......したくないね......
僕達はそこで寝てしまった。
......ゴトンゴトン
......ガタンガタン
......ブーン
......シューゥン
......シューゥン
......キキっ!
......プッシュー
......バタン! バタン!
......ガチャッ!
......んー? なんだ、この匂い......
って、人間!! ヤバイぞ!!
人間がドアを開けたから分かったけど、俺の周りには死んだような仲間が沢山居た。
きなこは起きないし......人間め! 俺たちの命を何だと思ってる!
────あずき、きなこの2匹が乗ったのはトラックだった。
────2匹の乗るトラックは一体どこに向かっているのか。