表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MOSAIC  作者: 蒼弐彩
WastelandHunters
29/63

right to buttle ⅴ

「まぁ、そうだよな。怒るよな」


 少女の消えたほうを見て紫苑は己の体を見下ろした。

別に何かを言われるのには慣れているし、これは自分の非だ。

一つ嘆息して少年はグルコース溶液やらなんやらの入ったポーチを探る。

取り出したのは黄緑色の液体が入った簡易注射器。

三分の一ごとに標線のついたそれを見やり、その先端についたゴムキャップを外して一つ目の標線まで中身を己が首筋に打ち込む。


 液体の中身は“鍵”ともいわれる糖の一種。

細胞内に即時吸収された糖に含まれる誘導物質が、DNA内で作動因子オペレーターに張り付いて転写を阻害していた調節蛋白質に結合。

DNA内の作動因子オペレーターが蛋白質から解放されていく。


オペロン説と言われるDNA転写機構を利用し、三重因子保持者の寿命を守るカギ(命綱)を一度開ける(捨てる)


 解放したのは加速系の異能力を発動可能にする因子と細胞周期を早める因子。

細胞単位の変異にしてはかなり速い速度でそれらは作動していく。


 同時に減っていくのは細胞末端粒子テロメア

再び目を開けたとき少年の左目は、己の名前が指す花の色、──薄紫に染まっていた。

少しの間周囲を見渡し少年は呟くように、でもよく通る声音で言う。

先程から奴の気配は背後にあった。

その名前を忘れたことはない。


 ただの一度も。


 そしてソレが今までにやった凶行のことも。


 病室にクール便で届けられた白い皿、ソコに盛られた心臓と、血液で描かれたEAT MEの文字、そっしてソレを持つ見慣れた相棒の両の手。

 一度はPTSD(トラウマ)になって、だから忘れる訳が無い。


「なあ、そこにいるんだろう? 不知火しらぬい橙汰とうた

蒼依姉も、紫暮の事も殺しやがった裏切り者の研究者」


この部分書くために生物の勉強しなおす羽目になった受験生(なお物理選択である)

つまり付け焼刃の知識です。


なので誤植や誤解があれば訂正を送っていただけるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ