right to buttle ⅳ
───じゃあ、勝手に戦って勝手に死ねよ、死んだ後で獣姦でも輪姦でもされてればいい!…ま、そんなに体ん中無機物に犯されても平気な不能なら、感じすぎて死ぬこともないでしょう!!
吐き捨てるようにそう言って、全速力で走った、数分して振り返ればだれもいない。
怒りで火照った頭が冷えれてくれば、後悔が体を締め付ける。
いくら激昂して度を失っていたとはいえ、ひどいことを言ってしまった。
好きでそうなったわけじゃないだろう、それなのに。後で謝ろう、もちろん向こうにも謝罪は要求するが。
今のでどこまで走っただろうか、異能を全開にしていたせいで、細かいことはわからない。
取り敢えず連絡を取ろうとして、少女は自分の軽率さを呪った。
感情の赴くまま引き返してしまったが、確か自分達は何者かに追われていなかったか?
そして自分が戻ったのはその何者かが潜んでいる方ではなかったか?
シェア・サイトの表示は圏外。
半径5キロ内に別のシェア・サイトがあれば反応するようになっているそれが圏外と表示されていた。
流石にロゼリエもそこまでは走っていない。
少々癪に障るが少なくとも紫苑の右目が反応するだろう。
つまりこれは電波妨害をかけられていることに他ならない。だとすれば。
オマケにガンケースはレイ達の所に置いてきてしまったので、今手持ちの武器は9ミリ拳銃であるP.A-MAS-G1しかない。
姿を見せたままでいるのは得策じゃないか。
一つ息を整えて、シェア・サイトから異能式を検索し狙撃手として敵から姿を隠す時しか使わない、加速系の異能、〈蜃気楼〉を発動。
消費の少ない電操系に慣れていた自分には少しきついが、今はこうするほかない。
十分あたりに注意し、とりあえず元の場所に戻ろうと少女は再び歩を進めた。