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残念な戯言的散文

のりもの

作者: 残念な戯言遣い

 ガタンコトン。

 鉄道オタクのことを鉄ちゃん鉄子といいますね。

 ガタンゴトン。

 私、鉄道オタクではないのですが、電車というか線路をはしるものに揺られるのが、全般的に好きだったりします。

 あ、でも絶叫系な乗り物はここ十数年乗ってないし、そんな好きじゃないので、全般的には言い過ぎですね、ごめんなさい。

 おぬし乗り鉄か!?と、言われればそこまでじゃねぇでげすと否定せざるえません。∵休日に乗りに行こうと思わないんで。


 理想の休日は、敷き布団と掛け布団の狭間でゴロゴロと読書してたいです。

 もしくはgame携帯機でレトロゲーとかを…。

 …話がそれました。


 まぁ、ライトな乗り鉄と名乗れるかもしれません。ですが、鉄ちゃんたちに「青二才が!」と怒られてしまいそうなので、そんな中途半端な気持ちで名乗るわけにはいけません。

 電車やそれに纏わるモノに関しては、何よりも優先したいんだ、というあの熱量。

 あの熱量=情熱を持ってこそ鉄ちゃん、鉄子だと思うのです。


 線路を走る物に揺られるって言いましたが、ナンチャッテ自己分析してみるに自動で動く(=他人が動かしている)ってものに乗るのが好きなのだろうと思うのです。

 自分で動かしていない(=自己制御していない)せいだと思うのですが、なんともいえない不安と期待が入り混じった感覚を覚えているように感じます。

 「どこに行くんだろう」「どこまで連れて行ってくれるのだろう」、と想像している自分がいたりするのです。

 いや、電車なら行き先も解ってますし何処で降りようと決めてますから、“結末”は解っているのです。だから、そんなもんでドキドキ感じるって、頭おかしいと思われるかもしれません。

 実際に自分でも「うん、おかしいよね」と素直に思います。

 解ってもらえないのは重々承知してますが、何となく読書に通じてるモノがあると錯覚してしまうのです。

 ページをめくり物語が進んでいく。

 「どうなるんだろう」「どうするんだろう」、とワクワクして頁をめくります。

 少しは物語を書いたり、莫迦みたいに本を読んできたせいで、結末は何となく想像できるし、物語の中の登場人物達の感情も理解できるので、“終着駅”はぼんやり見えているのです。

 が、物語が進んでいくというその感覚がたまらなく好きで、一度読んだ小説も何度も読み返してしまうことがあります。

 やはり二度目となると予想がなくなり、次は“こうなる”という予定調和という知識って奴が読むモチベーションを邪魔してくるんです。

 それでも、ただあのシーンにたどり着きたくて、あの人物のあの台詞を()()()()()、本の表紙をめくります。


 前職の通勤で一時間ほど電車を利用していました。

 鞄のサイドポケットや外套のポケットに文庫を一冊いれて、毎日通勤していました。

 そして、二十代の私は思ったわけです。

「電車で運ばれていく私、本で運ばれている物語。うーん、なるほど、本は物語の“乗り物”なんだな」、と。


 それを思いついた私のドヤ顔は、その年の「殴ってもいい顔大賞」にノミネートされるほどのものだったでしょう。

 友人に思いついた警句を告げると、「は?訳解らん逝ってヨシ」「うげー」「どういう意味?」「で?」などなどと辛辣なものがかえってきましたとさ。

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