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ギルマスの不在  作者: ragolun
1章
6/13

6

呪われたアルヴのプール1階。

薄暗く巨大なキノコが生い茂っているが作りは野外そのものだった。

ングのマジックライトで明かりをつけたら巨大なミミズもどき10レベルが5匹いた。

「敵のレベル60ぐらいって言っとったよな?お出迎えが最初10レベルってどういうことやねん」

「元チェルノブイリだからそういう演出なんだと思う、ドームにして囲ったのも強制的に暗くするためだろうし」

「まぁ最初からMP使わないで楽に処理できるのがいいと思うおぉん」

ゆんが前方の2体を弓で射貫き、右の1体を俺が槍投げで貫通させ、ングとブラが左のミミズもどきを1匹ずつ切り捨てた。

「ゆんちゃんいつも刀なのに弓なのな、弓アサじゃないのによくやるわ」

「おぉん!弱い敵倒すのに移動するの面倒にゃん」

女の子の声を出そうとしているが明らかに失敗している。

「入り口入っていきなりミミズに囲まれたときは1階は全部こんなもんかと思ったけど、倒したらすぐ階段なのな」

「1階の演出雑すぎやない?」

「まぁ行こうや、ギミックが待ってるぞー」

「あれ?あの赤い石なんやろ、赤き浸食石?見たことないわ」

赤き浸食石「浸食されたモンスターの死体を操るのに使うアイテム」

「ゆんさんこのギミックは知っとった?」

「いやね、聞いたことないわ、リアルシフト起きてからギミック変わったのかなぁ」

「まぁ4つあるし全部持ってくか」

建物が爆発したような跡の下に階段ができていたので俺たちはそこを下ることにした。


呪われたアルヴのプール地下1階。

フロアの中央に下され、数歩移動したら階段が上に閉じていく

「これは良い演出やな、ぅ・・・」

埃が思った以上に飛び一番後ろにいたングの目に入った。

「演出は迫力だけにしてほしいわ」

壁から半透明で胸の辺りに赤い穴がある浸食された回復のバーニングデッドレベル30が出てきた。

「これか浸食されたモンスターって」

「とりあえず、一気に決めるオォン アサシネイトォオオオ」

アサシネイトは一番のDPSを誇るスキルで敵のランクがノーマルランクで敵のレベルが10以上低い場合は一定確率で即死効果があるが、バーニングデッドはパーティーランクで決まったがダメージは1だった。

「おぉん!コイツ弓効かないっぽいぞユークライネス姫国で長年プレイしてきたけど聞いたことないモンスターだ」

「とりあえずヘイト稼いどくから後は頼むな!タウンティングブロウ」

タウンティングブロウが当たったがまたもや1だった。

「名前的にうちの出番やと思うんやけどな、ヴセのおっさんの言っとったことを思い出して細胞を回復させて強化させる感じやな! キャストオンビート! ハートビートヒーリング!」

「誰もダメージ受けてないのにヒールするのかよ!」

ブラが突っ込みを入れてから数秒後ハートビートヒーリングが発動した。

ハートビートヒーリングはドルイド固有の回復魔法で時間の経過とともに回復させるのだが、オカルトダブラーのングはエンチャンターでも使用することができた。

「あぁやってもうたわ使う順番間違えたわ、リアクティブヒール先にかければよかったわ」

バーニングデッドは徐々にダメージを受けていく、ングは味方にではなく霊体系モンスターのバーニングデッドに回復魔法をかけたのだ。

「あぁタゲとったわヘイト操作よろしくブラ!イルさん!ヘイスト」

ングは自分の移動速度を上げて後ろに下がっていった。

「おぉん!俺の出番なさそう」

ゆんだけ真ん中で突っ立っている。

俺とブラは円状のフィールドをングと反対側になる位置になるよう移動しながらタウンティングをすることにした。

「ラフティングタウント」

ラフティングタウントは敵を引き寄せるスキルでハートビートヒーリングで回復中(ダメージ中)のバーニングデッドをずっと留めていられるほどヘイト稼ぎは良くない。

「アストラルバインド」

壁の近くまで浸食された回復のヒルジャイアントが来たところでングがものすごい遠くから移動阻害呪文をかけた

「エリクシール リアクティブヒール」

エリクシールでリアクティブヒールの回復量を増してリアクティブヒールをかける。

リアクティブヒールは対象がダメージを受けたときに回復するクレリックの固有スキルでこれもオカルトダブラーのングだからエンチャンターでも使えたのだ。

「オカルトダブラーさまさまやな」

ゲームだった時代オカルトダブラーはレベル上げのマゾさと使えるスキルが初伝に限ることから他の職業のスキルが使えるながらも選ぶ人は少なかったが、来ているダンジョンとパーティーメンバーが足らないことからその能力が十二分に発揮されていた。

「アストラルバインドきれるで!」

ングが言って3秒たってからアストラルバインドが解けてバーニングデッドは手下を中央に召喚し始めた。

スケルトン50レベル2体にスケルトンアーチャー53レベルだ。

「おいアイツ手下のほうがレベル高いぞ」

「設定おかしいやろ!まぁ、コイツ等ぐらい余裕やけど!アストラルヒュプノ」

アストラルヒュプノは敵を眠りにつかせるエンチャンターのスキルでスケルトンアーチャーを眠りにつかせた。

「1匹寝たわ、後は頼んだで」

「アンカーハウル」

アンカーハウルは敵を引き寄せ防御力を上げるスキルでバーニングデッドとスケルトン2体を引き寄せ、バーニングデッド怨嗟の青き炎を唱え始めた。

怨嗟の青き炎はバーニングデッドの使う攻撃スキルの1種であり、強いバーニングデッドによっては範囲攻撃になる。

このバーニングデッドの場合普通は23レベルから25レベルだが30レベルある。

確実に範囲攻撃を狙ってくるだろう。

範囲内にいたのが俺とブラだけだったのでそのまま受けることになった。

「おぉん!いい位置来たやっと俺の出番!ステルスブレイド」

ゆんはいつの間にか弓から刀に持ち替えていて中央に沸いたスケルトンがアンカーハウルでブラにヘイトがいって裏を見せたことでステルスブレイドを発動した。

ステルスブレイドは相手の背後を取っているときに攻撃すると攻撃力が増すスキルだ。

「もう少しでハートビートヒーリング撃てるわ! いくで、ハートビートヒーリング!」

通常のハートビートヒーリングの回復ダメージだけではなく、さっきかけたリアクティブヒールの回復ダメージも加わりもう少しでバーニングデッドを倒せそうだ。

「パラライジングブロウ」

パラライジングブロウは一定確率で相手を麻痺状態にするスキルだが麻痺にはならなかった。

「デュフフ、コポォこっちもあと少し」

「ハンティングホーク」

スケルトン1体に投槍が刺さって粉々になった。

「おぉん!まじその武器すこ、アサシネイト!」

2体目のスケルトンと10レベル以上のレベル差がありスケルトンはノーマルランクなのでアサシネイトの即死判定の範囲内だ。

アサシネイトの即死判定が発動して2体目のスケルトンは即死だった。

ハートビートヒーリングの時間回復ダメージの効果でバーニングデッドもHPが0になり死体が石化して残った。

「いやー近接らしい戦い方でもスプリンターらしい戦い方でもない戦い方したの初めてや」

「近接エンチャンターなのになんでワンドファイター選ばなかったんだろうって思ってたけど今回はングに救われたな」

「このダンジョンに入った回復職のレベルが低めだった時を想定した設定やろうけど助かったわぁ」

「おい、とりあえず赤き浸食石をこの胸に空いた穴にはめてみるぞ?」

テンションが上がりきったブラが赤き浸食石をはめてみたが何も効果がなかった。

「おかしいなぁ回復職がはめないとダメなのかなぁ」

「しゃあないな、俺がやるわ」

ブラがはめた浸食石をングが触ると石化したバーニングデッドが元の姿になり透明だった部分が徐々に赤くなっていった。

「バーニングデッド赤なったけどどうするん?」

「とりあえず残ってるアーチャー倒す?」

「せやな」

「ステルスブレイド」

「ワイバーンキック」

「シールドスマッシュ」

「フンヌ!」

ングだけスキルなしで鎌で切った。

レベル90の冒険者4人の攻撃を同時に受けたスケルトンアーチャーは一溜まりもなく消えていったが、他に何も起こらなかった。

「階段でないな」

「せやな」

「フレイバーテキストに死体を操るってあるけどングなんかできる?」

「そうやなぁ、壁に戻れ!」

出てきた壁の穴にバーニングデッドがはまると地震が始まり地面の下がへこみ始めた、どうやら当たりだったらしい。

「にしてもコンシューマゲームで回復バグでも使っとる感じやったわ」

「おぉん!何それ楽しそう」

「無機物モンスター多いって聞いてたけど思いっきり元有機物と骨だったな」

そんな会話をしながらステータスを回復しつつ、少ししてから俺たちは階段を下って行った。

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