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ギルマスの不在  作者: ragolun
1章
2/13

2

ミナミで大神殿を購入したギルドがあった、Plant hwyadenというギルドだ。

大神殿は死んだ冒険者が復活するための施設で、今のエルダーテイルが冒険者が仮に復活できるとしたら死ぬことをそのギルドによって支配されたこととなる。

だが、俺たちギルドの中には死んだ者はいないし、そもそもエルダーテイルの世界がリアルとなった訳で俺たちの誰もが復活できるとは考えていなかった。

Plant hwyadenというギルドはギルドに入った者だけ死んでも復活できるという事を言い強引にギルドに勧誘し拡大していっているのである。

だが俺達には無縁の事だった。

もうポーションでいいと開き直っているブラ以外は素材アイテムを集めて少しでもフルーツ生活を充実させることができればそれで良かった。

食べる気はないが戦闘で生肉の備蓄はあるしブラのポーションの材料も大量にある、弱いモンスターを狩ることや植物を採取することで栄養バランスに偏りはあるが生きるには何不自由なかった。



「久々にピザが食べたい」

「イルさんだから太るんだぞ、ポーションを飲めポーションを」

「ブラはポーションばっか飲んでるけど味ないやん、それでいいんか?」

「いや、味はないんだけどなんか気分が良くなるんだよね」

ブラが気分が良くなるのはおそらくポーションで酔っているのだろう俺もングも試しに飲んでみたが全然そんなのは感じなかったのだがブラは既にポーション中毒なのかもしれない。

誰でもいいコイツに解毒剤を飲ませてやってくれ。

高レベルの狩場はPlant hwyadenが独占していて最近では使えなくなってきているのでングの魔法一発でも倒せるところで適当に食料を確保してPlant hwyadenの低レベル層が来たら狩場を移す感じで食料の備蓄ばかりが増えていく惰性の生活が続いていた。

ングの魔法一発で死ぬ狩場で食料あさりをしているわけだがCRAZY Enchanterのングがパルスブリットを乱射したら連射速度が凄過ぎて敵のリポップが間に合わないので雑談しながら緩く倒す程度である。

そんな中レベル90のPlant hwyaden団体が12人ほどやってきて代表の一人らしきガーディアン卍漆黒の騎士卍がギルドに勧誘してきた。

「そこの3人Plant hwyadenに入らない?入ると大神殿で復活できるよ?」

「卍族やな」

「卍族だ」

「いや俺たちそもそもこの世界で死んでも蘇れると思ってないし、そもそも卍ついてる人にとやかく言われたくないなぁ~名前取れなかったから卍つけてるんだよね?中学生?」

ブラとングはこういう事をあんまり気にしないが俺は煽らないと済まないたちなのだ。

「なんで中学生ってわかったんですか!死んで蘇った人が現にいるんで入った方がお得ですよ!」

「俺らの中で死んだ人おらへんし俺らのフレも死んだわけやないからな」

「1人加入させるごとに僕達アイテムもらえるんです、お願いします何でもしますんで」

「ん?今なんでも・・・ってそういうの乗らないよ、そういう事は言わないように卍君」

「卍君とか卍族とかやめてもらえますか?加入してくれないならこっちにも手段があります」

なんでこんな中学生がリーダーなのかは知らないが後ろにいたメンバーと卍君がにらみ始めた。

「Plant hwyadenはPKもやるのか?んなことやるなら俺は帰るぞ、帰還呪文使えないからって強制勧誘する場所考えてからやれよな、ミナミ付近の初心者用狩場じゃないかすぐ帰れるぞ」

ブラが珍しく口をはさんだ。

「んじゃさよなら~、ング俺につかまれ!ブラにヘイスト頼む」

ングが捕まった直後に俺はファントムステップで移動した。

「ヘイスト オーバーランナー エレクトリカルファ・・今暗くないからエレクトリカルファズはいいか」

ヘイストでブラの足の速度をあげてオーバーランナーで全体の足の速度を上げて目くらましにエレクトリカルファズを打とうと思ったが対して暗くなかったので打たなかった。

勧誘してきたのがガーディアンの集団で足を速くする魔法が使えなかったのもあって追いつかれずに済んだが、念のためングはパルスブリット乱射で木を何本か倒した。

「イルさんファントムステップ切れても走るの早くね」

「走る速度が一緒ならベクトルで考えるんだよ」

「ベクトルって言ったってそりゃゲームだったころの話だろ今じゃ加速度とかの問題もあるから早いのがよくわからんぞ」

「コマンド手動操作でキャストオンビート唱えといてよかったわ、前のゲームでもイルさん早かったからなコツでもあるんやろ・・・」

固定砲台になっていたングが打つのをやめ、少し経つとミナミが見えてきた。

「ミナミに戻っても毎回Plant hwyadenがしつこく勧誘してくるかもしれへんな、どうする?」

「他の五大都市も同じような状況かもしれないしなぁ、フェアリーリング?」

フェアリーリングとは月の満ち欠けで移動先のホームタウンをつないでいて攻略サイトがない今はタイムテーブルがないためどこに飛ばされるかわからない代物だ。

「イルさんまさか突っ込むの?」

「もちろん!世界が俺たちを待ってるんだぜ?それともスバがギルマスじゃないギルドでも入るのか?」

「いやギルマスはスバ君以外ありえへんな!世界が待ってるとかそういうノリ好きやで」

「まぁスバがギルマス以外ありえないよな」


フェアリーリングを正面から入ろうと思ったがさっきの勧誘してやつらが追いつけないだろうと思ったのか帰還呪文で先に帰ってきていた。

「こういう時はングの出番だな、考えるのは任せる」

「んなこと言ってもな、街中でスキル使って衛兵呼んじゃうとかでいいんやない?」

「攻撃されそうになったらあいつら盾にすればいいだろ」

ングもブラもアバウトだ、あいつらが言うように死んで復活できるならそういう選択もありなのかもしれないが仮に復活できたとして俺たちはPlant hwyadenのメンバーではないので復活できないだろう。

そんな時ろぜりんが通りかかった、無所属だった。

「やぁ!」

「ナイスタイミング!ろーさん!これからミナミを出て違う場所に行くんやけど一緒に来ない?」

「ヒー!どこ行くの?」

「フェアリーリングでどこ行くかわからないけど」

ブラが即答した。

「やめとく!でも僕もこれからアキバに行こうと思うからしつこい勧誘もこっち来ると思うよ!じゃあね!」

エルダーテイルに来る前から俺たち3人はろーさんの事を知っていたが、昔からろーさんは無所属を貫いていたのでエルダーテイルの中でも貫き通すようだ。

「あっ、そろそろ夜やからミナミの出口付近木が倒れてるからきいつけてな」

ろぜりんは中央突破して歩いていきPlant hwyadenのギルド勧誘達もついて行って1人しかいなくなった、チャンス。

「一気に行くか」

そのままフェアリーリングまでダッシュした。

1人が慌てて追いかけてきたがこちらの方が速く余裕で抜き去ることができた。

「起動してる、行けるぞ!」

3人はフェアリーリングに飛び込み、目を開けた時にはアラビアっぽい建物が見えた、ミナミから出たときには夜になりかけていたが恐らく時差のせいだろうかお昼を過ぎたころだった。

場所はホームタウン・キーエ、確実に外国だ。

巨大な川が流れており川の向こう側に大神殿と思われる建物があった。

エルダーテイルには自動翻訳機能が備わっていて大地人に国名を聞き出すことができた。

ユークライネス姫国それがこの国の名前のようだ。

アラビアっぽい建物が何か所かあるが屋根の金メッキが剥げ部分部分に苔が生えている。

そのままではアラビアの方の地方だと思ったのだが温度はミナミより少し低くく余計にどこにあるのかが分からなくなったがユーラシア大陸の西欧サーバーの真ん中辺りにあるようだった。

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