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「たまげたなぁ」
僕、ォ茶犬はFPSのオフ会の後に新キャラクターでログインして直後大災害にあった。
元々はムルティというギルドに所属しているガーディアン90レベルのエルフで両手斧使いだ。
大災害にあった直後に初心者をギルド勧誘がするのがしつこかったので、前のゲームからの知り合いオーラのギルドホームでお世話になっているが所属はしていない。
僕が今何に驚いているのかというと、味のするハンバーガーがあるのだ。
僕は軽食販売クレセントムーンで味のあるクレセントバーガーとカリカリチキンを購入して月の兎のギルドホールまで持っていった。
この世界にきてから素材アイテム自体に味はあったが味がある料理は革命だった。
「リオさん、すごい発見した味がある食べ物だよ」
前のゲームだった時のオーラの名前はリオーラだったので僕はリオさんと呼んでいた。
「犬君、僕はエルダーテイルの世界に来てから一度もそんなもの見たことないんだよね、でもそのチキン本当に匂いしておいしそう」
リオさんは信じていなかったがチキンを食べて反応が変わった。
「犬君すごい、よくやったよ!花ちゃん!僕たちも買いに行くよ!」
リオさんと花ちゃんはギルメン分のクレセントバーガーとチキンを買いに行って暇になったのでアキバの街を歩いていたら見たことがある看板を見つけた。
美少年と書かれた鍛冶屋だ。
ミナミにいた前のゲームからの知り合いろぜりんが経営していた鍛冶屋でメインキャラの時によくお世話になった。
「やぁ、いらっしゃい!見たことあるキャラデザに名前!けんくん?」
いつの間にか店主のろぜりんがこちらを覗いていた。
「その通り、大災害前までメインだったけどちょうど新キャラを作ったらこの通り」
新キャラを作ってから大災害が起こったので僕のキャラのレベルは低く12レベルのガーディアンでサブ職はクラッシャーの8レベルだ。
「そういえばイルさんとブラさんとングさんに会ったよ」
「えぇ、どこで会ったの?」
ついに、この世界に来てから僕がサブだった事もあり会えていなかったギルメンの所在が分かる時が来た、リオさんに念話を試してもらったがギルメンの誰とも通じることがなく連絡を取れないでいたのだ。
「ミナミで会ったけどフェアリーリングに飛び込んでどっか行っちゃった」
ギルメンに会える手掛かりがつかめたと思ったがどうやら海外サバに行ってしまったようだった。
「これは僕がレベルを上げて迎えに行くしかないな」
「レベリングするならまず武器だね!初心者用じゃなくて新しい両手斧作ろうか!」
それから僕はろぜりんに武器を作ってもらい、ギルド月の兎のギルドホームに通ってレベルあげPTを募り、レベルが上がったら美少年に通って製作級の新武器に乗り換えてレベリングをする生活をした。
前のキャラでやってた事もありレベリングのノウハウが詰まっていたこともあり2か月半でレベル53まできた。
レベリングで自分以外のメンバーは金貨が貯まっていて頻繁にクレセントムーンに通っていたが、クレセントバーガーにあり付けるチャンスは少なかった。
値段設定が高いと最初は思っていたが供給先のほうが圧倒的に多く需要のほうがに多かったため値上げしたほうがいいと、何度月の兎のメンバーが思ったことか。
食事という金貨の使い道ができたことで金貨の価値が上がり、食費を節約していたろぜりんがこのチャンスに密かに儲けていた。
気が付いたころには円卓会議というものが発足されていて味のある料理の秘密の公開や人権問題などに対する処罰など色々な取り決めが行われ、僕を初心者だと思ってしつこく勧誘していたギルドはいつの間にかつぶれていた。
味のする料理の作り方はこうだった。
調理スキル保有者がシステムタブからではなく自力で料理することだ、この話を聞いてろぜりんの話していたギルメンのオリジナル武器の事を思い出した、原理は同じなのだ。
「僕もオリジナルの斧欲しいなぁ、このキャラレベル足りないからあんまり良いの手に入れるの早くてもあれだけどなぁ・・・・」
レアな素材など持っていないのと斧をより重量化して1撃辺りのダメージを増やすことしか想像できなかった。
「何か革命的アイディアが欲しいんだよなぁ・・・」
そんな事を考えてるうちにリオさんから念話が来た。
「犬君、イルさんたちいつの間にか帰ってきてたみたい、さっき念話があったよ」
リオさんに言われてロデリック商会に行ってみるとイルさん(ドワーフのモンク)にブラ(狼牙族のガーディアン)にング(ヒューマンのエンチャンター)とAVONという1名知らない人がいた。
「おぉん!けんちゃん久しぶり」
「え?誰?」
「俺俺、ゆんちゃん」
「えぇ、ゆんちゃんエルダーテイルやってたの?」
「おぉん!前のゲームが終わる前にこっちに来たから最古参だよこの中では!」
「マジで最古参なんだよなぁ」
「マジかぁ僕一番新参だからなぁ、新キャラだし」
「メインキャラもサブキャラも同じ種族で同じ職業選ぶとかなかなかマニアックやな」
「うん、サブ職業だけ違うけどね」
メインキャラのサブ職業はバーサーカーでこのキャラはクラッシャーというどっちも破壊系職業だ。
「にしてもレベル上がるの早くないか?そのキャラ作ったの大災害直前なんだよね?」
僕はEXPポーションのおかげもあってパワーレベリングは順調でそこら辺にいる中級冒険者のレベルにはなっていた。
「レベリングして迎えにユーレット大陸まで行く予定だったけど、そっちが先に帰ってきちゃったんだよね」
「俺ら帰ってきて2日はたってるけどな」
「ロデ研には何しに寄ったの?」
「レアメタル売りに来たんやけどな」
「フェアリーリングで行った先が鉱物資源ばっかり豊富な国で鉱石ならレアなのも結構あるぞ」
「中国サバって鉱物資源豊富だったんだ?」
「中国サバじゃなくてウクライナに飛ばされてたんだけどな」
ウクライナ?どこにあるのかハッキリわかるわけではないが、恐らく中東のあたりだろうか、ウクライナまで飛ばされてどうやって帰ってきたんだろう。
「フェアリーリングで帰ってきたんやけどな」
行きも帰りも攻略サイトが見れない今ランダムワープで行ってランダムワープで戻ってくるような無謀な話に感じた。
「そういえばろぜりんに聞いたよオリジナル武器作ったんだって?」
「ろーさんもうアキバについてたんか、いや2か月半ぐらいたってるからついてないとおかしいか」
「3日ぐらいで着いたって話してたけど、そんなに早く移動できるんだ?って思ったよ」
「おぉん!オリジナル武器俺も欲しい!」
ゆんちゃんのハートに火が付いた。
売る予定だった鉱物素材を全部持ち帰り僕たちは美少年に来た。
「やぁ、みんなおそろいで!」
「おぉん!ろぜりんじゃん俺にもオリジナル武器つくってちょ」
「ヒー!誰!」
「俺俺、ゆんゆん」
「・・・・」
ゆんちゃんは忘れられているようだった。
「と、とりあえずムルティのギルメンだおん」
「納得!オリジナル武器って言っても何作るの!」
「おぉん!レアメタルならあるからこれの打ち直ししてよ」
ゆんちゃんが夜に潜むを出してきた。
夜に潜む秘宝級アイテム「闇に紛れ暗殺を行うアサシンのために作られた刀。不意打ちをすることで相手の急所に当たりやすくなる。」
「ヒー!秘宝級アイテム打ち直したら製作級になっちゃうんじゃないかな!それでもいい?」
「おぉん!むしろウェルカム!!!!」
「ゆんさんマジ変態やわ」
「僕も欲しいけど元になる武器もなければアイディアもないからなぁ、日ごろからろぜりんには最新版武器にしてもらってるし」
「とりあえず、ゆんゆんの武器作っちゃいます!明日また来てね!」
オリジナル武器に興味はあったけど僕はレベルも合わないこともあってオリジナル武器は諦めた。
それからギルドホールに行ってイルさんとングのたこ焼き論争が行われた。
この世界に来てから4人はほとんど果物とカレーしか食べてないようでクレセントムーンがあったことや調理法が広まったアキバがキーエよりましに感じた。
しかし、この2人アキバに来て3日目なのに結構な種類のたこ焼きを食べている。
ゆんちゃんが料理人だったから調理法がわかれば作れそうな気もするがリアルのほうの調理スキルが壊滅的なようだった。
イルさんが関西に住んでたことがあってングは関西出身なためたこ焼きのダシの話や焼き方の話になっていたが僕にはよくわからなかった。
翌日美少年にギルメン5人でやって来た。
「やー!できてるよ!」
ろぜりんが夜に潜む・ろぜりんを持ってきた。
夜に潜む・ろぜりん製作級アイテム「ネタに生きるアサシンのため武器工ろぜりんが鍛え直す。不意打ちをすることで相手の急所に当たりやすくなる。」
「おぉん!名前が凄いことになってる、ありがとうろぜりん」
「いいえ!お値段500Kになります!」
ろぜりんは身内からは金はほとんど取らないが知らない人となれば別なのだ。
「おぉん!高かった」
レイドで荒稼ぎしていたゆんちゃんには払えない量じゃなかったがだいぶ高かった。
僕はオリジナル武器は手に入らなかったが新しいオリジナル要素として褐色肌を考えて今ブラにサンオイルの調合を頼んでいる。
先日ギルドで出した店ムルティポーションはアキバで大成功し、カレー味のするHPポーションやゼリー化させた持ち歩きようポーションなどオリジナルで作ったものやロデリック商会と共同研究したポーションなどが主流だ。
「できたぞ、お茶」
ブラが茶色に濁ったオイルを持ってきた。
「ちゃんとサンオイルだよねポーションじゃないよね?」
「肌を守るだけじゃなくて塗るだけでも少し黒くなるサンオイルを使ってどうぞ」
鏡をみながら鎧で露出してる部分に塗ったが割と即効性があり塗るだけで黒くなる魔法級アイテムだ。
この世界に来てからのブラは何気にポーション研究熱心でロデリック商会がメンバーに加えようとするレベルだった。
「お茶結構黒くなったな後は焼いてこい」
この世界にはダークエルフ自体は存在するが肌は黒くなくあくまでエルフを裏切ったエルフというだけで、クエストで敵対することはあったが実質肌が黒いエルフは僕が初めてかもしれない。
そのままギルハンになってポーションの材料を取りに行くのだが場所はシンジュク御苑の森の奥でカレーポーションの材料となるレッドターメリック狙いだ。
メンバーは僕(ォ茶犬)ガーディアン55レベル、イルさんモンク90レベル、ブラガーディアン90レベル、ングエンチャンター90レベル、ゆんちゃんアサシン90レベル、リオさんアサシン90レベルだ。
僕だけレベルが足りてないためヘイトを集めてパワーレベリングになる。
敵はオウルベア74レベル2体にポイズナストレント74レベル1体。
「タウンティングブロウ」
「タウンティングブロウ」
「ハンティングホーク ラフティングタウント」
「ゲインイミュニティ」
僕とブラがオウルベアを1匹ずつ引き付け、イルさんがポイズナストレントを釣って引き付けて、ングはイルさんをバッドステータスをかからないようにする。
「けんちゃんのサポート入るわ ソーンバインドホステージ アストラルバインド」
「OK ラピッドショット」
「おぉん!了解 アクセルファング」
「オンスロート」
ングがソーンバインドホステージでダメージ支援をしてアストラルバインドで移動阻害をかけ、リオさんがラピッドショットで僕の目の前のオウルベアに大ダメージを与え、ゆんちゃんがアクセルファングで一気に間を詰め攻撃し、僕がオウルベアの攻撃を受けながらオンスロートでダメージを与えヘイトを維持しスカーレットナイトのビルド効果でHPを回復しながら殴る。
「シールドスマッシュ」
「ワイバーンキック」
「アーマークラッシュ」
戦士職3人が近接をしている中にングも近接に加わり攻撃し始める。
「アサシネイト」
「アサシネイト」
「フンヌ」
僕の相手をしていたオウルベアが消滅して、イルさんのポイズナストレントの処理に移る。
「ライトニングストレート ファントムステップ」
「オーラセイバー」
「ヴェノムストライク」
「パラライジングブロウ」
イルさんがライトニングストレートで殴りファントムステップで避け、僕がオーラセイバーで切り裂き、ゆんちゃんがヴェノムストライクで毒を入れ、リオさんがパラライジングブロウで麻痺状態にする。
壁役3人のうち一番硬いのがブラで2番目がイルさん3番目が僕で一番火力が高いのがイルさんで次がブラでどっちも最下位が僕だった。
「キャストオンザビート ハートビートヒーリング」
「タイガーエコーフィスト」
「アンカーハウル」
「ステルスブレイド」
「アトルフィブレイク」
ングが回復に回り魔法乱射の準備をし、イルさんがダメージを稼ぎ、イルさんのオウルベアのダメージがある程度来たのでブラが両方のヘイトを集め、ゆんちゃんが裏から攻撃をし、リオさんがまた麻痺系の攻撃で動きを低下させる。
「ハンティングホーク」
「スパークショット」
イルさんのハンティングホークで瀕死になったポイズナストレントにリオさんが止めを刺す。
「ラスト1体 アイアンバウンド」
「アサシネイト」
「アサシネイト」
「ワイバーンキック」
「パルスブリット ナイトメアスフィア パルスブリット マインドショック パルスブリット マインドボルト パルスブリット」
もう少しで最深部に到着することもあり全員最後の1匹に容赦がなかった。
最後のオウルベアが消滅して少ししてから最深部にたどり着いた。
「いやー今日のレッドターメリックも大量大量、これでカレーポーションが量産できる」
ギルハンで集めた材料のほとんどがブラのポーションに消えるが1番稼いでるのがブラだった。