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作者: 噺 角蔵

 壊れたい。ただ、だだ、壊れたいと願う。なにも感じず、心を乱されなければどれだけ楽だろう。今はなにも感じたくない。

 

 これで五回目の転職。また書類審査で落ちた。大学を出て、暫くバイトと正社員を交互にしていた。どこもそんなに勤務年数は経っておらず、人間関係が嫌になったり、仕事内容が気に食わなかったら辞めていた。

 そんなことを続けていたら、当たり前だが役職なんかつくはずもなく、しまいには就職すらままならなくなっていった。周りの皆はそれなりに経験を積んで、資格もとっていた。もしくは結婚という名の永久就職についている。

 やばい、非常にやばい。

 私も今年でもう35だ。就職なんかいつでも出来るとか余裕ぶっこいているほど若くない。若くないくせに資格もない。経験もない。人生いつでもやり直せるとか言った奴誰よ。くそ、責任者出てきやがれ。やり直すどころか生活が出来ない。年令が年令だから、最早水商売さえ無理かも。いや、外見的に年令関係なく無理か。

 独身だし、年増だし、おまけにデブでブス。女として売れる見込みは最早ない。それに気付いた30の時には既に手遅れだった。もっと早く、大学の時にでも気づくべきだった。結婚するから適当に稼げばいいとか、その時点で考えが古かった。

 今は結婚しても共働きの時代だし、そもそも私は結婚に向いていない。何故それにあの時気づかなかったのか。部屋は常に汚いし、家事が嫌い。年のわりに作れる料理のレパートリーは少ないし、そもそも作っている時間がもったいない。

 だらだらしたい、楽に生きたい。それなのに、どうしてそれが出来ないんだろう。

 壊れたい、壊れて何もかもなくなればいい。

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