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鼓星  作者: 吉川元景
6/15

特訓前日

色々あって男装生活をすることになり、ひとりで服を着られるようになったし、和服にも慣れて違和感なく過ごせるようになった。

うん…洋服って楽だったんだな…。

何よりトイレがなぁ…。

「ウォシュレットなんてあるわけないの分かってるけど、トイレットペーパーの代わりに木でって…」

この時代はたしかに紙が貴重なのはわかる。だけど木かぁ…


紙で思い出したけど、未だに戦国時代の字が読めない…

日本語だよね?なんでこんなミミズ文字なの?

でも、気を使ってくれてるのか、文通がすごいのか分からないけど、元就公も五龍お姉ちゃんも元春様も手紙をくれる。

読めないのが分かってるのか、少し読みやすくしてくれてるみたい。だけど、読めない…。

忙しい中隆元様が教えてくれるから少しずつ字も読めるようにならなきゃな…


こんな感じで本当に戦国時代にはまだ慣れない。

でも女だって疑われないように、1人の人間と役に立てるようにならなきゃいけない。

…いや、なりたいんだ。

憧れの方々の側で動けるんだから…!

少し肌寒い外に飛び出す。

その寒さが気合を入れてくれるような気がする。

手紙では明日元春様が来ると聞いて、稽古をお願いした。

文字だけじゃなくて木刀の素振りもしている。

だけどそんな振り回したことのない私は刀に体が持っていかれる。

うーん。何が違うんだろう…。


「雫、精が出るな。」

「隆元様!おはようございます!」

「おはよう。朝から素振りか。」

「はいっ!」

「よく頑張ってるな。明日元春が来るから気合いがいつもより入ってるな。」

柔らかく笑う隆元様はなんだか、本当に人に好かれる人だなと思う。

「元春様に稽古付けてもらおうと思って!」

「そうか。元春は強いからな。強くなれるな。

…あと、明日は景も来る予定だから紹介しよう。」

「隆景様が。」

緊張するな…。

「景はそんな怖くないから安心していいぞ?」

よ、読まれてたぁ…

「隆景様はどのようなお方ですか?」

「そうだなぁ…思慮深く賢く頼りになる弟の1人だ。」

隆元様の目は年の離れた末弟の話を嬉しそうに思い出したかのような優しい目をしていた。


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