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ある世界の出来事~光の勇者編~  作者: 山崎世界
第四章:光射す世界へ
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辿り着く場所

「俺も同じだった。自分の世界を救う為といって、何もかも見ない振りをした」

「同じだと?知ったようなことを言うな…」

「闇の王ダルク。あなたは」


 世界を愛していた。


「そしてそれだけは忘れないために、自らの心さえ闇に閉ざした。自らの嘆きを、怒りを、憎しみを、苦しみを…そうでなくては守れなかったから。闇の王として、世界を」

 闇の王。それは真実を覆い隠し、世界を閉ざす者。世界を救う為に、何も見ない様にし全てを犠牲にした。だからこそ、ダルクは闇の王だった。

「けれどそれは闇の王だからこそだった。それこそが闇の王が闇の王たる由縁だった」

だからこそ、レイは敗れた。自らを閉ざし、目を逸らした。知らず知らずのうちに、光の王の矜持を自ら捨てていた。

「光など取り戻して何になる?私は…私は…!」

 確かに真実を照らす光は、ダルクを切り裂き、どうしようもない苦しみを誘うだろう。それは避けられない。しかし、それだけではないことを、レイは知っている。

「あなたには故郷があった。そこで、あなたの伝説を、必死に守ってきた人がいる」

「黙れ!」

 自分が嫌いだった。だからこそ、称賛など要らないと、そう閉ざした。だから、アリアとの出会いは辛かった。

「そして、あなたのことを大切に想う、ハルバーさんがいた!」

「…ハル、バー…」

「俺の記憶を奪ったのは、きっとあなたがいたからだ」

 闇に閉ざされた揺り籠のような世界。あの時、何もかもを見ようとしていた自分に、闇を与えたのだと、そう気付いたのだ。

 だからこそ、今こうして自分は闇から出でることが出来た。だから、今、目の前の闇の王に…いや、ダルクに。光を見てほしい。

「ありがとう…闇の王ダルク…」

 それが、光の王レイの戦い。

「…ぁ…」

 世界が、割れた。闇の世界が終わりを告げ、光が差し込み、崩壊していく。


「…ダルク様!」

 戦いは終わり、元の世界へと戻る。その瞬間、力尽きた様に倒れようとしたダルクの元に、駆けつける影があった。

「ハルバー、か…」

 あぁそうか。こうして、抱き留めて、受け止めてくれる存在が出来た。今まで、見えなかった…見ようとしていなかったけれど。

「ダルク…様…」

「ハルバー…はるばぁ…!」

「…ダルク様」

 その様子を見守るアリアも、涙を流した。彼女は、どこまでも彼女自身であり続けたのだと。そして、ようやく救われたのだと分かった。

「…」

 ハルバーは、静かにその小さな体を抱き締めた。そして、その胸の中でダルクは、叫び、泣いた。孤独に戦い続けた、闇の王の物語は、今、ここに幕を下ろす。

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